Tracers グローバル2倍株の信託期間が無期限になっていた。

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あれ?グローバル2倍株よりも先に運用を開始した、先日3周年を迎えたのに公式にお祝いの言葉もなく、特集サイトへのリンクはひっそりと削除され、未だに信託期間が無期限になっていないグローバル5.5倍バランスファンド(仮名)というファンドがあったような・・。

ぬう。

公式さんを見る限り、グローバル3倍3分法ファンドや、グローバル5.5倍バランスファンド(仮名)のような先物を使う理論上の効率化を高めた商品よりも。Tracersのように、新しい販路開拓を安い信託報酬で後押しするといった戦略を推し進めたいのだろうなってことは、何となく伝わる。

今回は、グローバル2倍株の信託期間が無制限化になったよ、そいえば最近どんな感じかなってお話。

memo

グローバル5.5倍バランスファンド(1年決算型)20230219
基準価額:7,012円 / 前日比(円)-108円 / 前日比(%)-1.52% / 純資産総額84.54億円

日経平均:27,513.13円 / ドル円:134.12円

ダウ平均:33,826.69 / ナスダック総合指数:11,787.27 / S&P500指数:4,079.09

be careful

この記事で書かれている内容はトワナナさんの感想です。間違いがないよう注意を払っておりますが、それでも事実と異なる内容が含まれているかも知れません。また、特定の商品をお勧めする意図などはありません。(詳しくは、免責事項とPrivacyPolicyを参照下さい。)

「そうなんだー」くらいの肩の力を抜いた状態で、たのしんでいただければ幸いです。

diary

グローバル2倍株は以前記事にしたことがあったような?はて。当時と今とで比較してみたくなったらこちら。

お冷と鰤ぃーねーという訳で。最新のマンスリーレポートを改めて読んでいく。

ファンドの特色。

・世界の株式に投資を行い、収益化を目指す
・株価指数先物を積極利用、信託財産純資産総額2倍相当額の投資を行う
・各国の投資比率は株式市場の市場規模を考慮して決定
・購入手数料は無料

このあたりは以前のままかな?購入手数料のくだりが以前からあったかは記憶に残っていないけれど。

この中での曲者は「投資比率は株式市場の市場規模を考慮して決定」の部分。これは以前から変わっていない部分で。冒頭の説明でもちいさい文字で補足されている。赤い文字を使っているとろこから、恐らくは告知しておかないとマズい注意点という理解なのかも。

ファンドの運用方法。

・株価指数先物取引やETFの他に、現物株式に投資する場合もある
・先進各国株価指数先物取引において、為替の影響は評価損益分と外貨建証拠金になる
・先進国株式部分は対円での為替ヘッジを行う(*1)
・実質的に為替の影響を受けるのは新興国株式(米ドル建の株価指数先物取引)になる
・1国の投資割り当ては純資産総額比で100%程度を上限とする
・実際の運用は純資産額合計の200%程度となるように行い、常に200%とはならない

*1:米ドル建て資産(ETFや証拠金)と、新興国の株価指数先物取引における実質的な米ドル売り(新興国通貨買い)を相殺させ、実質的に米ドルの為替ヘッジを行なったと同等の効果を狙う。

相変わらずというか、例によって例の如く、もやもやする表現で書かれている。

いちおう、コピペはしないようにトワナナさんの頭を通して読みやすく文章を砕いているのだけれど、先進国株式の為替ヘッジを新興国株式で行っているというくだりは面白そうな気がした。

ただ、先進国株式の為替の影響を殺せることと、新興国株式の為替の影響を殺しきれないことが今一つピンと来なかったり。ふむー。

「新興国の株価指数先物取引における実質的な米ドル売り(新興国通貨買い)」の部分は、えーっと。まず、そもそもの資金は円。先進国の株価指数先物取引はドル建てなので、証拠金や損益部分への為替の影響が出る。ドル円の関係で。

次に新興国の株価指数先物取引もドル建てなので、同じようにドル円の為替の影響を受ける。受けるのだけれど、「新興国の株価指数先物」部分がドル売りに相当するのため、先進国の株価指数先物取引での為替の影響を相殺する(ことを期待している)。

残るのは新興国の株価指数先物取引の証拠金や損益への為替の影響。

ううーん、こう?

先物株価指数資金の移動取引き
(円)
取引き
(ドル資産)
資産価値為替の影響
先進国株式証拠金を使いドルの買建て証拠金・
損益
買建て先進国通貨ドル・円
新興国株式証拠金を使いドルの買建て証拠金・
損益
買建て新興国通貨ドル・円
先物取引での為替の影響一覧

赤い線を引いたところがマンスリーレポートで相殺されていると言われる箇所。青い線を引いたところが為替の影響が残ると言われている箇所かな?わからんち。

仕方ないので疑惑が深まったことにする。

えーっと。あとはマンスリーレポートの数字まで「中長期なら行ける!信用できる情報筋の情報だ、信じろ!」としか書いてないので、いろいろすっ飛ばそう。

む。すっ飛ばそうと思ったら、地球コンプリートの説明のところに、割と重要なことがポロっと書いてあった。

地球コンプリートとは。

・世界の株式市場の大半を網羅する
・市場規模などを考慮し世界の株式市場に分散投資を行う
・時価総額ベースで世界を大半をカバーする運用

さらっと時価総額ベースと書いている・・。これって企業の時価総額という理解でよいのかな。MSCI ACWIとかそうだったような気がする。

MSCI ACWIをざっくり説明すると、モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナルが計算している世界株式の指数。

