ニッセイSOX指数インデックスファンド(米国半導体株)がやってくる。

きになる・しらべる

半導体指数に連動を目指す投資信託って珍しい。過去に半導体へ投資する方法を模索したことがあって。色々調べてみたのだけれど国内で流通しているETFを2つ(SMH、SOXL)くらいしか見つけられなかった。

朝食の食材さえETFにできる時代なのに(コレはドイツの会社があたま〇かしいだけだけれど)、既に指数がある投資信託が作られない理由ってなんだろう。想像できる範囲での理由は、もしかしたら運用会社が得意な分野ではないのかも知れない。

そんな世界が暗黒に包まれつつある中、ついにニッセイ・アセットマネジメントさんが立ち上がる。

今回は、2023年3月31日に運用が開始される<購入・換金手数料なし>ニッセイSOX指数インデックスファンド(米国半導体株)のことを調べてみようかなって。そんなお話。

memo

グローバル5.5倍バランスファンド(1年決算型)20230318
基準価額:7,159円 / 前日比(円)-28円 / 前日比(%)-0.39% / 純資産総額91.71億円

日経平均:27,333.79円 / ドル円:131.79円

ダウ平均:31,789.66 / ナスダック総合指数:11,606.13 / S&P500指数:3,908.02

be careful

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「そうなんだー」くらいの肩の力を抜いた状態で、たのしんでいただければ幸いです。

What is the SOX index?

まずはSOX指数ってなんだっけ?あたりから整理。

SOX指数とは

・フィラデルフィア証券取引所が算出しているフィラデルフィア半導体株指数のこと
・フィラデルフィア証券取引所はアメリカ最古の証券取引所、2007年にNASDAQに買収される

半導体とは

・電気を通さない絶縁体(ゴム・ガラス・セラミックス・油など)と、電気を通しやすい導電体(金・銀・銅・アルミなど)の中間、ある条件によって電気を通す物質(シリコン・カーボン・ゲルマニウムなど)のこと
・一般にはシリコンを指すが、市場において集積回路や電子部品などを指すこともある

んー。フィラデルフィアの証券取引所が計算している、半導体株の指数。現在はNASDAQの傘下企業。半導体とは通電を制御できる物質のこと。なのかな。

次にSOX指数の中身を詳しく調べてみる。

NASDAQ傘下ということなので、恐らくNASDAQにドキュメントがあるはず。

ええと・・。

・・・。

ぐぬう。どーにも苦手。

でも見つけてきた。原文は英語なので翻訳を間違えていたらごめんなさい。

フィラデルフィア半導体株指数(PHLX SEMICONDUCTOR SECTOR INDEX)とは

・米国上場大手半導体企業30社の業績を測定するように設計

証券の適格性:
・NASDAQ取引所、NYSE、NYSE American、OBOE取引所のいずれかに上場している
・業界分類ベンチマーク(ICB)上で半導体または生産技術機器サブセクターに分類される
・時価総額が最低1億ドル
・基準日を含む月までの6ヵ月、150万株以上の取引が行われていること
・上場月を除く、少なくとも3か月間取引されていること

インデックスに関して:
・時価総額で上位30の適格証券を選択
・インデックスは、修正時価総額加重インデックス
・上位5位までの証券は上限ウェイト8%でインデックスに組み込まれる
・上位5位以外の証券は上限ウェイト4%でインデックスに組み込まれる
・リバランスは年4回(3月・6月・9月・12月)

あー、これ・・、NASDAQ100指数と似たような計算している。

修正時価総額加重という名の「上位5社だけ優遇保有」なルール。なんかモヤモヤするルール。ううーん。

日銀が日経平均ETFの買い入れをして、ファーストリテーリングとソフトバンクをぶくぶくと肥えさせたのと同じ理屈に感じられて。意図的に市場の強者を作り上げて先導させようとしている的な。考えすぎかなぁ・・。

考えが陰謀論に向かうとお腹痛くなってしまうので、このお話はここまで。

次は組み入れ上位10企業。

名称ティッカー業態比率
(%)
Broadcom LimitedAVGO無線および通信インフラ向け半導体製品、
ソフトウェアの製造・販売
9.09
Texas InstrumentsTXNアナログチップ・組込みプロセッシングチップ、
開発・製造
8.20
QualcommQCOM移動体通信の通信技術、半導体の設計・開発7.78
NVIDIA CorpNVDAGPUを汎用計算用途に拡張したGPGPUの設計に特化、
半導体の開発・販売
7.73
Advanced Micro DevicesAMDコンピュータ・グラフィックス・家電向け、
マイクロプロセッサ・ソリューションの開発、
製造・販売
7.45
Kla CorporationKLACナノエレクトロニクス産業向けプロセス制御、
歩留まり管理システムを提供
4.29
Analog DevicesADI半導体デバイスの製造4.27
Nxp SemiconductorsNXPI半導体メーカー、マイクロコントローラ、
ディスクリートを提供
4.02
ASML HoldingASML半導体露光装置、半導体製造製造メーカー4.02
Taiwan Semiconductor
Manufacturing ADR
TSM半導体受託製造企業4.02
SOX指数組み入れ上位10企業一覧(2022年12月30日調べ)

手元の調べたことのある企業メモに照らし合わせたら8社までマッチした。有名どころが犇めいている感じっぽい。(毎回ティッカーと業態調べるの大変なのでメモることにしてる。)

