昨年末に3周年を向かえたUSA360こと、楽天・米国レバレッジ・バランスファンド。当時大成功を収めていたグローバル3倍3分法ファンドに追いつけ追い越せ、運用会社各社がバランス型レバレッジ・ファンドのリリースを続けていた頃。
楽天・米国レバレッジ・バランスファンドも、もしかしたらそんな思惑があったのかなってタイミングで登場した。
愛称がUSA360だから、タイトルに「まるっとUSA」と書こうとして。あれ?そんな愛称のファンドなかったっけ?と調べると。「まるっと米国」なる愛称のファンドが別にあった。どうでもいい予備知識。
今回は、楽天・米国レバレッジ・バランスファンドのことを今更調べてみる。そんなお話。
Memo
グローバル5.5倍バランスファンド(1年決算型)20230409
基準価額:7,734円 / 前日比(円)+45円 / 前日比(%)+0.59% / 純資産総額100.92億円
項目 | 通貨ペア | 価格 | 52週範囲 |
---|---|---|---|
ドル円 | USD/JPY | 132.1370(JPY) | 124.3020 – 151.9370 |
ビットコイン | BTC/USD | 27,918.57(USD) | 15,599.05 – 43,376.38 |
イーサリアム | ETH/USD | 1,853.63(USD) | 896.11 – 3,303.00 |
リップル | XRP/USD | 0.504952(USD) | 0.290579 – 0.797129 |
ステラルーメン | XLM/USD | 0.104680(USD) | 0.070841 – 0.211376 |
※為替はそこまでご利用が無いので、暗号通貨も混ぜています。
項目 | 指数 | 数値 | 52週範囲 |
---|---|---|---|
米国株式 | CRSP US Total Market Index | 2,950.28 | 2,925.06 – 2,951.62 |
S&P500 | S&P500 Index | 4,105.02 | 3,491.58 – 4,512.94 |
NASDAQ | NASDAQ Composite Index | 12,087.96 | 10,088.83 – 13,710.70 |
英国株式 | FTSE 100 Index | 7,741.56 | 6,707.60 – 8,047.10 |
独国株式 | DAX Index | 15,597.89 | 11,862.84 – 15,736.56 |
日本株式 | TOPIX Index | 1,965.44 | 1,808.77 – 2,071.60 |
※ETFにするとマーケットプライスになるので、指数で扱えるものは指数でメモしています。
項目 | ETF | 価格 (USD) | 52週範囲 (USD) |
---|---|---|---|
先進国株式 (除く米国) | Vanguard Developed Markets Index Fund ETF Ticker:VEA | 45.33 | 35.42 – 47.84 |
新興国株式 | Vanguard Emerging Markets Stock Index Fund ETF Ticker:VWO | 40.49 | 34.88 – 45.99 |
米国短期国債 | SPDR Portfolio Short Term Treasury ETF Ticker:SPTS | 29.27 | 28.63 – 29.72 |
米国中期国債 | SPDR Portfolio Intermediate Term Treasury ETF Ticker:SPTI | 29.21 | 27.55 – 30.10 |
米国長期国債 | SPDR Portfolio Long Term Treasury ETF Ticker:SPTL | 31.50 | 26.87 – 35.62 |
金 | SPDR Gold Shares Ticker:GLD | 186.49 | 150.57 – 188.86 |
コモディティ | iShares S&P GSCI Commodity-Indexed Trust ETF Ticker:GSG | 20.62 | 18.65 – 26.49 |
※こちらは情報の扱いが難しいため、数字の取り易いETFでメモしています。
Be careful
この記事で書かれている内容はトワナナさんの感想です。間違いがないよう注意を払っておりますが、それでも事実と異なる内容が含まれているかも知れません。また、特定の商品をお勧めする意図などはありません。(詳しくは、免責事項とPrivacyPolicyを参照下さい。)
「そうなんだー」くらいの肩の力を抜いた状態で、たのしんでいただければ幸いです。
What is Rakuten US Leveraged Balanced Fund?
