ことの発端はレバレッジETFで有名なDirexion社を調べようと公式さんを調べていたら、ノン・レバレッジETFなるラインナップがあって。それはそれは魅力的なラインナップ。で、その中にNASDAQ100均等加重指数を採用したETFがあって。
均等加重?
NASDAQ100の?
ぎゃー!気になる、気になるー。
という訳で。今回はNASDAQ100均等加重指数のことを調べてみようかなって。そんなお話。
memo
グローバル5.5倍バランスファンド(1年決算型)20230205
基準価額:7,982円 / 前日比(円)+377円 / 前日比(%)+4.96% / 純資産総額93.08億円
日経平均:27,509.46円 / ドル円:131.20円
ダウ平均:33,926.01 / ナスダック総合指数:12,006.96 / S&P500指数:4,136.48
be careful
この記事で書かれている内容はトワナナさんの感想です。間違いがないよう注意を払っておりますが、それでも事実と異なる内容が含まれているかも知れません。また、特定の商品をお勧めする意図などはありません。(詳しくは、免責事項とPrivacyPolicyを参照下さい。)
「そうなんだー」くらいの肩の力を抜いた状態で、たのしんでいただければ幸いです。
diary
ことの発端の記事はこちら。例によって読まなくても何も問題がないです。お暇な時にでも。
ええと。まずはNASDAQ100指数って何だっけ?というところから。よく新興企業向けとか、ハイテク企業が集中したといった表現もされるけれど。
それらは運用を続けた結果、そういった傾向が出てきただけで。実のところ新興企業向けでもハイテク企業を集めた訳でもなく。
せっかくなので公式のドキュメントを読んでみる。(ドキュメントがアホほど見つかりにくい場所にある気がするのだけれど、魔除けか呪いでもかけてあるんですかね・・)
NASDAQ100指数とは。
Nasdaqに上場している金融企業を除く、最大100社のパフォーマンスを測定するように設計した指数。
このあたりは有名なお話。金融企業を抜いている理由はドキュメントになかったけれど、確かNASDAQ金融100指数といったものがあるので、その辺りに理由があるのかも。
次に指数に組み入れる企業の適格基準。
証券適格基準。
・米国預託証券 (ADR)、普通株、優先株以外の株式、事業専門株のいずれかであること
・不動産投資信託として組織された企業でないこと
・Nasdaq Global Select Market または the Nasdaq Global Marketにのみ上場していること
・証券の発行者が米国外の場合、米国のオプション市場に上場または取引資格を有すること
・FTSE業界分類ベンチマーク (ICB) に従って、非金融会社であること
・時価総額の適格性はなし(適格基準を持たない)
・1日の平均取引高が200,000株以上なこと
・証券の発行者が破産手続き申請中でないこと
・証券適格基準に不適格な契約や取り決めがないこと
目に付くところだと、不動産と金融NGと、NASDAQのみに上場、時価総額適格性なし、あたりかな?
ああそうか、時価総額の適格性が必要ないこととかが新興企業には都合がよいのかもだね。
ぬ。トワナナさん的にひっかかるのが、NASDAQのみに上場というルールかも。この指数自体がNASDAQが管理しているので、それ自体は違和感なくて。でも、これこそがNASDAQ100指数の最大の弱点に思えて。
NASDAQは証券取引所を指している。つまりは米国にいくつもある証券取引所の内の1つ。
将来を有望視される企業がNASDAQを選ばなかった場合、NASDAQ100指数には組み入れられないし、実際にNASDAQにライバル企業が上場しているから別の証券取引所に上場したお話も聞く。(ペプシコさんは逆だっけ。コカコーラさんを避けてNYSEからNASDAQに再上場したとかいうお話。)
他の証券取引所が有望企業を誘致することだってあると思う。最も最悪なケースとしてNASDAQ証券取引所が破綻する可能性もないとは断言できない。世の中何が起こるかわからないのだから。
それならばS&Pダウ・ジョーンズ・インデックスが管理するS&P500指数も同じでないの?と言えば、ちょっと事情が違う。S&P500指数は証券取引所の縛りが無く、米国に資産価値の大部分を持つ(だっけ?)上場企業であれば指数に組み入れられる。