やっぱり、上位5企業と6位より下は組み入れ比率に明確な差があるのも見て取れる。むう。

次はパフォーマンス。結構長いデータがある。

項目1年
(%)
2年
(%)
3年
(%)
4年
(%)
5年
(%)
6年
(%)
7年
(%)
8年
(%)
9年
(%)
10年
(%)
年間▲35.8341.1651.1460.12▲7.8138.2336.62▲3.4128.3839.31
累積▲35.83▲9.4236.90119.20102.08179.34281.64268.64373.26559.31
累積年率▲35.83▲4.8311.0421.6815.1118.6721.0917.7118.8520.76
SOXのパフォーマンス一覧(2022年12月30日調べ)

な、なんかトンデモない数字になっていない?!これって、累計年率で数字を考えると、直近1年の保有だと年率がマイナス35.83%で、10年前から持っていれば年率が20.76%ということ?ひーい。

10年前に購入していれば5.59倍・・。

これでノン・レバレッジETFというのだから恐ろしい子。

・・・。

とりあえず、米国の証券取引所に上場している「いいかんじ」の半導体に関係する企業トップ30社で作った指数ということがわかった。

What is the Nissay SOX Index Fund?

ここからが本番だー。

ニッセイSOX指数インデックスファンド(米国半導体株)はまだ証券会社さんで取り扱いがないようなので、例の如くEDNETで情報を拾ってきた。

ニッセイSOX指数インデックスファンド(米国半導体株)とは

・PHLX SEMICONDUCTOR SECTOR指数(配当込み、円換算ベース)に連動を目指す
・ファミリーファンド方式で運用、原則として対円での為替ヘッジは行わない
・ファンドの分類「追加型投信」「地域:海外」「対象:株式」「補足分類:インデックス型」
・信託報酬は信託財産の純資産総額に年0.1815%の率をかけた額
・信託期間は無期限

指数に連動することを目指すインデックスファンドだから、あまり見るところはなかったかな。

普段そこまで話題に上ることがないニッセイ・アセットマネジメントさんだけれど、実は大変マジメに投資信託を作られている会社さんというイメージで。これ、ヒット商品になるんじゃないかな。信託報酬もお安いし。

ただ、他社さんが作らなかった理由は何となくだけど、わかる気もしていて。

これってダウ工業株30種平均インデックスと同じで、30社の集中投資になる。おまけにSOX指数は修正時価総額加重だから時価総額上位の会社がコケるととんでもなく株価がグラ付く事態になることが予想される。(リバランス時の入れ替えも額が大きい。)

実のところ国内の証券会社でセクター系投資信託を作っている会社さんは「それはもう」アレな投資信託ばかり。みんな大好きeMAXIS Slimの会社さんであれ、Slim抜き版の方で量産している始末な事情。そこにSlimシリーズばりのお値段で30社集中投資、修正時価総額加重の景気敏感株に部類される半導体株の指数とくれば、平気なの?って心配にもなるわけで。

・・・(ごくり。

平気なの?

ううーん。ニッセイ・アセットマネジメントさんの奮闘に期待したい。

あ、あとニッセイ・アセットマネジメントさんはですね、ファンドの頭に<購入・換金手数料なし>って文を入れるルールをなんとか・・、いえ、何でもないです。証券会社で一覧表示すると肝心のファインド名が省略表示されて読めないんだよ!何とかしてよ!

そだ。

ドキュメントに販売会社の情報も書いてあって。SBI証券さんと、楽天証券さん。お名前自体は公式の発表でも出されていたので別段新しい情報ではなくて。ただ、ドキュメントには2社の資本金の額が書かれてて。SBI証券さんは48,323百万円、楽天証券さんは17,495万円だそうな。

ほえー、SBI証券さんは楽天証券さんの約2.7倍の資本金なのかー。金持ちだー。

Let’s close with a chart

最後はたのしいチャートで締めくくり。

比較はえーっと。こんな銘柄で比較してみようかな。

・SPDR S&P500 ETF(ティッカーSPY)
・Vanguard Information Technology Index Fund ETF(ティッカーVGT)
・iShares Semiconductor ETF(ティッカーSOXX)

上から順にS&P500指数連動、MSCIインベスタブル・マーケット情報技術指数連動、ICE半導体指数連動。情報技術セクターは半導体を含む関係で、半導体セクター系と近い値動きな記憶があり選抜。期間は2002年から2023年。

本当はSOX指数に連動するETFを比較に使いたかったのだけれど、SOX指数に連動するETFがInvesco PHLX Semiconductor ETF(ティッカーSOXQ)しかなく、2022年からの比較になってしまいそうだったので他を探すことに。(できれば大き目な金融危機、リーマンショック前からがよいよね。)

他に半導体を扱うVanEck Semiconductor ETF(ティッカーSMH)と、SOXXのチャートを比較して、成績のよかったSOXXの方を比較に選んだ。

ちなみにSMHはMVIS米国上場半導体25指数連動。国内の証券会社で購入が可能。ヴァンエックさんありがとう。

この記事で掲載しているスクリーンショット画像はSilicon Cloud Technologies社Portfolio Visualizerの画面をキャプチャしたものです。

でん。

SPYとVGTとSOXXのチャート比較

うおおおおお。

負けてしまいました・・。

大分VGTとSOXXはいい勝負をしているように見えるけれど、SOXXの方がボラが少し大きいのかな。BestYearもWorstYearもMaxDrawdownも一番高い数値。

とはいえ。VGTは情報技術セクターETFで、あの巨星AppleとMicrosoftを含んでいるわけで。SOXXにはビックテック0件で、ここまでやり合えるのだから充分優秀な成績だと思う。

少しくらいのボラがなんだ、夢が必要なんだよ!というコア・サテライト戦略での選択には、半導体株指数のインデックスファンドは使えそうかも。

おつかれさまでした。

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