Tracers MSCI オール・カントリー・インデックス(全世界株式)でも、お高いんでしょ?

きになる・しらべる

モルガン・スタンレーの話題はステルス・スルーしていたのに。日興アセットマネジメントさんが、2023年4月26日に「世界でてっぺんとったるわー」って。界隈に宣戦布告するみたいなのでお付き合い。

というか。みんなひどくない?

新しい投資信託の信託報酬がちょっとでも高ければ「これに投資する価値はありません(キリッ。」って不買運動して。新しい投資信託の信託報酬がすごーく安くても「急いで買う必要はないですね(キリッ。」って不買運動して。

ただのクレーマーじゃないさ。もー。

今回は。アンチ全世界株式のトワナナさんが、Tracers MSCI オール・カントリー・インデックス(全世界株式)のことを調べる。「お前がナンバーワンだ。」読みにくい資料観点で、みたいなお話。

Memo

グローバル5.5倍バランスファンド(1年決算型)20230422
基準価額:7,371円 / 前日比(円)+56円 / 前日比(%)+0.77% / 純資産総額97.67億円

項目通貨ペア価格52週範囲
ドル円USD/JPY134.0960(JPY)126.3920 – 151.9370
ビットコインBTC/USD27,272.70(USD)15,599.05 – 40,713.89
イーサリアムETH/USD1,851.92(USD)896.11 – 3,026.42
リップルXRP/USD0.451451(USD)0.290579 – 0.724669
ステラルーメンXLM/USD0.092576(USD)0.070841 – 0.196982
為替と通貨の一覧

※為替はそこまでご利用が無いので、暗号通貨も混ぜています。

項目指数数値52週範囲
米国株式CRSP US Total Market Index2,975.202,590.36 – 3,285.68
S&P500S&P500 Index4,133.523,491.58 – 4,512.94
NASDAQNASDAQ Composite Index12,072.4610,088.83 – 13,710.70
英国株式FTSE 100 Index 7,914.136,707.62 – 8,047.06
独国株式DAX Index15,881.6611,862.84 – 15,916.28
日本株式TOPIX Index2,035.061,808.77 – 2,071.60
主要株価指数一覧

※ETFにするとマーケットプライスになるので、指数で扱えるものは指数でメモしています。

項目ETF価格
(USD)
52週範囲
(USD)
先進国株式
(除く米国)
Vanguard
Developed Markets Index Fund ETF
Ticker:VEA
46.4035.42 – 46.57
新興国株式Vanguard
Emerging Markets Stock Index Fund ETF
Ticker:VWO
39.9534.88 – 44.30
米国短期国債SPDR Portfolio
Short Term Treasury ETF
Ticker:SPTS
29.1328.63 – 29.72
米国中期国債SPDR Portfolio
Intermediate Term Treasury ETF
Ticker:SPTI
28.8227.55 – 30.10
米国長期国債SPDR Portfolio
Long Term Treasury ETF
Ticker:SPTL
30.3826.87 – 35.28
SPDR Gold Shares
Ticker:GLD
184.25150.57 – 190.41
コモディティiShares
S&P GSCI Commodity-Indexed Trust ETF
Ticker:GSG
20.2118.65 – 26.49
アセット別ETFの価格一覧

※こちらは情報の扱いが難しいため、数字の取り易いETFでメモしています。

Be careful

この記事で書かれている内容はトワナナさんの感想です。間違いがないよう注意を払っておりますが、それでも事実と異なる内容が含まれているかも知れません。また、特定の商品をお勧めする意図などはありません。(詳しくは、免責事項とPrivacyPolicyを参照下さい。)

「そうなんだー」くらいの肩の力を抜いた状態で、たのしんでいただければ幸いです。

What is the Tracers MSCI All Country World Index?