また、名前にインデックスが付くのはS&Pダウ・ジョーンズ・インデックスがインデックス・プロバイダーだから。
NASDAQが公式でS&P500にやたら好戦的なのも、結局のところ「相手の方が世間の認識では上」とわかっているからわざわざ優劣を付けたがる訳で。
うーん。公式サイトの「わたしたち優れているんですアピール」も含めて何かひっかかるんだよ。
とと。今日の主役はNASDAQさんなので、脱線はここらへんでお話を戻す。
んー。
次は構成銘柄の選択に関して。
構成銘柄の選択。
(1)時価総額によってランク付けを行う
条件1:ランキングの上位75社に含まれる
条件2:既にインデックスに組み入れられていて、ランキング100位以内に含まれる
(2)上記(1)の条件にあった企業が100社未満だった場合の残り企業の選出
前回のランク付けで上位100位にランクされた企業と、現在のインデックスの上位101から125位の企業からランク順に埋める。
時価総額お金持ちランキングー!は冗談として。
これ、ちょっと頭に入ってこなくて数日寝かせてる。
んー。まず上のランキングというのは組み入れの時の企業の成績に基づいたランキングだから、今日ランキングした上位75位までは合格おめでとう!ということ。
で。残りの枠が25あるよってことから、どうやって25枠を埋めるかを残りの部分で補っている。
条件2の「既にインデックスに組み入れられていて、ランキング100位以内に含まれる」というのは、ええと、つまり?ランキングの上位75は合格済み。それなのにランキング100位以内の対象って、残り25枠固定を指しているでよいだよね?たぶん。
つまり、今日のランキング76位から100位の企業は、実績として既にインデックスに含まれていないと(前回の合格者でなければ)ダメですよってこと。ぬう。わかりにくい。
でもその場合、ランキング76位から100位の企業は合格しない場合がある。残りの25枠が埋まらない可能性があるよということ。そこの余りは前回のランキングの上位100位と、現在のインデックスの101位から125位(ここのプラス25というのが最大値としてわかっている数字なんだね。)を順に埋めると。
ううーん。
つまり表現をジャパネスクにするとこうだ。
構成銘柄の選択(ジャパネスク仕様)。
使用する情報:
・今日のランキングとは、今日の時点の企業の時価総額順の企業リスト
・前回のランキングとは、前回の組み入れ銘柄決定に使用した企業の時価総額順の企業リスト
・現在のインデックスとは、NASDAQ100指数に今日現在で採用されている企業リスト
・次回のインデックスとは、次回以降にNASDAQ100指数に採用される企業リスト
銘柄選択ステップ1:
今日のランキング上位75位までを次回のインデックスに採用決定。
銘柄選択ステップ2:
今日のランキング76位から100位内に含まれ、かつ、現在のインデックスの100位以内に含まれる企業を次回のインデックスに採用決定。
銘柄選択ステップ3:
次回のインデックスの枠が100埋まっていない場合は、前回のランキングの上位100位内の企業から選出。
銘柄選択ステップ4:
次回のインデックスの枠が100埋まっていない場合は、現在のインデックスの上位101から125位内の企業から選出。
ふむーう。
こうやってみると、今日のランキングの上位75位以外は、過去の実績での上位ランキングを持ってこようとしているようにも見えるね。
たぶんだけれど、これって。一時的な時価総額の下落に配慮していてるのかな。だからあくまでランキングにこだわっている。過去100位以内であると評価されていることを優先していて。今日のランキング76位から100位を優先していない。
なるほど、ちょっとこだわりを感じるかも。
次に、そこから各企業の重みを割り当てる。
構成要素の重み付け。
・修正時価総額加重インデックスによって決定する
・四半期毎と毎年のウェイト調整が行われる
※修正時価総額加重方式とは、全構成銘柄の時価総額合計に占める各構成銘柄の時価総額の比率(ウェイト)の修正を行う方式のこと。
これはリバランスのことでいいのかな。修正時価総額加重という単語はあまり目にしたことがなかったので調べた。