せっかくなので、比べられるものはMSCI ACWIの値と比べてみよう。(さっきMSCI公式から資料持ってきた。ちなみにお箸の国のみなさまが大好きらしいeMaxis slim 全世界株式も同指数を採用する。)

騰落率はこんな感じ。

名称1ヵ月
(%)
3ヵ月
(%)
6ヵ月
(%)
1年
(%)
3年
(%)
設定来
(%)
グローバル2倍株10.4010.281.71▲10.21▲17.42
MSCI ACWI7.7110.94▲7.996.835.70
グローバル2倍株の基準価格の騰落率とMSCI ACWIパフォーマンスの比較

設定来はそもそも運用年数が違うのと、組み入れ比率・レバレッジ比率が異なるので参考程度にみて下さいな。MSCI ACWIが2000年12月29日からの集計と公式の資料にはあるので、22年くらいかな?年率5%という数字は中々。流石にここ1年はマイナスみたいだけれど、これは責められない。

あと、MSCI ACWIの情報は2023年1月23日現在のもので、グローバル2倍株は2023年1月31日現在のもの。大体同じくらいかな。

次は資産構成比率。これはグローバル2倍株にしかない。

資産比率(%)
世界株式ETF53.1
世界株式先物136.2
世界株式合計189.3
現金その他(先物取引の証拠金を含む)46.9
グローバル2倍株の資産構成比率

これ、わかり難いけれど、たぶん、世界株式ETF+現金その他=純資産総額になっていて。世界株式先物は現金その他に含まれる証拠金で賄っているはず。

次の組み入れ銘柄上位10位は、ちょっと意味が違うのでグローバル2倍株から。

名称投資国・地域投資対象比率(%)
米国株先物ミニ(S&P500)米国先物57.8
新興国株先物ミニ(MSCI EM)新興国先物31.5
VANGUARD TOTAL STOCK MKT-ETF米国ETF30.5
欧州株先物(ユーロ・ストックス50)欧州先物23.5
上場インデックスTOPIX日本ETF15.4
英国株先物(FT100)英国先物10.5
カナダ株先物(S&Pトロント60)カナダ先物7.6
VANGUARD RUSSELL 2000-ETF米国ETF7.1
オーストラリア株先物(SPI2000)オーストラリア先物5.4
グローバル2倍株組み入れ上位10銘柄一覧

9銘柄しかないのは間違いではなくて、まだ9つしか保有していないみたい。

投資国・地域比率(%)
米国95.5
新興国31.5
欧州23.5
日本15.4
英国10.5
カナダ7.6
オーストラリア5.4
グローバル2倍株の投資国・地域別組み入れ上位10

国や地域の比率が100%越えてるじゃないさ!って驚くけれど、この辺りの比率は運用上の資産200%相当で勘定しているみたい。

次は、MSCI ACWIの組み入れ上位10企業。(MSCI ACWIはインデックスなのでグローバル2倍株とは異なり、企業が対象になる。)

銘柄セクター比率(%)
APPLE情報技術3.85
MICROSOFT CORP情報技術2.92
AMAZON.COM一般消費財1.57
ALPHABET A情報通信0.98
ALPHABET B情報通信0.92
NVIDIA情報技術0.81
EXXON MOBIL CORPエネルギー0.80
UNITEDHEALTH GROUPヘルスケア0.78
TESLA一般消費財0.77
JOHNSON & JOHNSONヘルスケア0.71
MSCI ACWIの組み入れ上位10企業一覧

全部米国ですやん・・。S&P500の上位銘柄と言われても違和感なさそう。

上位10企業でインデックス全体の14.11%みたいなので、そこまで偏っていないかもだけれど。生活インフラとしての役割ゼロなのに、Appleが1位というのがスゴイかも。2位のMICROSOFTはデータセンターとか、軍関係とかOSとか、生活インフラ寄りではある。それを1%近く上回るのだからトンデモない。はえー。

セクター比率(%)
情報通信20.61
金融15.3
ヘルスケア12.46
一般消費財11.13
資本財9.99
生活必需品7.33
情報通信7.14
エネルギー5.35
素材5.11
公共2.96
不動産2.63
MSCI ACWIのセクター比率一覧

セクターもそこまで偏ってはいないけれど、時価総額基準だから景気どーのでばんばん動かないよね、たぶん。このへんは、時間をおいた数字と比較したいかも。

比率(%)
米国60.02
日本5.51
英国3.84
中国3.79
フランス3.11
その他23.72
MSCI ACWIの国別比率一覧

んー?新興国は中国+その他の一部だとして。ええと、MSCI EMERGENCY MKTによれば中国の比率は30.54%だから、大体10分の1くらい。多めに見積もってMSCI ACWIでの新興国の比率は11%くらいかな?だとしたらグローバル2倍株の新興国31.5%は大分盛ってる。

米国の比率がグローバル2倍株の純資産総額比率100%までという上限にかかるので、該当10%分(レバレッジ2倍なので20%相当)を他に割り当てる必要があるとして、半分を新興国、残りを先進国に割り振っている感じなのかも。

新興国に資金を入れておきたい思惑が透けて見えるー。

というところで、最後はたのしいチャートで締めくくろう。

この記事で掲載しているスクリーンショット画像はマネックス証券ホームページの画面をキャプチャしたものです。

でん。

Tracers グローバル2倍株のチャート

こうやってみると、緩やかに純資産総額が増えてきていて、株価も上向きになってきてるんだね。

いいなー、信託期間の無期限化。いいなー涙。

うう・・。

おつかれさまでした。

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