楽天・米国レバレッジ・バランスファンドのことは、ハンドメイドな米国2.2倍バランスファンドに組み入れている関係でよく目論見書やマンスリーレポートには目を通している。のだけれど、もう一歩踏み込んで調べてみようかなって。
ハンドメイドな米国2.2倍バランスファンドってなあに?という方はこちらから。いい感じのファンドがないからポートフォリオを自作するよみたいなお話。
バランスファンドなので目論見書から始めるのがよいかな?
えーっと。楽天投信投資顧問さん公式から、目論見書を拾ってくると・・。
楽天・米国レバレッジバランス・ファンドとは
・マザーファンドを通じ、米国の株式と債券に投資を行うバランスファンド
・株式への投資は、株価指数に連動する上場投資信託(ETF)を使用
・債券への投資は、米国国債先物を使用
・資産の基本配分は、株式1に対して債券3の比率とする
・純資産総額の90%を株式、残り10%を証拠金として債券先物を270%、合計360%で運用
・追加型投信、投資対象地域:海外、投資対象資産:複合、投資形態:ファミリーファンド
・為替ヘッジなし、信託報酬は投資信託財産の純資産総額に0.4675%をかけた額
目論見書にはスリーシックスティ(360)運用とか、図付きで書いてあって。
株式と債券はリスクの大きさが1対3くらいなので、それなら債券を3倍持てば株式1とバランスがとれるかな?辺りの目論見。
ただ、資産の25%を株式、資産の75%を債券にしてバランスファンドで組むとリターンが低くなってしまうため、債券は先物を使い大量保有。資産効率を上げようというグローバル3倍3分法ファンド的考え。(あたまいいよね。)
設定は2019年11月5日。新型コロナのパンデミックが世界を襲う4ヵ月ほど前。
株式を買えば何でも値上がりして利益がでるバブル相場。債券は不要、債券を買うのは愚か者、そんな声が大きくもなっていた時期で(いまもそうかもだけれど。)楽天・米国レバレッジバランス・ファンドの純資産総額は伸び悩み。
信託報酬が高い。株式100%の方が儲かるからいらない。
ネットではそんな評価が多かった。
そして。
2020年2月、世界をパンデミックが襲った。
How was your performance?
当時のファンドの最高値は、2020年2月21日に付けた基準価格11,626円。
新型コロナのパンデミックの影響を受け、2022年3月19日に基準価格は8,695円まで下落。その後に米国政府によって行われた金融緩和政策の後押しを受け、2022年6月1日に基準価格11,627円を回復。同年2020年12月30日には基準価格を13,845円まで上げた。
下落から回復に必要とした期間は約3ヵ月。
その後も順調に純資産総額を積み上げながら基準価格を上げ、2021年12月30日には基準価格17,262円に。この辺りでは楽天・米国レバレッジバランス・ファンドへの評価も明るいものになってきていた。
しかし、上昇が続くと思われた相場は2021年で終わりを告げる。2022年には米国の金融緩和政策からの転換が始まり、政策金利の引き上げが開始される。
金利の影響を強く受ける国債を、資産の3倍相当保有する楽天・米国レバレッジバランス・ファンドは一転下落。2022年6月21日には基準価格12,021円まで下落。
今現在も高値を越えることなく、1万1千円付近をレンジしている。
・・・。
今どうなっているかなって、マンスリーレポートを漁りにいったら3周年のレポートが出ていた。
えーっと。
要点をまとめるとこんな感じ?
