スリーセクターポートフォリオと鈍行の旅。(3駅目)

FIVE SECTOR PORTFOLIO

先日、米シリコンバレー銀行がチャプター11の申請をしたとニュースになっていて。少し前から銀行の連鎖倒産の話題も多くの場所で語られている。

シリコンバレー銀行で起きたことは。政策金利の上昇に伴い大量に保有していた長期国債の価格が下落。資金調達をしようとした矢先にSNSで経営が危ない旨の情報が拡散、預金引き出しが殺到。取り付け騒ぎに発展した。

資金調達の発表から2日で経営破綻に追い込まれるというのは異例のことらしく、影響は金融セクター全体に。その他の健全な財務の銀行へも不安が広がった。(JPモルガン・チェースは大丈夫みたい。)

その他に目に付いた情報だと、銀行の健全性を検知する仕組みである財務健全性審査(ストレステスト)で検査対象とならないように努めていたという話題もあり、悪いことを目論んでいたわけではないにせよ邪な部分は無いとは言え無さそうにも。

うーん。

金融危機というのは「不安」が連鎖していった結果、企業や社会に大きなマイナスの影響を波及させていってしまう現象なのかなって、トワナナさんは思っていて。仕組み上や法律上で「問題がない」かどうかは関係なくて、ひとびとが「不安」に思うかどうかが危機の要因になるのではないかなって。

こわい、こわい。

今回は、金融セクターはアレ過ぎて組み入れ対象から除外していた、スリーセクターポートフォリオの観察日記。みたいなお話。

memo

グローバル5.5倍バランスファンド(1年決算型)20230322
基準価額:7,351円 / 前日比(円)+192円 / 前日比(%)+2.68% / 純資産総額94.39億円

日経平均:26,945.67円 / ドル円:132.48円

ダウ平均:32,560.60 / ナスダック総合指数:11,860.11 / S&P500指数:4,002.87

be careful

この記事で書かれている内容はトワナナさんの感想です。間違いがないよう注意を払っておりますが、それでも事実と異なる内容が含まれているかも知れません。また、特定の商品をお勧めする意図などはありません。(詳しくは、免責事項とPrivacyPolicyを参照下さい。)

「そうなんだー」くらいの肩の力を抜いた状態で、たのしんでいただければ幸いです。

Let’s start a strategy meeting

前回は記事はこちら。数字的なものが気になったら覗いてみて下さいな。(別段見なくても平気。)

スリーセクターポートフォリオってどんな経緯だっけ?という説明から。

スリーセクターポートフォリオとは

【経緯】
(1) アセットを分散するとディフェンシブだけれどリターンは振るわない
(2) S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスにセクター(産業)ごとの指数が存在する
(3) 次に主流になるセクターを予想し、保有するセクターETFを切り替えてはどうか?
(4) 歴史から紐解くに、金融危機を引き起こす突発性要因の予測は困難
(5) 固定で成績がよいセクターをバランスよく持てばどうか?
(6) バックテストの結果、ヘルスケア・一般消費財・エネルギーの3つの組み合わせが好成績

【行動】
S&P500セレクト・セクターETFを用いたポートフォリオでの検証をはじめることに。

気持ち的には毎月積み立てたいけれど、お金ないから予算も潤沢ではないので購入予算を積み立てながら、のんびり続けていければいいなって。

ポートフォリオはこの3つのETFの均等持ち。

・Consumer Discretionary Select Sector SPDR Fund(ティッカーXLY)
・Health Care Select Sector SPDR Fund(ティッカーXLV)
・Energy Select Sector SPDR Fund(ティッカーXLE)

上から一般消費財セクター、ヘルスケア・セクター、エネルギー・セクター。

この記事で掲載しているスクリーンショット画像は、松井証券ホームページの画面をキャプチャしたものです。

株式評価損益合計

これは評価損益の合計。

わーん。エネルギー・セクターが下げることは予想出来ていたのだけれど、ヘルスケア・セクターの下げも止まらずにマイナス2桁台に突入。

どこかのグローバル5.5倍バランスファンド(仮名)じゃないんだからー涙。

What about the Consumer Discretionary Sector?

