おねがいSPYD!落ちるなら地の底まで、メンヘラと願う好景気。

おねがい!配当ETF

コロナのパンデミックで暴落に見舞われ「ほら、やっぱりダメじゃん、わたし言いましたよね?」と、手首モーターがねじ切れる勢いで多くの投資家から手のひら返しされた悲劇の高配当ETF。

株には良い時もあって、悪い時もあって。それでも結果は運用手順に沿ったもの。金融危機が起きても、パンデミックが起きても、トーストがバターを塗った面を下にして床に落ちても、戦争が起きても変わったりはしない。変わるのは投資家の思い込みだけ。

あ、トーストは落ちてから3秒以内ならセーフだから急いで拾えば大丈夫。

よかったー。

今回は、あれだけ大騒ぎしたのにもう新しい犠牲者を確保済みの魔性の高配当ETF、SPDR Portfolio S&P 500 High Dividend ETFのことを調べる。そんなお話。

memo

グローバル5.5倍バランスファンド(1年決算型)20230306
基準価額:6,465円 / 前日比(円)-4円 / 前日比(%)-0.06% / 純資産総額80.7億円

日経平均:27,927.47円 / ドル円:135.84円

ダウ平均:33,390.97 / ナスダック総合指数:11,689.01 / S&P500指数:4,045.64

be careful

この記事で書かれている内容はトワナナさんの感想です。間違いがないよう注意を払っておりますが、それでも事実と異なる内容が含まれているかも知れません。また、特定の商品をお勧めする意図などはありません。(詳しくは、免責事項とPrivacyPolicyを参照下さい。)

「そうなんだー」くらいの肩の力を抜いた状態で、たのしんでいただければ幸いです。

What is SPYD?

SPDR Portfolio S&P 500 High Dividend ETF(ティッカーSPYD)って、どんなETFだっけ。ということでステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズさんの公式でドキュメントを探してみる。

SPYDはこんなETF。

SPDR Portfolio S&P 500 High Dividend ETFとは。

・S&P500高配当指数に連動を目指す
・高配当と元本成長を追求する低コストETF
・指数はS&P500から選ばれ、配当利回り上位80銘柄を均等加重で持つ

む。これ、あれと似てる?S&P500配当貴族指数とかあのへん。何か足りない気もするけど、何が足りないのかな。

S&Pダウジョーンズ・インデックス公式さんでドキュメント探してこよう。

・・・。

たぶん、これかな。英文のしかないので翻訳ミスしていたらごめんなさい。

S&P500高配当指数とは

・S&P500の中から年間配当額がゼロではないものを12ヵ月ごとに降順でランク付け
・銘柄選定は20%のバッファーを持たせる(80銘柄の+20%は96銘柄)
・目標銘柄1~64件までは年間配当額ランキング上位から割り当てる
・目標銘柄65~96件までは現在のインデックスのランキング順で割り当てる
・目標銘柄96件まで埋まっていなければ年間配当額ランキングから上位から割り当てる
・リバランスは年2回、1月と7月
・リバランス時に構成銘柄のウェイトを均等に調整する
・S&P500から除外された銘柄は、指数からも除外される
・インデックスの構成銘柄は毎月適格性を見直される

むう。ちょっと銘柄選定がピンとこないぞ。

ただ、特徴はわかった。年間配当額が高い奴がチャンプだ。

項目1ヵ月
(%)
当四半期來
(%)
年初来
(%)
1年間
(%)
3年間
(%)
5年間
(%)
設定来
(%)
基準価格6.406.406.403.268.536.999.78
市場価格6.446.446.443.328.546.999.78
指数6.416.416.413.338.567.039.87
SPYDのファンド・パフォーマンス(税引き前)2023年1月31日

ファンドのパフォーマンスを見ると、ええ?!と驚くくらい数字がよかったりする。

あれでも、コロナの時に半値近くまで落ちてたよね?!ってチャートを調べてみると。大体1年くらいで値を戻していたみたい。直近3年のパフォーマンスがよいのはリカバリー期間を含むからか。

なんか想像と違ってたかも。

ネット界隈ではSPYDはダメ、下落耐性無さすぎって煽られまくっていたのに。いや、そもそもトワナナさん少量のSPYD保有しているけれど。あ、あれー?