USA360設定3周年レポートまとめ
2022年11月7日現在、純資産総額は123憶を上回り、効率的な運用ができている。
(過去1年の市場環境)
・米国のインフレ率は40年ぶりの水準まで上昇
・FRBは2022年3月に利上げを開始、長期金利は1年前の1.5%から4%を上回る水準に急上昇
・急激な利上げによる景気後退懸念から株価は大きく下落
・一般的に株式が下落する局面ではリスク回避のため債券の価格が上昇する傾向がある
・今回はインフレが収まらず、FRBによる金融引き締め見通しが何度も引き上げられた
・結果、債券の下落が株式の下落を主導する形に
・米国の歴史の中でも1974年からのデータでは、株式と債券の同時安が1年続いたことはない
わかっていたつもりだったけれど、結構スゴイ事態になっている。
続いて、設定来のリスク・リターン(年率)は・・。
ちょっと見難いかもだけれど、表をまとめるとこんな感じ。1周年目というのは2019年11月5日から2020年11月5日まで、2周年目というのは2019年11月5日から2021年11月5日まで。設定来というのは2019年11月5日から2022年11月7日まで。
つまり、設定から累計1年分、累計2年分、累計3年分のデータということかな。
項目 | USA360 1周年目 (%) | 米国株式 1周年目 (%) | USA360 2周年目 (%) | 米国株式 2周年目 (%) | USA360 設定来 (%) | 米国株式 設定来 (%) |
---|---|---|---|---|---|---|
リターン(年率) | 28.1 | 9.8 | 31.0 | 29.1 | 5.2 | 19.4 |
リスク(年率) | 28.8 | 37.4 | 22.6 | 28.3 | 24.4 | 27.2 |
運用効率 | 1 | 0.3 | 1.4 | 1 | 0.2 | 0.7 |
並べてみるとなるほど、2周年目まではいい感じ。
でも設定来、つまり2022年を含むと一気に米国株式に負けてしまっている。2022年にFRBによる金融引き締めが始まるまでは、楽天・米国レバレッジバランス・ファンドがすべての数字で勝っていたのに。
レポートの最後に今後の見通しという解説があって。
「足元の株安は債券安が(金利上昇)の影響が大きいため、金融引き締めのペースが減速し、債券市場が落ち着きを取り戻せば、株式市場も底打ちに向かう展開になると考えている。」
ほいでもって。長期的に米国の株式と債券の分散投資効果でいい感じになるから!みんなの資産形成のためにガンバるよ!でレポートは締め括られてた。日興さんのレポートもこれくらい読みやすければいいのに。
What is VTI?
そいえば楽天・米国レバレッジバランス・ファンドの組み入れ資産の株式部分には、Vanguard Total Stock Market Index Fund ETF(ティッカーVTI)が使われている。
これは最新のマンスリーレポートを見ても変わっていなかったので、今もそうだと思う。
何となく。色々なところで見かける「全米株式」という言葉や、「米国全ての企業の株を含んでいる」という情報で知ったつもりになっているVTIのこと。
でも。
それ本当なの?って疑問は浮かぶ。
変じゃないかな。S&P500があれだけしっかりと基準を設けて企業を選んで(最後は裁量だけど。)インデックスを作っているのに。米国の全ての企業をまるっと買ったら同じようなパフォーマンスになりますって。
・・・。
・・・。
よし。調べないと。
んー。
まずはバンガードさんちからゴー。
Vanguard Total Stock Market Index Fund ETFとは
・CRSP US Total Market Indexのパフォーマンスを追従するように設計
・大型株・中型株・小型株はグローススタイルとバリュースタイルに分散
・ファンドはインデックスをサンプリングして投資
んんー。何かふわっとした資料だ・・。そして微妙に古い。
年間トータルリターンはこれ。
2012 | 2013 | 2014 | 2015 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 | |
リターン (%) | 16.41 | 33.51 | 12.56 | 0.40 | 12.68 | 21.16 | ▲5.13 | 30.80 | 20.95 | 25.72 |