一般消費財セレクト・セクターETFのチャート

Consumer Discretionary Select Sector SPDR Fund(ティッカーXLY)のチャート。日本語なら一般消費財セクターETF。小売(インターネット販売も含む)、ホテル・レストラン・レジャー、アパレル・贅沢品、家庭用耐久財、自動車、自動車部品、各種消費者サービスの業種に属する企業から構成される感じ。

実はスリーセクターポートフォリオでは、唯一ビックテックを1社含むETF。組み入れ銘柄上位はこんな感じ。

順位銘柄名ティッカー業態前回順位と
比率(%)
順位の差異
今回の比率
(%)
1Amazon.com Inc.AMZNインターネット通販
クラウドコンピューティング
(Rank.1)
23.46

24.11
2Tesla IncTSLA電動輸送機器
クリーンエネルギー関連
(Rank.2)
15.30

15.45
3Home Depot Inc.HD住宅リフォーム・建設素材
サービスの小売りチェーン
(Rank.3)
8.88

9.24
4NIKE Inc. Class BNIKEスポーツ関連の靴、アパレル
機器、サービスの設計販売
(Rank.4)
4.36

4.73
5McDonald’s CorporationMCDファーストフードチェーン(Rank.5)
3.99

4.53
6Lowe’s Companies Inc.LOW住宅リフォーム
生活家電チェーン
(Rank.6)
3.67

3.88
7Starbucks CorporationSBUXコーヒーチェーン店(Rank.7)
3.45

3.74
8Booking Holdings Inc.BKNG旅行代理店・宿泊施設の
オンライン予約などを扱う
(Rank.8)
2.68

3.15
9TJX Companies IncTJX多国籍ディスカウント
デパート企業
(Rank.9)
2.66

2.84
10O’Reilly Automotive Inc.ORLY自動車アフターマーケット部品、
工具、消耗品等の専門小売
(Rank.–)

1.66
XLYの組み入れ銘柄一覧2023年3月20日現在

前回10位のTarget Corporationがランク外に沈んだ以外、1位から9位は全てランクを維持しながら組み入れ比率を上げている。これはセクター的には堅調と見ればよいのかな?それとも上位の企業に資金が集中していると捉えるべきなのか。はて。

組み入れ比率の変動率で見てみると、Amazon.com Inc.の0.65%の上昇がトップ。続いてMcDonald’s Corporationの0.54%上昇、Booking Holdings Inc.が0.47%上昇。

通販、飲食、旅行が上げてる感じ?いや、Amazon.com Inc.分はクラウドかな。このあたり多角事業を営む企業の今をちゃんと読めるようになりたい。(軽めに検索してみた範囲ではクラウドや広告の減収が大きくて、2014年度以来の赤字って書いてあった。)

ランク外に落ちたTarget Corporationのことを調べてみた感じでは、インフレの影響を受け、集客のためにホリデーシーズンに大幅値下げを行った結果、粗利益が落ちてしまったみたい。ディスカウント百貨店チェーンだから、インフレ時は難しそうかも。

項目1か月
(%)
当四半期來
(%)
年初来
(%)
1年間
(%)
3年間
(%)
5年間
(%)
10年間
(%)
設定来
1998/12/16
(%)
基準価格▲2.0912.6912.69▲17.218.848.0412.508.88
市場価格▲2.1512.6312.63▲17.248.788.0312.498.88
指数▲2.0912.7112.71▲17.198.968.1712.669.09
前回の
基準価格
15.0915.1015.09▲18.966.747.7412.869.00
前回の
市場価格
15.1015.1015.10▲18.906.757.7312.869.00
前回の
指数
15.1115.1115.11▲18.936.847.8613.039.22
XLYのファンド・パフォーマンス一覧(税引き前)2023年2月28日現在

んー。数字的に大きく動くのは直近1ヵ月だと思うのだけれど、それに影響を受けて当四半期も変動するから・・。いちおう前回の数字も並べておいた方が見やすいかな?見やすいというよりは、数字として見たい気がする。(2記事並べてみるのも面倒だし。)

数字的に見ればダイナミック下落。3・5・10年と影響の幅を見ると、やっぱり期間が長いものに影響が少ない数字になってる。ここあたりは想像できるような動き。

What about the Energy Sector?