次に組み入れ銘柄上位10企業はこんな感じ。

名称ティッカー業態比率
(%)
Extra Space Storage Inc.EXRセルフ・ストレージ施設への投資
不動産投資信託
1.41
Packaging Corporation of AmericaPKGダンボール原紙製品、
非塗装エフリーシート紙の製造
1.39
Paramount Global Class BPARATV・映画・ストリーミングを扱う
エンターテイメント事業
1.38
Omnicom Group IncOMC広告・マーケティング事業1.37
LyondellBasell Industries NVLYBプラスチック・化学薬品を扱う
精製会社
1.35
AbbVie Inc.ABBV新薬の研究・開発・販売
バイオ医薬品企業
1.35
Seagate Technology Holdings PLCSTXクラウドストレージサービス
HDD、SDDなど記録ドライブを扱う
製造メーカー
1.34
Altria Group Inc.MOたばこ・ワイン製造の持株会社1.34
Essex Property Trust Inc.ESS主に米国西海岸のアパートに投資
不動産投資信託
1.34
UDR Inc.UDRマンションのコミュニティを保有し
運営・開発を行う
1.34
SPYDの組み入れ上位10企業(2023年3月2日調べ)

均等加重なので、組み入れ上位10企業の意味は時価総額加重平均とは異なるのだけれど、えーっと。今比率が上がっているということは「企業の価値が上がっている」ということなので、今評価されている企業ランキングという意味に解釈すればいいのかな?

インデックスに組み入れられている80社の中での年間配当が最も高かったとか「ではない」ことだけ注意。

とこれでダンボールの需要が上がっているみたいに見えるけれど、これって引っ越しとか転職とか、そういった事情が影響していたりするの?そ、そんなにバーンってくるものなのかな。はてな。

Let’s compare with the similarity index

気になったので、S&P500の高配当系な指数を簡単にまとめてみると・・こうかな?

指数運用開始概要
S&P500高配当2015
9/21
年間配当額がゼロでないもの。
リバランスは年2回。80銘柄で構成。
代表的なETFはSPYD。
S&P500配当貴族2005
5/2
25年以上連続増配。
構成銘柄は最低浮動株調整後時価総額30憶以上。
3ヶ月間の1日当たり平均売買代金が5百万ドル以上。
リバランスは年4回。最低40銘柄で構成。
セクター上限はインデックスの30%。
代表的なETFはNOBL。
S&P500クオリティ高配当2018
4/23
品質スコアで上位200位以内。
年間配当利回りで上位200位以内。
品質と配当利回りの両方の条件を満たす企業。
リバランスは年2回。最低50銘柄で構成。
セクター上限はインデックスの25%。
代表的なETFはQDIV。
S&P500配当系指数の概要一覧

面白いのは全て均等加重の点。

理由はわからないのだけれど、配当が条件に含まれているため、もしかしたらインデックスから銘柄が抜けやすいのかな。配当利回りは業績で変わり易いので、時価総額よりも変動しそうなイメージがあるかも。そのため、インデックス全体への影響に配慮して均等加重を選んでいる・・、とか?

このあたりはもうちょっと調べてみないとわからないので今後の課題。

こうやって並べてみると、S&P500高配当指数が雑なつくりにも見えるけれど、実は一番分散しようとしているようにも見える。あと、セクター上限がない為、ある意味本当の高配当になっているのかな。その時期に配当が多くなるセクターを中心にインデックスが変化するわけだし。

むー。

ついでに直近のセクター比率も比較してみよう。

セクターS&P500
高配当
(%)
S&P500
配当貴族
(%)
S&P500
クオリティ
高配当
(%)
不動産21.44.52.6
金融20.610.47.9
公共12.44.22.4
一般消費財9.67.46.9
生活必需品7.622.417.2
素材7.5128
情報通信6.404.5
エネルギー4.92.812.1
ヘルスケア3.610.79.6
情報技術3.64.212.9
資本財2.521.315.7
S&P500配当系指数のセクター比率一覧(2023年2月28日調べ)

赤いマーカーが上位3セクターで、青いマーカーが下位3セクター。

これを各指数の基準と照らし合わせると、不動産と金融と公共は配当が高い企業が多い。生活必需品と資本財とヘルスケアは連続増配当が多い企業が多い。生活必需品と資本財と情報技術は品質スコアと配当の両方がよい企業が多い。今の時期は。

何となく表にしてみるとこう。

セクター配当が高い気がする連続増配でうれしい品質と配当が良好
不動産
金融
公共
生活必需品
資本財
ヘルスケア
情報技術
高配当と連続増配と品質&配当の条件を持つセクター一覧

あれ?

S&P500クオリティ高配当指数の金融セクターの比率が、劇落ちしてない?以前eMaxisさんの記事を書いた時は25%越えてなかったっけ。

S&P500高配当指数の上位に金融が残っているということは、配当が出なくなったわけではないということだから。んー。それってつまり、品質スコアが落ちてインデックスから除外されてしまったといこと?