直近10年なら米国株式のターンなので、金融引き締めの今はおいておいて、数字はよい。
次は平均年間トータルリターン。
項目 | 1年(%) | 3年(%) | 5年(%) |
---|---|---|---|
VTI基準価格 | 25.72 | 17.98 | 16.29 |
VTI市場価格 | 25.64 | 17.97 | 16.29 |
Spliced Total Stock Market Index | 25.72 | 18.00 | 16.31 |
CRSP US Total Market Index | 25.72 | 18.00 | 16.29 |
Dow Jones U.S. Total Stock Market Float Adjusted Index | 25.66 | 17.92 | 16.24 |
あ、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスにも類似する指数があるのか。確かに名前は見かけた気がする。バンガードさんちは、MSCIとか使わずにFTSEを使っているイメージがあって。実は英国の会社だったりするのだろうとかと調べてみるも、米国の会社さんだったりする。はて。
モルガン・スタンレーが気にいらないという理由なら、わからなくはない。
次は組み入れ上位10企業。
企業 | ティッカー | 業態 | 組み入れ比率 (%) |
---|---|---|---|
Apple Inc. | AAPL | デジタル家電化製品 | 5.60 |
Microsoft Corp. | MSFT | ソフトウェア開発・販売・クラウド・ゲーム | 4.67 |
Amazon.com Inc. | AMZN | インターネット通販、クラウド | 2.05 |
Tesla Inc. | TSLA | 電動輸送機器、クリーンエネルギー | 1.39 |
NVIDIA Corp. | NVDA | GPUを汎用計算用途に拡張した GPGPUの設計に特化、半導体の開発・販売 | 1.36 |
Alphabet Inc. Class A | GOOGL | ウェブサーチエンジン、広告・クラウド・携帯OS | 1.35 |
Berkshire Hathaway Inc. Class B | BRK.B | 持株会社、 保険事業を中心に鉄道会社や特殊化学品会社など | 1.29 |
Alphabet Inc. Class C | GOOG | 1.17 | |
Exxon Mobil Corp. | XOM | 総合エネルギー企業 | 1.14 |
UnitedHealth Group Inc. | UNH | 医療保険会社 | 1.12 |
ちょっと景色が違う気がする並び。
情報技術セクターと情報通信セクターが上位なのはS&P500指数と似ているけれど、Berkshire Hathaway Inc. Class Bが金融セクターで、Exxon Mobil Corp.がエネルギー・セクター。UnitedHealth Group Inc.はヘルスケア・セクター。
うーん。Amazon.com Inc.とTesla Inc.は一般消費財セクターだから、上位10企業のセクターが結構ばらけているような?これってもしかしてセクター毎に何かルールを設けているのかな。
次はセクターの組み入れ比率。
セクター | VTIの組み入れ比率 (%) | ベンチマーク (%) | 差分 (%) |
---|---|---|---|
情報技術 | 25.10 | 25.10 | 0.0 |
一般消費財 | 14.20 | 14.20 | 0.0 |
資本財 | 13.70 | 13.60 | 0.10 |
ヘルスケア | 13.60 | 13.60 | 0.0 |
金融 | 11.90 | 11.90 | 0.0 |
生活必需品 | 5.50 | 5.50 | 0.0 |
エネルギー | 4.90 | 4.90 | 0.0 |
不動産 | 3.30 | 3.40 | ▲0.10 |
公共 | 3.10 | 3.10 | 0.0 |
情報通信 | 2.40 | 2.40 | 0.0 |
素材 | 2.30 | 2.30 | 0.0 |
むー。肝心なところはインデックス・プロバイダーの方のインデックスのドキュメントを見ないとわからないか。
What is the CRSP US Total Market Index?