エネルギーセレクト・セクターETFのチャート

Energy Select Sector SPDR Fund(ティッカーXLE)のチャート。日本語ではエネルギー・セクターETF。その名から想像される通り、石油、ガス、消耗燃料およびエネルギー設備・サービスなどの業種に属する企業から構成されている感じ。

組み入れ銘柄上位はえーっと。

順位銘柄名ティッカー業態前回順位と
比率(%)
順位の差異
今回の比率
(%)
1Exxon Mobil
Corporation
XOM総合エネルギー企業(Rank.1)
23.92

22.96
2Chevron CorporationCVX石油関連企業(Rank.2)
18.95

19.80
3Marathon Petroleum
Corporation
MPC石油精製会社(Rank.6)
4.04

4.62
4EOG Resources Inc.EOG炭化水素探査に従事する
エネルギー企業
(Rank.4)
4.43

4.46
5ConocoPhillipsCOP総合石油エネルギー企業(Rank.5)
4.23

4.36
6Schlumberger NVSLB各種油田探査用計測機器の
開発・製造をコアとする
(Rank.3)
4.86

4.28
7Valero Energy
Corporation
VLO化学燃料・化学製品の
製造販売業者
(Rank.8)
3.65

4.01
8Phillips 66PSX石油精製・石油製品の
販売会社
(Rank.9)
3.45

3.59
9Pioneer Natural Resources
Company
PXD炭化水素探査に従事する
エネルギー企業
(Rank.7)
3.76

3.58
10Occidental Petroleum
Corporation
OXY石油、ガス、科学関係企業(Rank.10)
3.28

3.46
XLEの組み入れ銘柄一覧2023年3月20日現在

一般消費財セクターとは異なって変動が激しい?かも。と言っても銘柄入れ替えは無かったようなので、10位以下とはまだ組み入れ比率の差が大きいのかな。はてな。

組み入れ比率の変動率で見てみると、Exxon Mobil Corporationの0.96%下落がトップ。続いてChevron Corporationの0.85%上昇、Marathon Petroleum Corporationの0.58%上昇。

組み入れ比率を落としたのは3企業で、総合エネルギー企業と各種油田探査用計測機器の開発・製造と、炭化水素探査に従事するエネルギー企業。んー。石油関係は堅調?ちょっと勉強不足で違いが読み取れない。

うーん、ちょっとわからないのがExxon Mobil Corporationの組み入れ比率の低下の部分。ニュース関係を調べてみると、決算では過去最高利益である560憶ドルを稼いでいるそうで。ただ、欧州連合の超過利課税(企業の利益が適正利潤を越えた際に課される課税。なんか原油生産者は過去の石油危機でバーン儲かってしまったこともあって睨まれてるみたい。)が大きいから提訴したそうな。

あと、ホワイトハウスから「みんなガソリン高騰で苦しんでるのに腹立つわー」って名指しされたとかも書いてあった。最近は聞かれなくなってきたけれど、少し前はガソリン代と家賃の高騰が連日話題に上っていたから、心象はよくはなさそう。

調べている時に目に入ったネタとして、米国の石油大手はみんなキャッシュが潤沢なので欧州の同業種の企業買収するかも知れない。そうすると業界の再編ですかねぇ・・みたいな。Chevron CorporationのCEOインタビュー。

項目1か月
(%)
当四半期來
(%)
年初来
(%)
1年間
(%)
3年間
(%)
5年間
(%)
10年間
(%)
設定来
1998/12/16
(%)
基準価格▲6.86▲4.36▲4.3623.5428.469.844.518.00
市場価格▲6.98▲4.46▲4.4623.4528.419.834.517.99
指数▲6.85▲4.34▲4.3423.6228.679.984.648.22
前回の
基準価格
2.692.692.6942.1224.968.905.358.34
前回の
市場価格
2.702.702.7042.2025.008.905.348.34
前回の
指数
2.692.692.6942.2325.109.035.478.56
XLEのファンド・パフォーマンス一覧(税引き前)2023年2月28日現在

XLEのファンド・パフォーマンス一覧。前回プラスで今回マイナスなのは一般消費財セクターと同じ。とはいっても一般消費財セクターの半分くらいの下げ。(あっちは例の問題児のせいかな。)

テクニカルを見る限り売りサインが多いようなので、ちょっと心配。

What about the Healthcare Sector?

