債券いらない、株式だけで充分と言われるけれど本当のところはどうなのかな。

きになる・しらべる

債券不要論争は色々なところであって。バブル期に成功された方はよく、株式のみでよいよといったお話をされる。対して金融にかかわる方からは、債券を一定量ポートフォリオに含むとパフォーマンスがよくなるよといったお話をされる。

んー。どっちだろ?こういう不安定な時期だと、ついついボラティリティが低いという理由で債券をポートフォリオに組み入れることを検討してしまうけれど。それってパフォーマンスをあきらめるという考えのような気もして。何かひっかかる。

目をつぶって株式一本か、債券を信じてポートフォリオに組み込むか。

今回は、債券を含めないポートフォリオの方がパフォーマンスがよくなるって本当?を調べるお話。

memo

グローバル5.5倍バランスファンド(1年決算型)20221229
基準価額:6,390円 / 前日比(円)-138円 / 前日比(%)-2.11% / 純資産総額70.67億円

日経平均:26,340.50円 / ドル円:134.17円

ダウ平均:32,934.34 / ナスダック総合指数:10,229.90 / S&P500指数:3,790.61

be careful

この記事で書かれている内容はトワナナさんの感想です。間違いがないよう注意を払っておりますが、それでも事実と異なる内容が含まれているかも知れません。また、特定の商品をお勧めする意図などはありません。(詳しくは、免責事項とPrivacyPolicyを参照下さい。)

「そうなんだー」くらいの肩の力を抜いた状態で、たのしんでいただければ幸いです。

diary

まず債券に何を使うかを考える。

庶民的にはバンガードの債券、Vanguard Total Bond Market Index Fund ETF(ティッカーBND)が最初に思いついて。BND買っとけば債券ポジ安心じゃないって思ってしまう。

ちなみにBNDは米国債券なので、世界の債券をまるっとホシイ場合はVanguard Total International Bond Index Fund ETF(BNDX)で米国以外の債券をカバーするか、Vanguard Total World Bond ETF(BNDW)で全部おまかせする。

ただ、BNDWは運用開始から日が浅くて比較に向かない。BNDXを入れると調整が難しい(かつおらんくてもパフォーマンスが落ちることもない)ので、今回は米国債券のみで債券部分は考える。

で。そもそもBNDってどういったETFなの?と、公式で調べるとこういった回答。

バンガード・トータル・ボンド・マーケットETFとは。

・Bloomberg米国総浮動株調整指数の投資パフォーマンスを目指す
・Bloomberg米国総浮動株調整指数は幅広い投資適格の米国債券市場のベンチマーク
・課税対象の投資適格企業、米国財務省、住宅ローン担保、および資産担保証券に投資
・満期が1年を超える短期、中期、および長期のポートフォリオ

んー。債券のエキスパートではないので感想だけれど、これってつまり短期・中期・長期のブレンドですよといっている?のかな。

公式には以下のようなコメントも書かれている。

保守的から中程度に分類されるバンガードのファンドは、株価の中から中程度の変動の影響を受けます。一般に、このようなファンドは次のような投資家に適しています。

・中期的な投資期間(4年~10年)
・成長よりも収入を重視したい投資をしたい方
・短期的な価格変動のリスク許容度が低い方

つまり中期向けのローリスクな組成のファンドですよ、安心だね!買ってね!ということなのかも。はて。

BNDに組み入れられている債券の期日別の比率をみるとこんな感じ。

期間比率(%)
Under 1 Year0.40
1-5 Year40.10
5-10 Year30.60
10-15 Year11.50
15-20 Year5.00
20-25 Year4.70
Over 25 Years7.70
BNDに組み入れられている債券の期日別の比率一覧

5年未満が4割で、10年未満にすると7割が該当する。はえー。ほとんどが短期から中期で埋められているんだね。

債券は期間が長くなるほど不確定要素のリスクをはらむため価格が上昇する。反対に言えば、期間が短い債券は利回りが低い。ふむむ。

んー。

それなら中期債券と長期債券の組み合わせと、BNDを比較したらどうなるかな?という実験。枠が1つ余るからブラックロックさん家の子も入れて。確かブラックロックさん家の子は配当が高いから人気あるんだよね。

米国債券単体
・Vanguard Total Bond Market Index Fund ETF(ティッカーBND)
・iShares Core US Aggregate Bond ETF(ティッカーAGG)

米国長期債券+米国中期債券
・Vanguard Long-Term Bond Index Fund ETF(BLV)
・Vanguard Intermediate-Term Bond Index Fund ETF(BIV)

このラインナップで比較いってみヨーカドー。

この記事で掲載しているスクリーンショット画像はSilicon Cloud Technologies社Portfolio Visualizerの画面をキャプチャしたものです。

でん。

BNDとAGGとBLV+BIVの比較

はえー。ま、まぁ、大方の想像通りではある。(コロナ直撃でびくともしてない・・汗。)

BNDとAGGの差は誤差範囲。BLVとBIV、つまり期日が長い債券の方が値動きが荒くパフォーマンスはよいんだね。これはどっちをとるか難しい感じにも。

債券に求めるものがバンガード公式さんの言うように低リスクで安定収入であれば、BNDやAGGでよいだろうし。株式との相反関係を期待して債券をポートフォリオに組み入れるのであれば、期日の長い債券を選択する余地が出てくる。のかな。