連動を目指す指数が、CRSP US Total Market Indexというお名前なので、CRSPという組織?なのかなって検索したら普通にサイトが出てきた。
あれ。もっと特殊な感じかと構えていたのだけれど・・。ええと。結構歴史が古いみたい。
原文が英語なので翻訳を間違えていたらごめんなさい。
CRSP(Center for Research in Security Prices)とは
・証券価格研究センター(CRSP)は、60年以上前に発足。研究品質のデータを提供する
・シカゴ大学が所有、ブース・スクール・オブ・ビジネスと提携している合同会社(LLC)
CRSP US Total Market Indexとは
・米国の投資可能な株式市場のほぼ100%を占め、大・中・小・マイクロキャップ株を含む
・NYSE、NYSE America、NYSE Arca、NASDAQ、BZX Exchangeに上場する証券が含まれる
・3月、6月、9月、12月の計4回リバランスを行う
・浮動株調整後時価総額ベースのインデックス
なるほろ。「投資可能な株式市場のほぼ100%を占め」の部分が界隈で言われる「米国の全ての企業」に誤解されているのかな。
それと、浮動株調整後時価総額ベース?これはええと・・。
浮動株調整後時価総額は、株を保有しているけれど(流動性の面で)停滞している株主が保有する分を除外した株数から計算し直した時価総額のこと。例えば役員が持つ株も停滞している分として扱われる。
言い方を替えると、マーケットで日常的に取引されている株数から計算し直した時価総額、かな。
CRSPは株の持ち主に関してもしっかり調べて計算しているみたい。
次は投資対象になり得る、または除外となる企業の条件。
項目 | 追加 | 除外 |
---|---|---|
時価総額 | 1,500万ドル以上 | 1,000万ドル以下 |
浮動株 | 発行済み株式の12.5%以上、 fast-track IPOの場合は10%以上 | 発行済株式数の10%未満 |
取引量 | 0.001以上のまばらな取引スコア | 2回連続のランキングで 0.0008未満のまばらな取引スコア |
トレードギャップ (10日以上の取引高0) | 前回のランキングからなし | 前回のランキングから少なくとも1つ |
停止証券 | 現在停止されていない | 少なくとも40日間の停止 |
新規証券の経過期間 | 20日以上の取引、または fast-track IPOルールを満たす場合5日以上 | なし |
1,500万ドルを円に直すとドル円132円として、約20憶円くらい?東証グロース市場の時価総額ランキング300位を見てきた感じでは53憶円位だったので、意外とウェルカム感な数字かな。
取引量のスコアが細かすぎてピンとこないけれど、トレードギャップも10日間ゼロとかだからそこまで厳しくも見えない。あと、ここには書いていないけれど、もちろん米国企業であることが条件には含まれる。
次はインデックスの組み立て。
ちょっと特徴があるようで、うーん、伝わるかな・・。
ウェイト制限
・単一発行体への比率は25%以下
・ファンドの総資産5%以上を占める発行体のウェイト合計は50を越えないこと
インデックス組み立て
・発行済み株式総数(TSO)を使用し計算した総時価総額を使い、サイズ固有の時価総額ベースの4つのインデックスへ振り分け
・インデックス内の構成銘柄数に制限はなし
・インデックス内のランキングは総時価総額に基づき、最大から最小へソートされる
・インデックス適格ユニバース(サイズ固有インデックス全てをつないだ全体)の累積時価総額の70%、80%、および98%にブレークポイント・ターゲットが設定される
・複合サイズのラージは、メガ・インデックスとミドル・インデックスを含み、ブレークポイントの0~85%をカバーする
・複合サイズのスモール+ミドルは、ミドル・インデックスとスモール・インデックスを含み、ブレークポイントの70%~98%をカバーする
んー。どうやったら伝わるかな。ええと。
Total Market Indexという全体の中に、大きさ順にメガ・ミドル・スモール・マイクロの4つの区分けがあって、全部繋げるとTotal Market Indexが完成する。
メガがいちばん大きくて、マイクロがいちばん小さい。メガ・ミドル・スモール・マイクロはそれぞれ個別のインデックスになっていて、同サイズのカテゴリに属する企業を格納しているイメージ。
言い方を替えると、メガ・インデックス、ミドル・インデックス、スモール・インデックス、マイクロ・インデックスの4つのインデックスがあり、全部くっつけるとToral Market Indexになり、それぞれがTotal Market Indexに占める比率が異なる。

Total Market Indexを図にするとこんな感じ。(雑でごめんなさい。)
Total Market Index内の各インデックス同士はバンドと呼ばれる境目を持っており、隣接するインデックスへ企業がいきなり移動しないよう補正される。(例えばメガの基準を満たさなくなった企業が、その瞬間ミドルへいきなり落ちないようにパケットという概念を使った仕組みがある。)
ブレークポイントというのは、バンドの中に設定された目印になり、それを使い複数のインデックスをまとめた複合の単位(ラージとスモール+ミドル)で表現できるようになっている。
ちなみにTotal Market Index内を100%で表した場合、0~64%がメガ、76~81%がミドル、89~96%がスモール、99.5%~100%がマイクロ。64%~76%、81%~89%、96~99.5%にバンドが設定される。
そいえば上ではFSOベースと書かれていたけれど、インデックスの選定はTSOベースなのか・・。
ううーん?えーっと、あー。
つまり皿の大きさは発行済株式総数で決めて、皿に盛るライスの量は浮動株式調整後の数字で決める、ということかな。で、同じ皿同士が同一インデックスとして扱われる。東証で言えばプライム皿、スタンダード皿、グロース皿。
もう少しサイズや比率的な補正はあるようなのだけれど、ちょっと説明が難しくなるので次回の課題に。
Did you hear about US stocks?