ヘルスケアセレクト・セクターETFのチャート

Health Care Select Sector SPDR Fund(ティッカーXLV)のチャート。日本語ではヘルスケア・セクターETF。ヘルスケア向け機器・用品・サービス・テクノロジー、バイオテクノロジー、医薬品、ライフサイエンスの業種に属する企業から構成される感じ。

組み入れ比率上位はどうなったかな?

順位銘柄名ティッカー業態前回順位と
比率(%)
順位の差異
今回の比率
(%)
1UnitedHealth Group
Incorporated
UNH医療保険会社(Rank.1)
9.21

9.32
2Johnson & JohnsonJNJ製薬・医療機器・ヘルスケア関連製品
等を扱う多国籍企業
(Rank.2)
8.56

8.41
3AbbVie Inc.ABBV新薬の研究・開発・販売
バイオ医薬品企業
(Rank.5)
5.34

5.77
4Merck & Co. Inc.MRK製薬会社(Rank.3)
5.49

5.61
5Eli Lilly and CompanyLLY研究開発型製薬会社(Rank.4)
5.47

5.50
6Pfizer Inc.PFE製薬会社(Rank.6)
4.94

4.79
7Thermo Fisher
Scientific Inc.
TMO化学機器・試薬・化学サービス企業(Rank.7)
4.53

4.52
8Abbott LaboratoriesABT製薬会社(Rank.8)
3.82

3.57
9Danaher CorporationDHRライフサイエンス・医療機器等を扱う
工業製品メーカーを保有する企業
(Rank.9)
3.39

3.36
10Bristol-Myers Squibb
Company
BMY医薬品企業(Rank.10)
3.08

2.99
XLVの組み入れ銘柄一覧2023年3月20日現在

むーう。全体的に組み入れ比率のマイナスが多い。順位の入れ替えは3位のAbbVie Inc.が前回から2つランクをあげた。軽めに調べた範囲では主力の特許切れの影響が懸念されつつも好決算だったとか。

組み入れ比率の変動率で見てみると、AbbVie Inc.の0.43%上昇がトップ。続いてAbbott Laboratoriesの0.25%下落、Johnson & Johnsonの0.15%下落。

ヘルスケア・セクターって、よくディフェンシブと言われる。でもディフェンシブなヘルスケアが何故下落を続けているのかがわからなくて、理由っぽいものを考えた。

これはトワナナさんの想像で。ヘルスケア・セクターは製薬会社が上位を占めるためグロース寄りで金利上昇に弱い?のかなって。(UnitedHealth Group Incorporatedは金融に属しそうに思うけど。)

つまり、製薬会社は新薬の研究・開発にお金がかかって資金調達で金利上昇の影響を受ける。そう考えると、ヘルスケア・セクターのディフェンシブは医療に関係する点で景気の影響を受けにくいが、金利上昇には弱いと考えるのがよいのかなって。

繋がりがあるかは検証不足だけれど、エネルギー・セクターを混ぜるとパフォーマンスがよくなったのも、実は金利上昇時にエネルギー・セクターが強いからなのかも。

項目1か月
(%)
当四半期來
(%)
年初来
(%)
1年間
(%)
3年間
(%)
5年間
(%)
10年間
(%)
設定来
1998/12/16
(%)
基準価格▲4.60▲6.39▲6.39▲0.6512.9210.4913.178.68
市場価格▲4.65▲6.44▲6.44▲0.7112.8810.4813.168.68
指数▲4.61▲6.39▲6.39▲0.5513.0910.6313.338.90
前回の
基準価格
▲1.87▲1.87▲1.873.0812.1110.5213.848.92
前回の
市場価格
▲1.87▲1.87▲1.873.1612.1210.5113.848.92
前回の
指数
▲1.87▲1.87▲1.873.1912.2710.6714.019.15
XLVのファンド・パフォーマンス一覧(税引き前)2023年2月28日現在

ヘルスケア・セクターが金利の影響を受けているとしたら、読み取れる範囲では1年前くらいから上値が重い感じで説明はできるのかな。(週足のチャートを見ると、レンジしているだけにも見えるけれど。むー。)

このあたりもう少し勉強しないとだ。

おつかれさまでした。

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