聞くところによると、楽天投信投資顧問さんがVanguard Total International Stock Index Fund ETF(ティッカーVXUS)を買い付けるだけのファンド(←失礼)を12月22日に運用開始されるとのことで、楽天証券さんでは20日まで当初募集も開始されたみたい。
またアレな位置を狙ってくるなーって。大和さんのマネしてヤングにレバレッジ投資の厳しさを教え込んだ次は、分散投資の厳しさを教える寸法ですね。わかります。
楽天投信投資顧問さんキビシイ。
今回は、楽天・全世界株式(除く米国)インデックス・ファンドのこととか調べたり、考えたり。そのへんのお話。
memo
グローバル5.5倍バランスファンド(1年決算型)20221219
基準価額:7,324円 / 前日比(円)-280円 / 前日比(%)-3.68% / 純資産総額79.44億円
日経平均:27,527.12円 / ドル円:136.72円
ダウ平均:32,920.46 / ナスダック総合指数:10,705.41 / S&P500指数:3,852.36
be careful
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「そうなんだー」くらいの肩の力を抜いた状態で、たのしんでいただければ幸いです。
diary
楽天・全世界株式(除く米国)インデックス・ファンドの愛称は楽天VXUS。VXUSはFTSE Global All Cap ex USインデックスのパフォーマンスを追従するETF。
FTSE Global All Cap ex USインデックスとは。
米国を除く先進国と新興国の47カ国から選ばれた約6,600銘柄(大型株、中型株、小型株)のパフォーマンスを示す時価総額加重インデックス。
世間様的には、Vanguard Developed Markets Index Fund ETF(ティッカーVEA)と、Vanguard Emerging Markets Stock Index Fund ETF(VWO)を自分でブレンドした方が安いのに、わざわざバンガードに貢ぐアホがいることが信じられないとか言われる(にほんじんがすきそうな)ETF。
平たく言えば、米国以外の先進国と新興国をイイ感じに合わせたものがVXUSで、当然手間賃が加味された信託報酬になっている。VEAは米国を含まない先進国バラ売り、VWOは新興国バラ売りETFという立ち位置。もちろんバラを買って組み合わせた方が安い。
この手の議論はVanguard Total World Stock Index Fund ETF(ティッカーVT)でも言われている。もちろんVTは情強が多い日本で人気。
とはいえ。世間様が言ってるからといって、それが正しいとは限らない。ちょっと調べてみる。
※この記事で掲載しているスクリーンショット画像はSilicon Cloud Technologies社Portfolio Visualizerの画面をキャプチャしたものです。
でん。

米国株式にはVanguard Total Stock Market Index Fund ETF(ティッカーVTI)を使って、VTIとVEAとVWOの組み合わせと、VTIとVXUSの組み合わせでって、あれ?2022年現在のVTの国別比率(米国63%、新興国10%、他27%)でチャート作ってみたのになしてVTだけ、だめな子なのだろう。
VTは恐らく毎年リバランスをしているだろうから、そのせい?それとも、その他を一緒くたにVEAに放り込んだらダメだったのかな。ううーん。リバランスという点ではVXUSも同じ気もするけれど、表にしてみるとこんな感じ。
組み合わせ | FinalBalance | BestYear | WorstYear | MaxDrawdown |
---|---|---|---|---|
VTI+VEA+VWO | 29,526 | 27.51% | ▲14.39% | ▲25.51% |
VTI+VXUS | 29,406 | 27.37% | ▲14.42% | ▲25.49% |
VT | 26,798 | 26.82% | ▲14.21% | ▲25.52% |
2012年から2022年間の比較で、VTI+VEA+VWOの3セットと、VTI+VXUSの2セットの比較だと、大方の予想通りに3セットの方がわずかに成績がよくなるみたい。
補足すると、2012年からの比較になるのは、VXUSの運用開始が2011年1月28日のため。
ということは?VXUSそれなりによい選択肢なのかも。(←ふほんい模様。
んー、でもVTが振るわない理由がやっぱりそれはそれで気になるので、ちょっと比率をいじってみる。
VXUSがいると比較期間が短くなるので退場願って。と、VTも2006年6月26日運用開始だから、そこまでは伸びないか・・。でもやってみよう。VTI+VEA+VWOの比率をいじって2007年から2022年の間でVTと比較してみると。

ふいー。VTI+VEA+VWOの組み合わせをVTのパフォーマンスにそこそこ近づけたチャート。BestYearだけ成績がよいけれど。比率は米国をごそっと落とした形でVTIが45%、VEAが35%、VWOが20%。
VTが振るわない理由は米国の比率かも。
うーん。じゃあ米国いっぱい盛ればいいじゃないかって言うのも乱暴だし。難しいね、この辺。VTが米国比率を上げてこなかった(今はあげてるけれど)のは、その時代の観点で見れば適切な比率だったわけだし。信託をする時に、何が重視されるのかをきちんとみないといけない、というまとめかな。
あれ?