ううーん。

この流れなら中期債券と長期債券のコンビで挑むのがよいのかなぁ・・。

よし。株式部分も比率を固定して、以下の5つのETFを使う。

・Vanguard Total Stock Market Index Fund ETF(ティッカーVTI)
・Vanguard Developed Markets Index Fund ETF(ティッカーVEA)
・Vanguard Emerging Markets Stock Index Fund ETF(ティッカーVWO)
・Vanguard Long-Term Bond Index Fund ETF(BLV)
・Vanguard Intermediate-Term Bond Index Fund ETF(BIV)

VTIが米国株式ETF、VEAが先進国株式(除く米国)ETF、VWOが新興国株式ETF、BLVが米国長期債券ETF、BIVが米国中期債券ETF。この5つをそれぞれ以下の比率で3つのポートフォリオを組んだ。

株式100のポートフォリオ

これが株式100%のポートフォリオ。米国株式50%、米国以外の先進国株式30%、新興国株式20%。

株式70債券30のポートフォリオ

これは株式70%債券30%のポートフォリオ。米国株式40%、米国以外の先進国株式20%、新興国株式10%、米国長期債券20%、米国中期債券10%で構成。

株式55債券45のポートフォリオ

これは株式55%債券45%のポートフォリオ。米国株式35%、米国以外の先進国株式15%、新興国株式5%、米国長期債券30%、米国中期債券15%で構成。

で。結果はこちらだー。

株式と債券の比率を変えた比較チャート

うおおおー。債券をポートフォリオに組み入れた方がパフォーマンスが高い!

これね。BND+VTとかでよくチャート眺めることが多くて。BNDさん〇ンコですやん・・って、いっつも思ってて。でもバンガードのえらいひととか債券入れろー債券いれろー言うし。どないせーちゅうねんって思ってて。

そいえば長期債券とか利回りいいとか聞くし、いつか試してみよーって。今回の実験の運びなんだよ。意外と長期債券と中期債券のパフォーマンスがよくてびっくり。

債券でもリスクがとれるならという前提になりそうだけれど、リスク面でも数字はよさそう?ちょっと数字を表にしてみると。

ポートフォリオFinal
Balance
Best
Year(%)
Worst
Year(%)
Max
Drowdown(%)
Stock10022,85637.95▲41.18▲51.70
Stock70+Bonds3024,31725.08▲25.34▲36.48
Stock55+Bonds4524,35022.41▲17.41▲28.52
世界株式と債券の比率を変えたチャート比較一覧

BestYearだけ負けて、最終的なリターンは債券の比率を上げると上がる。下落率は債券の比率を上げると下がる傾向があるのかな。リスクが減ってリターンが伸びるとか詐欺みたいな話。

ふむり。

でも1つ気になることがあって。これって、株式部分が米国オンリーだったらまた結果が変ってきたりしない?

株式部分をVTIオンリーで比較してみた結果がこちら。

米国のみで株式と債券の比率を変えた比較チャート

あー。やっぱりそうなるんだね。

株式を米国に限定するのであれば、債券を含めない方がパフォーマンスがよくなる。ただ、チャートに開きが出るのがコロナ後というのが気がかり。意外とこの先で収束するのかな?というよりも、2020年まで僅差で来てる時点で株式オンリーの危うさを感じ取るべきなのかも。

同じように数字を抜き出して表にしてみるとこんな感じ。

ポートフォリオFinal
Balance
Best
Year(%)
Worst
Year(%)
Max
Drowdown(%)
[USA]Stock10037,23233.45▲36.98▲48.15
[USA]Stock70+Bonds3032,28026.30▲23.05▲34.29
[USA]Stock55+Bonds4529,36524.12▲17.42▲27.03
USA株式と債券の比率を変えたチャート比較一覧

USA!USA!USA!

今回分かったことをまとめると。

・債券は中期債券、長期債券を厚めにすればパフォーマンスが出るみたい
・世界株式で分散をするのであれば債券をポートフォリオに含むほうがよさそう
・株式のみの場合は米国限定であれば直近2年はパフォーマンスがよいみたい

ということかな?

で、締めてしまってもよいのだけれど。

今回の比較期間は2008年から2022年の間。つまり、リーマン・ブラザーズ・サブプライム・ローン危機。通称リーマンショックと呼ばれる世界金融危機が起きた年を含んでいる。実は2008年を含むか含まないかでパフォーマンスは大きく変わるため、比較期間を2009年からに置き換えると、株式100%がほぼすべての比較で高パフォーマンスをたたき出す。

えー、じゃあなんで2009年からの比較は出さないのさーといえば。その1年がなければ大きく利益を出せたは「たられば」かなって。

(2009年の件は、たまたま後でVTを入れてみて気づいただけで。VTは2008年6月の運用開始なので比較は2009年からしかできない。そのためVTを比較に入れるとリーマンショックをサラっと回避して株式有利な比較ができるマジック。ここ、テストに出ますよー。)

いつか、コロナ危機を含まなければって語られる日がくるのかも。その時にトワナナさんたちは土になっていると思うけれど、地球のよき肥料になってたらいいね。

おつかれさまでした。

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