目論見書なんかに「レバレッジかけてるからねー、こんな感じに戻らないよー、びっくりだねー」って説明書きが書いてある。うん。わかる。理屈はわかるのだけれど、えーとほら。じゃあ、そうならないような商品作ってよ!って思うわけで。
戻れないとか、戻らないとか、どこの不倫カップルの話なのさ!(←寝てないから言動がへん。
いや、数字に弱いトワナナさんにだってわかるよ。つまり「値動きを比率で扱う」から「指数とファンドの比率」が乖離するんだよね?そんなの計算式の段階でわかるよ。じゃあ、「指数とファンドの比率」を維持すればよいのではないの?
今回は、レバレッジ型のファンドの値動きとか、何となく考えてみようというお話。
memo
グローバル5.5倍バランスファンド(1年決算型)20230123
基準価額:7,431円 / 前日比(円)-87円 / 前日比(%)-1.16% / 純資産総額84.46億円
日経平均:26,553.53円 / ドル円:129.50円
ダウ平均:33,375.49 / ナスダック総合指数:11,140.44 / S&P500指数:3,972.61
be careful
この記事で書かれている内容はトワナナさんの感想です。間違いがないよう注意を払っておりますが、それでも事実と異なる内容が含まれているかも知れません。また、特定の商品をお勧めする意図などはありません。(詳しくは、免責事項とPrivacyPolicyを参照下さい。)
「そうなんだー」くらいの肩の力を抜いた状態で、たのしんでいただければ幸いです。
diary
何となくわかっていたのだけれど、前回の記事を書いていてあまりに乖離が大きかったので。ちょっと頭の中を整理しようかなって思ったんだよ。(例によって読まなくても大丈夫だよ。)
そだな。まずよく話題に出る、「日々の値動きに倍率をかけて運用する」から考える。
たぶん、こんな感じの計算式かな?
日々の値動きに倍率をかけて運用する計算式。
値動きが上昇した場合の基準価格の求め方
基準価格 ÷ 株価指数 × 100 = 【指数対比率】
値動き × 【指数対比率】= ファンドへの値動き
基準価格 + ファンドへの値動き = 当日の基準価格
値動きが下落した場合の基準価格の求め方
基準価格 ÷ 株価指数 × 100 = 【指数対比率】
値動き × 【指数対比率】= ファンドへの値動き
基準価格 - ファンドへの値動き = 当日の基準価格
具体的な数字を入れてみるとこんな感じかも。
日々の値動きに倍率をかけて運用するレバレッジ型ファンドの値動き。
(前提条件)
スタート時点で参照する株価指数が32,000円。レバレッジなしのファンドの価格が10,000円。レバレッジ2倍のファンドの価格が10,000円。どちらも同じ指数への連動を目指すファンド。
(次の日、指数が1,000円下落)
・株価指数:
32,000円 - 1,000 = 31,000円
・レバレッジなしのファンド:
10,000 ÷ 32,000 × 100 = 31.25 ★指数に対する基準価格の比率を求め
1,000 × 0.3125 = 312.5 ★比率を元に値動きを調整
10,000円 - 312.5 = 9,687.5円
・レバレッジ2倍のファンド:
1,0000 ÷ 32,000 × 100 = 31.25
1,000 × 0.3125 × 2 = 625
10,000円 - 625 = 9,375円。
(その次の日、指数が1,000円下落)
・株価指数:
31,000円 - 1,000 = 30,000円
・レバレッジなしのファンド:
9,687.5 ÷ 31,000 × 100 = 31.25
1,000 × 0.3125 = 312.5
9,687.5円 - 312.5 = 9,375円
・レバレッジ2倍のファンド:
9,375 ÷ 31,000 × 100 = 30.241
1,000 × 0.3024 × 2 =604.8
9,375円 - 604.8 = 8,770.2円
(更に次の日、指数が2,000円上昇)
・株価指数:
30,000円 + 2,000 = 32,000円
・レバレッジなしのファンド:
9,375 ÷ 30,000 × 100 = 31.25
2,000 × 0.3125 = 625
9,375円 + 312.5 = 10,000円
・レバレッジ2倍のファンド:
8,770.2 ÷ 30,000 × 100 = 29.234
2,000 × 0.29234 × 2 =1,169.36
8,770.2円 + 1,169.36 = 9,939.56円 ★元に戻らない!