世間ではTracersのニューカマーが話題にあがっていて。

あれ?トワナナさん、日興アセットマネジメントさんのストーカーなので毎日公式ページチェックしてるけど、そんな話題あったっけ?と調べてみると。

いくつか記事を読んだ限りでは、これから運用開始をする投資信託のようだった。信託報酬が今までの最安値から半値近いとかで。eMAXISさんちの方は最安を謡うのだから信託報酬を下げないの?って詰められていた。(なんでもTracersの方は全てを費用計上してないから追従しないよ、あっち隠してるじゃん。うちはコミコミで出しているし。みたいなお話?なのかな。)

たいへん。よくわからないけれど。

そいえばあまり話題を見ないけれど、<購入・換金手数料なし>ニッセイNASDAQ100インデックスファンドも、NASDAQ100指数の連動を目指す投資信託の中では激安の部類でなかったっけ。

んー。ほら、こっちも安い。

これも叩いてるの?不買運動ガンバってる?インフルエンサーさんたち。(←ご機嫌ななめってる。

ファンド名信託報酬
年率(%)
iFreeNEXT NASDAQ100インデックス0.495
eMAIXS NASDAQ100インデックス0.440
<購入・換金手数料なし>
ニッセイNASDAQ100インデックスファンド
0.2035
主要NASDAQ100指数に連動するファンドの信託報酬一覧

ネー。

本題に戻ると、ええと。

どこに情報あるかな?公式にはまだなさそうなので、とりあえずEDINETあったりで探せば出てくるかな。

・・・。

・・・。

あった。

Tracers MSCI オール・カントリー・インデックス(全世界株式)とは

・海外先進国、新興国および日本の金融商品取引所に上場する株式に投資する
・MSCI ACWI(税引後配当込み、円換算ベース)に連動を目指す
・マザーファンドに投資を行うことで、実質的に全世界の株式に投資を行う
・2023年4月26日より運用開始、信託期間は無制限
・信託報酬の総額は、信託財産の純資産総額に対し年0.05775%(税抜0.0525%)

ふむふむり。主な特徴はよくある株価指数ファンドかなって。

これといって見るべきところは無さげかなーと思いつつ。信託報酬の方がだいぶ叩かれているようだったので、見てみた感想。

まず基本的なところ。ここだけを見ると大分お安い。

項目費用(年率%)
委託会社0.0175
販売会社0.0175
受託会社0.0175
合計0.0525
Tracers MSCIオール・カントリー・インデックス(全世界株式)の信託報酬の配分

その他手数料の項目に「諸費用およびそれに付随する消費税等相当額について、委託会社は、その支払いをファンドのために行ない、ファンドの日々の純資産総額に対して年率0.1%を乗じた額の信託期間を通じた合計を上限として、支払金額の支弁を信託財産から受けることができます。」の文があるので、最大で0.1%の信託報酬を加算される可能性があるのかな?

どんな項目があるかというと。んー、こう書いてある。

項目
1ファンドの計理業務(設定解約処理、約定処理、基準価額算出、決算処理等)およびこれに付随する業務(法定帳簿管理、法定報告等)に係る費用。
2振替受益権に係る費用ならびにやむを得ない事情などにより受益証券を発行する場合における発行および管理事務に係る費用。
3有価証券届出書、有価証券報告書、半期報告書および臨時報告書の作成、印刷および提出に係る費用。
4目論見書および仮目論見書の作成、印刷および交付に係る費用。
5信託約款の作成、印刷および交付に係る費用。
6運用報告書の作成、印刷および交付に係る費用。
7ファンドの受益者に対して行なう公告に係る費用ならびに信託約款の変更または信託契約の解約に係る事項を記載した書面の作成、印刷および交付に係る費用。
8格付の取得に要する費用。
9ファンドの監査人、法律顧問および税務顧問に対する報酬および費用。
10ファンドおよび主要投資対象である各マザーファンドの運用において利用する指数の標章使用料。
11ファンドおよび主要投資対象である各マザーファンドの運用において利用する指数の指数値、構成銘柄、構成比率等の情報および投資対象市場の動向や特性等に関する情報の入手に要する費用。
12ファンドおよび主要投資対象である各マザーファンドの運用において、クリアリング機構を利用した場合に生じる諸費用。
Tracers MSCIオール・カントリー・インデックス(全世界株式)のその他の経費項目