何の話だっけ。あー、うん。VXUSだ。さっきVTの国別比率を見てきたら新興国10%、そのた27%くらい(厳密には新興国10.1%、そのた26.8%)だったけれど、VXUSはどうなってるだろう。似たような成績になっていたから、同じくらいかな。
バンガード公式さんによれば・・・、VXUSの新興国比率は25.30%。ん?これどう計算すればいいんだ。
ええと、VT、つまり全世界の比率でまず考えるから。新興国10.1とそのた26.8を足す。全世界の中で、米国を抜くと36.9%が残りの割り当て。36.9の中で10.10の比率を求めればいい?
10.1 ÷ 36.9 × 100 = 27.37
あー、あってるようなー?あってないようなー。VXUSの中の新興国25.30%だから、VT内の米国外の比率27.37%と比較して、まぁ、近いと言ってもいいかな?気持ち少な目くらいか。
VXUSの国別比率はざっくりと4分の1が新興国で、4分の3が先進国。
先進国って欧州と日本とか入ってるんだよね。ネスレとか盛ってそうだなー。って、思ったらTSMCがトップだった。ネスレは2位。どっちも1%前半って、スゴイ分散している?これって。ええと、どこだ。あった、組み入れ7955社?!ひえー。買ってるなー。
組み入れ国別比率上位20はこんな感じ。
国 | 比率 |
---|---|
日本 | 15.20% |
英国 | 10.20% |
中国 | 8.10% |
カナダ | 7.60% |
フランス | 6.50% |
スイス | 5.80% |
オーストラリア | 5.30% |
ドイツ | 4.90% |
インド | 4.60% |
台湾 | 4.30% |
韓国 | 3.40% |
オランダ | 2.60% |
スウェーデン | 2.20% |
香港 | 1.80% |
デンマーク | 1.70% |
ブラジル | 1.60% |
イタリア | 1.60% |
スペイン | 1.50% |
サウジアラビア | 1.20% |
南アフリカ | 1.10% |
あれ?日本の比率が高いぞ。GDPならチウゴクガー、インドガーはどこいったんだ。
VXUSはVT全体の36.9%分だから、ええと、VT内の日本は6.1%なので。
6.1 ÷ 36.9 × 100 = 16.53
VXUS内の日本比率は16.53%?よりは低い15.2%、こっちも控えめにしてあるのか。そこまでVTとズレているわけでもないのかな。バンガード公式の資料によれば、VTの組み入れ国別比率1位の米国に次いで2位は日本って書いてあるから・・、って世界順で2位なのかいっ!
株式の時価総額だとまだまだガンバってるのか・・涙。
何か界隈だと「にほんの比率が高いから買いません!」とか「にほんに未来はないので買いません!」とか、すごい叩かれている国なのにね。
これって、どっちがほんとなの?
インフルエンサーがいう「だめな国」が正解?
世界の会社の時価総額を公平に計算するFTSEが「世界2位と評価する国」が正解?
なんか、騙されている気がするよ。
と。VXUSに関してあーたらこーたら書いてきたけれど、実は楽天・全世界株式(除く米国)インデックス・ファンドの目論見書を読んでみると以下のようなことが書いてある。
バンガードが運用するバンガード・トータル・インターナショナル・ストックETF、バンガード・FTSE・デベロップド・マーケッツETFを実質的な主要投資対象とします。
あれ?
VXUSに連動を目指してVXUSのマザーファンドを設けて、その中身がVXUSとVEAなの?ちょっと何言っているのかわからないけれど・・。VEAとVWOじゃなくて?VXUS買うならVEAいらなくない?
説明に以下のように書いてあるから、これ、わかって書いている。んだよね。
ファンド名 | 実質的な主要投資対象 |
---|---|
バンガード・トータル・インターナショナル・ストックETF | 全世界株式(除く米国) |
バンガード・FTSE・デベロップド・マーケッツETF | 先進国株式(除く米国) |
想像だけれど、VEAは価格調整のために使う感じ?
目論見書で書いている「連動する投資成果を目標として」というのは価格のことだと思うので、手続きなどの関係でズレが大きくなった時にVXUSの4分の3を占めるVEAで補填すれば、少なくとも4分の3は同じ値動きになるだろうからのちの調整がし易いとか。流石にVXUSの先物はなさそうだしネ・・。
マンスリーレポートか運用報告書が出てからかな。この辺りは。
ううむ。
最後にちょっと目論見書に謎が残ったけれど。それでも米国一本で投資信託を運用されている方には楽天・全世界株式(除く米国)インデックス・ファンドはよいファンドなのかなって。何よりも米国株式を含んでおらず、合わせれば世界株式として地域分散を実現できるという点。不足しているものを不足した時に追加できる。余剰が出ているものを余剰が出た時に減らすことができる。これはとても大きな長所。
今みたいな時期。ちょっと不安だなーって時に積み立てれば、気持も落ち着くのではないかなって。値が乗ったら売ってもよいし。そのまま積み立ててもよい。相変わらず絶妙な時期に出してくるよね。イジワルなのか、お客本位なのか。
おつかれさまでした。