姉の名はグローバル3倍3分法ファンド。

きになる・しらべる

グローバル3倍3分法ファンドは当時、画期的なファンドだった。いや、いまでも画期的だと思う。

国内以外の株式とリートを現物で持ち、先物を使うことで債券を厚めに持つ。資産比率は株式60%・リート40%・債券200%の合計300%で運用(だから3倍)。国別の配分を先進国・新興国・国内で3等分に持つ(だから3分法)。ひっくるめてグローバル3倍3分法ファンド。

コロナのパンデミックが来るまでファンドには大量の資金流入が続き、破竹の勢いだった。

memo

グローバル5.5倍バランスファンド(1年決算型)20221112
基準価額:7,195円 / 前日比(円)+693円 / 前日比(%)+10.66% / 純資産総額71.6億円

日経平均:28,263.57円 / ドル円:139.51円

ダウ平均:33,663.18 / ナスダック総合指数:11,254.98 / S&P500指数:3,979.65

be careful

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「そうなんだー」くらいの肩の力を抜いた状態で、たのしんでいただければ幸いです。

diary

パンデミックはグローバル3倍3分法ファンドの天敵だった。

当時、グローバル3倍3分法ファンドの基準価格は下落も3倍速。それまでの人気が逆転するかのような売りが続いた。コロナ前に4,400憶あった純資産は今、1,400憶に。(資産も3分法。)

この記事で掲載しているスクリーンショット画像は、松井証券ホームページの画面をキャプチャしたものです。

基本情報

基本情報

設定来安値はコロナのパンデミック直撃時の2020年3月、最高値は金融緩和でバブル相場だった2021年9月。値動きは想像し易い気も。

基準価格情報

基準価格情報

チャートを見ると、コロナでの下落から大体1年で値を戻している。そして全世界的な金利上昇の現在は大きく下落し上値を抑えられている状態。上昇率と下落率をみると、ボラティリティはあるもののバランスが取れている。少し上昇に強いかな?

基本リスク指標

基本リスク指標

トータルリターンは3年でやっと0.1%。数字で見るときびしい。最新のレポートによれば、全ての資産がマイナス圏。下落に寄与している順にイギリス国債先物、ドイツ国債先物、海外先進国リート、米国国債先物。最もマイナスが少ないのが日本国債先物。むー、欧州圏が死んでるからもしかして・・、ロシアの影響?

このファンド、国の比率をみると目に付く点がある。株式資産の割合が先進国が3分の1、新興国が3分の1と、先進国と新興国の比率が同じ。さらに国内が3分の1、つまり1つの国が先進国全体と新興国全体と同じ比率になっている。

MSCIワールド・インデックスなどに照らし合わせると、直近では先進国83%、新興国が11%、日本が5%くらいになっているので、対比でグローバル3倍3分法ファンドは新興国が3倍、日本が6倍以上の比率を占める。時価総額加重平均(金持ち優遇)が昨今のトレンドの中、中々に攻めた構成。

個人的にはMSCIワールド・インデックスとか言いながら9割が先進国になっているのだから、それ実質は先進国株式じゃないさってツマラナイ難癖付けたい気持ちが別の話題としてあるのだけれど、大人なので心のブログに書くに留めておく。

きー。(←こども

パンデミック時に起きたことを少し整理。

起きたこと原因
大きく基準価格が下落レバレッジをかけた状態で全資産売りされたため
他のファンドに比べ基準価格の戻りが遅かったファンドの資産比率が体力のない地域への資産配分が多く、危機に弱かった
今でも資金流出が続くファンドを購入した投資家の多くがファンドの特性を理解していなかった
グローバル3倍3分法ファンドにコロナのパンデミック時に起きたこと一覧

グローバル3倍3分法ファンドは、その仕組みによってリスクを分散し、リターンを得るよう設計されている。金融危機が起きると一時的に全ての資産が下落することはよくあることで防ぎようがない。問題はその後に資金が「より安全なところへ」移る際に、その移動先の資産を持っているかという点。

その点においてグローバル3倍3分法ファンドは条件を満たしている。懸念はこのファンドが逆張り寄りのファンドだということ。新興国や日本が大きく値を上げることでバランスをとれる機会があると期待し設計されているため、それがそのまま弱点になり、危機の時に価格の戻りが遅くなる。(そして失望売りにつながる)

ただ逆に。

MSCIワールド・インデックスのように「あー、お金ない国に用ないんです、さようなら」みたいな地域分散をおざなりにした指数にリスク分散を期待していると、何かの危機で主要国が死んだ時に目も当てられない事態になることは予想できる。

国際分散という点に関してMSCIワールド・インデックスは満たしているのかも知れないけれど、リスク分散という観点では金持ちの企業が多い国に集中投資をする方式なので不十分だと思う。

その問題への回答が逆張りかと言われると、いやそれもちょっと・・。辛い。グローバル3倍3分法ファンドの明日はどっちだろう。

んー。

あまり知られていないお話で。実はiDeCoに採用されている銘柄だったりする。

「えー、レバレッジかけているファンドなのに?うそだー」という声が聞こえそう。でも本当。岡三証券と、中国銀行で契約が可能。

ああ・・。今日のステマはこっちが本命だった模様。驚きだよ母さん。

もう少し他の証券会社や銀行とiDeCoの契約ができるようになれば、定期的な資金流入が保証されファンドの安定感がもう一段階上がるのに。うーん。やっぱりコロナ時の強い売りイメージが響いているのかな。取り扱い金融機関ならトップクラスに多いのに。

でも。減ったとはいえ純資産4桁億円。iDeCoに採用されている。そこまで未来は悲観しなくてもよいのかなって。

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