WikipediaなどではNASDAQ100は時価総額加重平均と書かれているけれど、別物?言葉としては別物っぽいのだけれど、対象として何を指しているのかの違いにも見えつつ、よくわからなかった。今度改めて調べることに。(基本的に公式のドキュメントの方がマスターだと思うので。)
具体的な四半期のウェイト調整はこう。
四半期毎のウェイト調整。
・2段階のウェイト調整スキームを採用
・初期ウェイトはTSO由来の時価総額とインデックスシェア由来の時価総額の2つの計算を使用
・TSOに基づく時価総額は、証券の最終販売価格に発行済株式総数を掛けたもの
・インデックスシェアに基づく時価総額は、証券の最終販売価格に、前月末時点で更新されたインデックスシェアを掛けたもの
・TSO由来およびインデックスシェア由来の時価総額の両方を使用し、各インデックス証券の時価総額を集計で割ることにより、TSO由来およびインデックスシェア由来の初期インデックスウェイトを計算する
・リバランスが再構成と同時の場合、TSOから導出された初期ウェイトを使用
・リバランスが再構成と同時でない場合、インデックスシェアに由来する初期ウェイトを使用
・それ以外の場合、ウェイト調整手順の両方の段階でTSOから導出されたウェイトを使用
・発行体のウェイトは、発行体のそれぞれのインデックス証券の合計ウェイトになる
ステージ1:
・初期の発行者のウェイトが24%を超えない場合、初期ウェイトはステージ 1の値を採用
・それ以外の場合、発行体のウェイトがインデックスの20%を超えないようウェイトを調整
ステージ2:
・ステージ 1 のウェイトが4.5%を超える発行体のサブセットの合計ウェイトが48%を超えない場合、ステージ 1 のウェイトが最終的なウェイトになる
・それ以外の場合、ステージ 1 のウェイトが4.5%を超える発行体のサブセットの合計ウェイトは40%に調整
うーん。これもややこしい表現だけれど。いっこずつ考えていく。
まずTSOってなんじゃらほいというと、Total Shares Outstanding(発行済株式総数)のことで。インデックスシェアの方はと言えば、シェア=占有率のことなので、インデックス上での占有比率のことだと思う。
その理解で改めて見てみると。
TSO(発行済株式総数)に基づく時価総額は、
・証券の最終販売価格(株価)に発行済株式総数を掛けたもの
インデックスシェア(インデックス上の占有比率)に基づく時価総額は、
・証券の最終販売価格(株価)に前月末時点で更新されたインデックス上の占有比率を掛けたもの
なるほろ。発行済株式総数から求めるか、インデックス上の占有比率から求めるかの違い。
つまり採用する時価総額をどのように決めるかは、こう見えるようになる。
・リバランスが再構成と同時の場合、発行済株式総数での時価総額を使用
・リバランスが再構成と同時でない場合、インデックス上の占有比率での時価総額を使用
・それ以外の場合、ウェイト調整手順の両方の段階で発行済株式総数での時価総額を使用
再構成=組み入れ企業の入れ替えのことだと思うから、発行済み株式総数を採用せざるを得ない。インデックス上の占有比率だけでは新しい企業の比率が決められないから。
対して組み入れ企業の入れ替えがないのであれば、インデックス上の占有比率で決めればいいよねということ。
それ以外の場合というのがピンとこないけれど、「それ以外」という概念に再構成に由来する何かが入ってくる(例えばリバランスする余裕がなく企業を除外する・追加するなど。)場合と考えれば、発行済み株式総数での時価総額の採用になるとは思う。
ここまでは何となくよし。
次にステージ1とステージ2の部分。
ステージ1の「初期の発行者のウェイトが24%を超えない場合、初期ウェイトはステージ 1の値を採用」の部分。これ、その後の「それ以外の場合、発行体のウェイトがインデックスの20%を超えないようウェイトを調整」との兼ね合いで4%ズレるのはなんで?とも思ったのだけれど。
ステージ2でも似たようなズレのある表現をしていることから想像して、恐らくリバランス上限によって一度比率を引き下げたら、ある程度上昇マージンを設けている?のかなって。
つまり24%以上になって24%に落とした場合、ちょっとの上昇でもルールに抵触するので頻繁にリバランスの必要が出てくる。それなら上限に引っ掛かった場合はドーンと落としておきましょう。基本はマイナス4の位置(20%のこと)ですとかの方がリバランスの頻度も減るのでよいのかも。