ふむーむむ。
まとめると。VTIとは、シカゴ大学の合同会社が計算した、米国の純資産総額が一定のそこそこ取引量のある上場企業をサイズ別にインデックス化し、逆ピラミッドを構築する指数を採用したETFである。
目に付いたのがインデックスをサイズごとに持っていて、その比率が決まっていること。インデックス間の移動にマージンを設けていること、インデックス内の銘柄数に上限を設けていないこと。
一見、時価総額加重平均に見えて、同サイズ間で食い合う仕組みになっていて。時価総額がデカければよい感じでもなく、全てのスケール感で企業を揃えることを意図しているようにも見え。割り当ても浮動株式数を基準にするので親子上場などに制限を設けているのかな。この辺りは勉強不足でまだわからないけれど。
S&P500指数に近い結果になるのは、うーん。多分だけれど全体の中で64%を純資産総額がメガに分類される企業が占めていること。純資産総額がミドルに分類の企業を含めるのと全体の81%までを占めることから、大型寄りのインデックスになっているせいもあるのかも。S&P500指数は大型の企業のみ集めた指数だから。
他に、S&P500指数と比べて同一セクターの組み入れ比率上限がないとか、インデックス間の移動がソフトなようなので、売却頻度観点で何かプラスに作用するのかも?ちょっと自信ない解釈。
So can USA360 be revived?
最後はお約束のチャートで締めよう。
えーっと、うん。例えばVTIと債券を組み合わせて短期債・20年国債・20年国債3倍ブルで比較してみれば、USA360の未来が見えてくるかも。
・Vanguard Total Stock Market Index Fund ETF(ティッカーVTI)
・JPMorgan Ultra-Short Income ETF(ティッカーJPST)
・iShares 20 Plus Year Treasury Bond ETF(ティッカーTLT)
・Direxion Daily 20+ Year Treasury Bull 3X Shares ETF(ティッカーTMF)
上から順に全米株式ETF、ウルトラショート・インカムETF、米国債20年超ETF、デイリー20年超米国債ブル3倍ETF。これを以下のように組み合わせる。
ファンド | VTIの比率 (%) | JPSTの比率 (%) | TLTの比率 (%) | TMFの比率 (%) |
---|---|---|---|---|
VTI+JPST (株式1相当) | 30 | 70 | ||
VTI+TLT (株式1+債券1相当) | 30 | 70 | ||
VTI+TMF (株式1+債券3相当) | 30 | 70 |
JPSTはスゴイ低ボラティリティ債券ETFなので、株式100に見立てて採用。TLTはレバレッジなしの債券として採用。TMFはレバレッジ3倍の債券としてUSA360に見立てるために採用。(USA360は資産が360%のため、普通には検証できない。そこそこの、なんとなくそれっぽい感じの検証。)
期待値としてはVTI+JPSTが株式100%相当になるので、VTI+TMFがよい感じのパフォーマンスになればUSA360に明日が来るはず。
未来を信じて、いってみヨーカドー。
※ここから下で掲載しているスクリーンショット画像はSilicon Cloud Technologies社Portfolio Visualizerの画面をキャプチャしたものです。

ぎゃー!!!!!
今が地獄だって忘れてたあああああ!!
・・・。
・・・。
検証的には的確に今を表しているわけだから成功・・涙。
おつかれさまでした。