LEVERISE(ればらいず)とか、アメリカ最終決戦みたいな絵面のカッコいいファンドが登場してて。S&P500を投資対象とする戦略ファンドらしい。うおー、何か凄そう!
そろそろSBI証券さんのVシリーズの新ファンドくるかなーって。新規取り扱いファンドのページを眺めていたら、見慣れないニューカマーが1月17日かな?登場していた。
タイトルで盛大にネタバレしてる気もする今回は、SMTAM S&P500戦略ファンド(株価水準レバレッジ比率調整型)のことを調べてみようかなってお話。
memo
グローバル5.5倍バランスファンド(1年決算型)20230129
基準価額:7,539円 / 前日比(円)-12円 / 前日比(%)-0.16% / 純資産総額86.66億円
日経平均:27,382.56円 / ドル円:129.88円
ダウ平均:33,978.08 / ナスダック総合指数:11,621.71 / S&P500指数:4,070.56
be careful
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「そうなんだー」くらいの肩の力を抜いた状態で、たのしんでいただければ幸いです。
diary
そいえば聞き慣れないワード、SMTAMってなんじゃらほい?って調べてみると、どうも三井住友トラスト・アセットマネジメントの略称?みたい。
三菱、とは違うのか・・。
三井住友トラスト・アセットマネジメントとは。
・三井住友ホールディングス傘下の投資顧問・資産運用会社
・2018年に三井住友信託銀行の運用機能を統合し、アジアで最大級の運用会社とななる
・運用資産残高87兆円
・「未来の可能性を拓き、真に豊かな社会を育む」を目指す
兆円まで来ると大きいのか小さいのかよくわからないので、銀行のグループ会社くらいの感じで記憶にとどめておこう。
ちなみに、SMTAMで有名どころなファンドはというと、世界経済インデックスファンドと、次世代通信関連 世界株式戦略ファンド、あたりかな?
次世代通信関連 世界株式戦略ファンドは、SMTAM内の純資産総額ランキングで2位(3,808.21億円)のファンド。愛称がTHE 5Gの名の通り、次世代通信規格などを扱う。パンデミックだー、戦争だー、で鳴りを潜めるものの、これから発展が見込めるテーマの1つで、資金が大量に流れ込んでいる。
(たまに語られる携帯電話事業に5Gは必要以上のスペックという話題。そもそも5Gは一般消費者向けというよりは、企業向けがメインストリームだと思う。たぶん。)
世界経済インデックスファンドは株式と債券を半分ずつ均等に保有するファンドで、SMTAM内の純資産総額ランキングで4位(1,696.78億円)のファンド。よくセゾン投信さんのセゾン・グローバルバランスファンドと比較されているような気がする。なんやかんやでどんな局面でもそれなりにパフォーマンスを出すしっかり者のイメージ。
どちらも安いファンドではないため、インフルエンサー等に褒められることはない存在。でも、一定の層の支持はしっかり集めることに成功し、今日も運用を続けている。
さて。SMTAMのことはこのくらいにして。
SMTAM S&P500戦略ファンド(株価水準レバレッジ比率調整型)の目論見書を読んでみる。
・・・。
んー。ポイントはこう?
SMTAM S&P500戦略ファンド(株価水準レバレッジ比率調整型)とは。
・S&P500の中長期的な上昇を期待するひとに向けたファンド
・S&P500の先物取引を投資先の主とする
・S&P500の過去最高値から下落した際に、下落率等に応じてレバレッジを用いる
・S&P500の反転上昇による高いリターンの獲得を目指す仕組みを有するファンド
このファンドが面白いのは、〇〇倍レバレッジというブル型のファンドとは異なり、「指数が最高値から下落している時」のみレバレッジをかけていくファンドだというところ。
その点を「S&P500の反転上昇による高いリターンの獲得を目指す」と表現しており、最終的に利益をプラスにするためにはS&P500の株価が上昇する必要があるため、「S&P500の中長期的な上昇を期待するひとに向けた」と表現している。
結果が出なかったら信じたひとが悪いのか、S&P500指数が悪いのか。ファンドはわるくないよ!的な言い訳にも聞こえたり、聞こえなかったり。うまい表現だね。
仕組みに関してもう少し書いてある。
ファンドの特色のこと。
・主にS&P500先物取引の買建てを行う。また、日本の公社債等にも投資する
・S&P500が過去最高値以上の場合は、目標レバレッジ比率は1倍になる
・S&P500が過去最高値未満の場合は、下落率・景気動向に応じ目標レバレッジ比率を決定
・一度高めた目標レバレッジ比率は下落率・景気動向が変化しても縮小しない
・一度高めた目標レバレッジ比率はS&P500の値が過去最高値以上となった場合1倍に戻す
目標レバレッジ比率は以下のようになる。
下落率 | 景気動向(好景気) | 景気動向(不景気) |
---|---|---|
5%未満 | 1倍 | 1倍 |