だいたいこんなイメージ?値動きに対して倍率計算をするので、元となる数字からは乖離していく。
これは別に「計算方法にウソがある」わけでも、「壊れている」わけでもない。ただ、値動きに倍率をかけると「〇〇倍」という表記に期待する数値と結果に差が出るということだと思う。
ものすごく簡単な、値動きに対して倍率計算をする方式のファンドの中身を考えてみる。
値動きに対して倍率計算をするレバレッジ型ファンドの中身考察。
(前提条件)
・ファンドは株価指数の日々の値動きの2倍の値で連動することを目指す
・運用開始時には資産の2倍の株価指数の先物を購入する(資産1憶なら2憶円分の先物を購入)
(参考にする株価、あるいは指数が下落した場合)
・株価指数に対して値動きの値の比率を割り出す
・保有する先物を算出した比率を2倍した額を売却(反対売買)する
(参考にする株価、あるいは指数が上昇した場合)
・株価指数に対して値動きの値の比率を割り出す
・保有する先物を算出した比率を2倍した額を追加購入する
んー。何か足りない気がする。
たぶんファンド購入者の売買が入る点と、SQへの資金管理?価格形成に金利と配当が影響しているとかはややこしくなるので置いておいて。
素朴な疑問としては、実際に倍率分の先物を保有しているのなら、比率を維持するために先物の売買をすればよさそうに思えるのだけれど、取引は何がネックになるのだろう。
例えばええと、こういうのはダメ?
比率を維持する計算式。
運用開始時に1度だけ値を求めるもの:
基準価格 ÷ 株価指数 × 100 =【指数対比率】
値動きが上昇した場合の基準価格の求め方:
株価指数 +(値動き × 倍率)=【計算用基準値】
【計算用基準値】×【計算用基準値】= 計算後の基準価格
値動きが下落した場合の基準価格の求め方:
株価指数 -(値動き × 倍率)=【計算用基準値】
【計算用基準値】×【計算用基準値】= 計算後の基準価格
この計算式を先ほどの例に当てはめるとこう。
比率を維持する計算式でレバレッジ型ファンドの値動き
(前提条件)
スタート時点で参照する株価指数が32,000円。レバレッジなしのファンドの価格が10,000円。レバレッジ2倍のファンドの価格が10,000円。どちらも同じ指数への連動を目指すファンド。
(次の日、指数が1,000円下落)
・株価指数:
損益計算:32,000円 - 1,000 = 31,000円
・レバレッジなしのファンド:
10,000 ÷ 32,000 × 100 = 31.25 ★指数に対する比率を求める(この値は固定値になる)
3,2000 -(1,000 × 1)= 31,000 ★計算用基準値を1倍の損益で算出(値は次回に引き継ぐ)
31,000 × 0.3125 = 9,687.5円 ★計算用基準値から比率分の値を算出
・レバレッジ2倍のファンド:
1,0000 ÷ 32,000 × 100 = 31.25 ★指数に対する比率を求め(この値は固定値になる)
3,2000 -(1,000 × 2)= 30,000 ★計算用基準値を2倍の損益で算出(値は次回に引き継ぐ)
30,000 × 0.3125 = 9,375 ★計算用基準値から比率分の値を算出
(その次の日、指数が1,000円下落)
・株価指数:
損益計算:31,000円 - 1,000 = 30,000円
・レバレッジなしのファンド:【指数対比率=31.25%】【計算用基準値=31,000】
3,1000 -(1,000 × 1)= 30,000
30,000 × 0.3125 = 9,375円
・レバレッジ2倍のファンド:【指数対比率=31.25%】【計算用基準値=30,000】
3,0000 -(1,000 × 2)= 28,000
28,000 × 0.3125 = 9,062.5円
(更に次の日、指数が2,000円上昇)
・株価指数:
損益計算:30,000円 + 2,000 = 32,000円
・レバレッジなしのファンド:【指数対比率=31.25%】【計算用基準値=30,000】
3,0000 +(2,000 × 1)= 32,000
32,000 × 0.3125 = 10,000円
・レバレッジ2倍のファンド:【指数対比率=31.25%】【計算用基準値=28,000】
2,8000 +(2,000 × 2)= 32,000
32,000 × 0.3125 = 10,000円 ★元に戻る
とか。だめかなぁ・・。
きっと現場でやろうとしても難しいんだよね。はふん。徹夜して何してるんだろ・・汗。
うーん。
そいえば、昔から疑問があって。
株価指数に連動を目指すというレバレッジ型のファンドが、株価指数に合わせてばいんばいん値を動かす。それによって逓減や減価が発生するとして。
株価指数に連動を目指さないとどうなるの?
例えば先物で固めたバランスファンドとか。リバランスはアセットの比率が一定量ズレた時に比率が多いアセットを売却して、普段はノーセル・リバランス。資金流入分で不足しているアセットを追加購入するだけ。(はて、どこかで聞いたような・・。)
それなら元となる商品に対しての市場価格が動くだけで、株価指数連動型のような指数への追従の必要がなく、逓減や減価が起きないのではないかなって。
んー。
そもそも論として、先物自体にはレバレッジの効果は無くて。
先物は保証金が現物の購入価格に比べて安価なので、現物に対して多く購入ができる。結果、レバレッジをかけたような量の取引ができる。
期日までの決済などの仕組みの違いこそあれ。先物だから逓減や減価といったことが起きるという理屈では無いと思うのだけれど、違うのかな。
もしもその考えがあっていたら、運用の違いによってまったくの別物になるよねって。
ネー。
おつかれさまでした。