ステージ2はサブセットという表現がわかり難いのだけれど、恐らくは持ち株会社とか?かな。NASDAQでウェイトが大きいところだとAlphabetとかが同じような会社名で並んでいるので目に付くかも。
これも上限48%を超えたらいったん40%まで落とすよというルールに見える。でも持ち株会社で全体の48%とか、それはそれでスゴイ状況。意外とあったりするのかな。大手の企業はTOBとかバンバンするし。日本でも何たらグループとか、なんたらホールディングスとかあるし。ふむう。
あ、Meta PlatformsとInstagramの関係も、サブセットとして勘定されるであっているのかな。
次、実はウェイトの調整はもう1つ、毎年に行うものもあって。これ。
毎年のウェイト調整。
・2段階のウェイト調整スキームを採用
・インデックス証券の当初のウェイトは、四半期ごとのウェイト調整手順によって決定する
ステージ1:
・15%を超える初期証券ウェイトがない場合、初期ウェイトを使用
・それ以外の場合、指数の14%を超えないようウェイトが調整される
ステージ2:
・時価総額上位5位のインデックス証券のサブセットの合計ウェイトが40%未満の場合、ステージ 1 ウェイトが最終ウェイトになる
・それ以外の場合、以下の制限を満たすように調整。「時価総額上位5位のインデックス証券のサブセットの総ウェイトは38.5%に設定」「時価総額が上位5位以外の銘柄は、最終インデックスウェイトが4.4%または時価総額で5位にランクされたインデックス証券の最終インデックスウェイトのいずれか小さい方を超えないように調整」
これって・・。
いや、上から順に整理していくと。まず「インデックス証券の当初のウェイトは、四半期ごとのウェイト調整手順によって決定」の部分。これは同じルールで計算始めるよということだと思う。
次にステージ1。四半期毎の調整が上限24%だったのに対して、上限15%で調整は14%にだから、大分縮めてくる形。なんでだろ。
ステージ2。ここで気になる「時価総額上位5位のインデックス」というワードが出てくる。
発行者関係なくサブセット上限が40%に引き落とされていて、上限にかかると38.5%に調整される。ステージ1と同じく上限と調整幅が四半期毎の調整より幅が狭い。
そして「時価総額が上位5位以外の銘柄は、最終インデックスウェイトが4.4%または時価総額で5位にランクされたインデックス証券の最終インデックスウェイトのいずれか小さい方を超えないように調整」の部分。
ちょっと待って。
これってつまり、時価総額5位より下の企業はウェイト4.4%以下に調整されますよと言ってる?!
インチキじゃないの?これ。ちっとも時価総額加重・・、あ、平均じゃないのか?!
むむー。ここにきて答え合わせか。Wikipediaが間違っている。公式のドキュメントはそれがわかっているからああいった表現をしていたのか。
それにしたって、こんなことしていたらETFを売れば売る程、上位5位の企業の時価総額が優先的に上がっていく仕組みになっちゃうんじゃないのかな・・。
株式は基本、発行した時のみ企業にお金が入る。でもインデックスを採用したETFが売れる場合、それに合わせて運用会社は株式を購入する必要がある。株式が買われれば株価が上がる。イコール時価総額が上がる。
んんー。
ううーん。
あー、ありなのか。
NYSE FANG+指数のように特定の企業のみを扱う指数とかある訳で。指数が「平等」である必要はなくて。セクターETFだって、特定の業種しか扱っていないのだから、特定の業種の企業のみの株式が売れる仕組みになっている。
インデックスが特定の意図を持って一部の企業を優先することは、別段特殊なことではない。それこそ、一般に受け入れられないようなルールであればインデックスを採用したETFが売れず、インデックスそのものが運用を続けられない。
ETFを購入しているひとが、その意図を理解しているかは別として。
ということだね。たぶん。
・・・。
・・・。
はー。
ちかりた。知恵熱でそう。
何かNASDAQ100指数のことを調べるだけで力尽きてしまったので、NASDAQ100均等加重指数の方は次回に続くよ。
おつかれさまでした。