費用・報酬およびそれに付随する消費税等相当額もあるそうな。

項目
1組入有価証券の売買の際に発生する売買委託手数料および先物・オプション取引などに要する費用。
2信託財産に関する租税、信託事務の処理に要する諸費用、外貨建資産の保管などに要する費用、解約に伴なう支払資金の手当てなどを目的とした借入金の利息および受託会社の立て替えた立替金の利息。
3有価証券の貸付を行なった場合に限り、その対価としての品貸料に0.55(税抜0.5)を乗じて得た貸付有価証券関連報酬。委託会社と受託会社の配分は4:1とし、信託報酬と同時期に支払う。
Tracers MSCIオール・カントリー・インデックス(全世界株式)の費用・報酬およびそれに付随する消費税等相当額

ううーん。事務費用と、顧問料、売買手数料、株価指数使用料あたりか。これに純資産総額に対する0.05%以上の費用がかかるかも知れないから否定的になると・・。

なるほど。

ん?

トワナナさんはTracers MSCIオール・カントリー・インデックス(全世界株式)の信託報酬は他と比べて高くなると思う?安くなると思う?と言えば。安い数字にまとめてくると思う。

それは何故、今になって全世界株式で信託報酬最安値競争を仕掛けてくるのかのお話で。

新NISAの弾がほしいから。新NISAで自社のファンドを買ってほしいから。なのだろうなって。わざわざ出遅れている会社が他社より高い数字を出して「しごとしてまーす」感を出すことに意味はないだろうし。

知名度の観点からも最安値であることしか、勝ちの目はないと思う。グローバル5.5倍バランスファンドとかいう超ぼったくりファンドよりも良心的だしネ。

What is MSCI ACWI?

MSCIはモルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル社の算出する株価指数などに付けられているブランド名的なものなのかな。社名の略称にもなっている。

で。そのお名前を持つMSCI ACWI(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル・オール・カントリー・ワールド・インデックス)。

どんな指数なのか。Tracers MSCI オール・カントリー・インデックス(全世界株式)も連動を目指す指数をせっかくなので詳しく調べてみる。たぶん、公式にドキュメントがあると思うので。ええと。

・・・。

・・・。

ない・・汗。

MSCI ACWIは沢山あるけれど、これ、全部違うもののようだし。ああ、これかな。

デカッ!なんじゃこりゃー。

・・・。

・・・。

あー。えーっと・・涙。

つらい。時間かかりそうだ・・。原文が英語なので、翻訳を間違えていたらごめんなさい。

MSCI ACWIとは

・MSCIグローバル・インベスタブル・マーケット・インデックス(GIMI)に基づく
・重複しないサイズとスタイルのセグメンテーションを備えた投資可能な対象範囲
・サイズと流動性のスクリーン使用を通じインデックスの投資可能性と再現性を重要視
・グローバルな規模、国の多様化を目的とした効率的なバランス
・インデックスの安定性、変化をタイムリーに反映する優れたメンテナンス方法論
・複数のサイズのインデックスを備えたサイズ・セグメント・インデックスのセット

これは。カタログ文言?セールストーク的な。

でも、MSCI ACWIもマルチ・コンポジットなのか。CRSP US Total Market Indexもマルチ・コンポジットだよね。S&P1500もマルチ・コンポジットだし。ちょっと勉強不足なのだけれど、規模が大きなインデックスを構築する場合、複数のコンポジットを組み合わせるのがメンテナンス上よいのかな。