米国の銀行さん経営がよくないのかな。

・・・。

・・・。

検索で見つかった情報では貸倒引当金の額が高くなっているという話題があった。景気が悪くなるから債権の回収ができなくなる危惧を銀行が持っているということだから・・。

うーん。いやな雲行き。

気持ちを入れ替えて、3つの指数を見比べてみると。

(インカム・リターン)
S&P500高配当 > S&P500配当貴族 > S&P500クオリティ高配当

(キャピタル・リターン)
S&P500クオリティ高配当 > S&P500配当貴族 > S&P500高配当

(リスク)
S&P500高配当 > S&P500クオリティ高配当 > S&P500配当貴族

こんな風味見えるかも。

意外とS&P500クオリティ高配当指数が情報技術や情報通信セクターを盛っているから、インフレが落ち着いたら基準価格を押し上げる要因になるのではないかなって。(その前に比率落としてしまう可能性もあるけれど。)

S&P500配当貴族指数は3つの中ではバランスがとれているようにも見えて。それは今の基準価格にも表れているのかも。不動産・エネルギー・情報技術をばっさり落としているから、不意打ちは食らわないように見える。情報通信がゼロなのはたぶん、そもそも連続増配をする企業がいない?のかな。

対してS&P500高配当指数はもうわかり易いくらいてっぺんを狙っていて清々しい。これ、間違いなく次のショック食らってすっ飛ぶよね・・汗。全弾被弾上等みたいな前のめり姿勢。キライじゃないけれど、ううーん。これどうなのだろう。

あ、あとあとS&P500高配当指数がセクター上限設けていないのに何でそれなりのバランスの取れた比率なの?という疑問も浮かぶのだけれど、ベースにS&P500指数を使っているのでそこでセクター間のバランスがとられてよい感じになるのだと思う。たぶん。

3つの指数は全て、S&P500指数で選ばれた企業からインデックスの対象を選んでいて。S&Pはスタンダード&プアーズというブランド名的なものだけれど、S&P500指数はS&Pが選んだ「設定された基準を満たす」500社のことを指している。

その意味ではどれを選んでも特徴のあるポートフォリオになるだけで、そんなに変なことにはならないはずなんだよね。

How are ETFs performing?

ぷしー。

SPYDの位置づけが何となくわかったところで、最後はたのしいチャート比較でおしまいに。

比較は上での話題に挙げていたS&P500指数をベースとする3つのETFでいいかな。

・SPDR Portfolio S&P 500 High Dividend ETF(ティッカーSPYD)
・ProShares S&P 500 Dividend Aristocrats ETF(ティッカーNOBL)
・Global X S&P 500 Quality Dividend ETF(ティッカーQDIV)

上からS&P500高配当指数連動、S&P500配当貴族指数連動、S&P500クオリティ高配当指数連動のETF。NOBLだけ国内の証券会社で取り扱いがまだない。(リクエストは隙あれば送ってる!)

比較期間は2019年から2023年の間。これはQDIVの運用期間がまだ短いのでその影響。4年ちょっとの期間は、あ―こんな感じだったんだーの参考程度に見て下さいな。

この記事で掲載しているスクリーンショット画像はSilicon Cloud Technologies社Portfolio Visualizerの画面をキャプチャしたものです。

ででん。

SPYDとNOBLとQDIVのチャート比較

あー、うん。やっぱりSPYDは辛そう。BestYearは一番なのだけれど、WorstYearも一番という暴走っぷり。それとこの時期のチャート、何度見てもQDIVがミラクルな成績。

何でMaxDrawdownが▲31.10%たたき出しているのに、WorstYearが▲0.74%やねん!!みたいな。

QDIVはこれで出来高さえ伴えばなぁ・・。日の歩み値3件とか心臓が凍り付くレベルだし。うへー。

で。

ちょっと締めには弱い気もするので、もういっこポートフォリオ組むならこんな銘柄、で比較してみる。

・SPDR Portfolio S&P 500 High Dividend ETF(ティッカーSPYD)
・Vanguard High Dividend Yield ETF(ティッカーVYM)
・JPMorgan Equity Premium Income ETF(ティッカーJEPI)

上からS&P500高配当指数連動、FTSEハイディビデンド・イールド・インデックス連動、米国の大型株とオプション売却を組み合わせたETF。

比較期間は2021年から2023年の間。これはJEPIの運用期間がまだ短いのでその影響。直近はこんなな感じなんだねーみたいな感じに見て下さいな。

SPYDとVYMとJEPIのチャート比較

どでしょ。

SPYDもガンバってるよね。

おつかれさまでした。

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