5%以上~10%未満 | 1.25倍 | 1倍 |
10%以上~20%未満 | 1.5倍 | 1倍 |
20%以上~30%未満 | 1.75倍 | 1.75倍 |
30%以上 | 2倍 | 2倍 |
この表、ぱっと見だとぴんとこない。
1つずつ整理してみると、まず過去最高値から5%未満ではレバレッジがかからない。過去最高値から20%以上の下落で1.75倍から2倍のレバレッジがかかる。(途中の部分はあとで。)
この20%の下落って、S&P500指数にとってどのくらいのインパクトなのだろうと考えると。
現在の基準価格が4,070.56USD、過去最高値が4,796.56USD(チャートから拾っているのでだいたいの値)だった場合。
過去最高値から30%の下落は3,357.59USD、20%の下落は3,837.24USD付近なので、景気動向が不景気であればレバレッジ1倍と考えられる。
ただし、過去1年の52週安値が3,491.58USDなので、30%以上の下落判定は回避したものの、20%以上の下落判定にかかっている。
つまり、このファンドの運用が1年前に開始されていれば、レバレッジが1.75倍に設定されていることになり、そこから下落20%以下に落ちてもレバレッジはルール上解除されずに今に至ることになる。
ファンドの運用が2023年1月13日からと考えた場合、最大の下落が3,898.85USD。1月に20%以上の下落判定にはかかっていないため、景気動向が不景気であればレバレッジ1倍と考えられる。
ふむり。
何となくわかってきたような?気もする。
大きく下落した場合はS&P500の先物を多く保有し、戻りのリターンを高くする。レバレッジは最大下落の基準価格で固定される。それは、大きく下落した際は大きく戻せるようにするため。
表が景気動向で目標レバレッジ比率の値を2つに分けている点に関して。恐らくは、好景気であれば戻りが早く起きると想定しているため、景気動向が好景気と判断できる場合は、細かくレバレッジ比率を設定している。
対して景気動向が不景気の場合、下落を加速させないよう、ある程度の下落ではレバレッジをかけないようにしている。
20%以上、30%以上という下落率になってはじめてレバレッジをかけていくのは、S&P500の過去の傾向から反発するラインと想定している?のかも。
公式の動画をみたところ、下落時の買い増しをファンドが代わりに行うといった表現をしており、投資信託の運用において下落時の買い増し(ナンピン)を具現化したファンドなのだと思う。
うむむ。
ひっかかる点として。
やはり過去最高値以上になった際にレバレッジを1倍に戻すという点。
レバレッジを1倍に戻してしまうと上昇相場でリターンを得られないことはないの?という気もして。
そもそも論として、下落時にレバレッジをかけられるということは、つまり普段どのタイミングにおいてもレバレッジをかけられるように資金管理をしているということで。
レバレッジ1倍時は「資金が余っている」ことになる。
詳しくは運用報告書を読んでみないとわからないけれど。危機に備えるために無駄を作っていて、その無駄を相殺できる程のリターンを見込んだ戦略なのだろうかというのは、やはり気になる。
ううーん。
このファンドの考え方として、参考にしているのはファンドの基準価格ではなくて、指数の値。
下落5%まではレバレッジが1倍なので指数とファンドの基準価格は同じ値動きになるとして、下落が大きくなればレバレッジが1倍以上になる。
指数が値を戻す際にはファンドにはレバレッジがかかっているため、多くのケースではファンドの基準価格の方が大きく値を上げた状態でレバレッジが1倍に戻る。
指数が大きく下落する度に、ファンドは大きく基準価格を上げていく。(ということを期待したルールに見える。)
このファンドの仕組みを下落時の買い増しと考えるのであれば、買い増し後はレバレッジがかかったままになる訳で。
指数が過去最高値に戻ってレバレッジを解除するということは、買い増し分を利益確定するということ?
やれやれ売り的な感じ・・かな。
ナンピンとやれやれ売りを繰り返すファンド。
・・・。
むう。
それってドへたくそな売買の手本なのでは・・。
つまり、ファンドが大きく下落している状態を早期に回復しておきたい、または、大きい下落状態を作りたくない?
ということは・・。見た目、下落しにくいファンドに定義したいのかな。
うーん。
ちょっと中のひとにお気持ちを聞いてみたい気も。
ファンドとして面白そうだとは思うのだけれど、可変レバレッジを上昇に生かさないのが、下落方向にレバレッジ加速のリスクを取っていることに対してどんな回答なのだろうって。気になったかも。
素人の発想なら。リスクオンの時にレバレッジかけて、リスクオフの時にレバレッジ解除した方がよくない?って、思ったり。52週高値であったり、移動平行線あたりのテクニカルを参考にして。(〇ルチアイ?さぁ、知らない子ですね・・。)
ファンド全否定になっちゃうけど。
この反対であることに価値を見出したファンドなんだよね。きっと。
おつかれさまでした。