トワナナさんはS&P1500で初めてマルチ・コンポジットを見たけれど、最初見た時の感想はこう、言葉は悪いのだけれど手抜きというか、安上がりな仕組みなのかなって思った。

小型株のインデックスと、中型株のインデックス、大型株のインデックス、それらを結合した市場全体のインデックス。扱い上は4つのインデックス。

複数のインデックスを組み合わせて別のインデックスを作るのであれば、管理するインデックス数は少なくて済む。それは運用会社のストレス軽減でもあり、インデックス・プロバイダーのストレス軽減でもあるのかなって。

ふむり。

インデックスの構築はこっちか。

MSCIグローバル・インベスタブル・マーケット・インデックスの構築

1. 各市場のエクイティユニバースを定義
2. 各市場の市場投資可能なエクイティユニバースを決定
3. 各市場の時価総額サイズセグメントを決定
4. 標準インデックスにインデックス連続性ルールを適用
5. グローバル産業分類基準(GICS)に基づく証券の分類
6. ビルディングブロックアプローチを使用して、各サイズセグメントの個々の市場インデックスから地域インデックスと複合インデックスを作成

うまくまとめられる自信はないけれど、上から。

1. 各市場のエクイティユニバースを定義とは

(対象)
・REITおよびカナダで上場する特定のインカムトラストを含む全ての上場株式
・米国で上場するリミテッドパートナーシップ、有限責任会社、ビジネストラスト

(対象外)
・ミューチュアルファンド、ETF、エクイティデリバティブ
・ほとんどの投資信託

(補足)
・各企業とその証券(株式クラス)は1つの国にのみ分類される

むー。ちょっと専門用語が多い。

一般的な用語ははしょって、簡単にまとめるとこんな感じかな?

用語意味
インカムトラスト普通株式と劣後債を組み合わせた証券商品。
リミテッドパートナーシップ企業形態の1つで、無限責任を負う最低1名のゼネラル・パートナーと、有限責任のリミテッド・パートナーによって組織される形態のこと。
有限責任会社企業形態の1つで、出資者の責任が出資金額を上限とする形態のこと。
ビジネストラスト信託宣言、または書面による証書により設定される信託。
株式会社が法人として会社の財産を所有するのに対し、信託は受託者が信託財産を保有する。
ミューチュアルファンドオープンエンド会計の投資会社、または投資信託。
米国での一般的な投資信託。
エクイティデリバティブ株式を指標とするデリバティブ商品。
デリバティブとは金融派生商品のことで、先物取引、オプション取引、スワップ取引などを指す。
各市場のエクイティユニバースの定義で扱う商品と企業形態のまとめ

企業形態はさまざまでよく、投資信託とデリバティブがNGという括り。あと、さらりとREITが入っているんだね。直接土地を指している訳ではなくて、土地売買や土地の管理を扱う企業を指しているのだと思うけれど。

こう、REITって債券や株式のような区別と同じで、別アセットとして扱うもののようなイメージを持っていた。「どんなサービスですか?」という点で土地を扱っているだけだから、株式会社という括りにはなる。確かに株式とは異なる扱いではない気もしてくる。

つまり、REITは株式とは異なるアセットという考えがちょっとズレているのかも。

次にいこう。

2. 各市場の市場投資可能なエクイティユニバースを決定とは

・エクイティユニバースの各証券の適格なリストを特定
・その市場に分類される企業および証券に投資可能性スクリーニングを適用

投資可能性スクリーニングには以下の項目がある。

文中にちょくちょく現れる「DM」は先進国、「EM」は新興国のことを指している・・、のだと思う。ちょっと資料から読み取れていないので自信ないです。ごめんなさい。

あと、これも向こう様のドキュメントによく登場する、ほにゃほにゃ「ユニバース」という表現は、集まり的な意味だと思う。だからエクイティユニバースと書かれていた場合は株式の集まりという意味。なのかなって。

詳しくは公式の原文で、ここでは雰囲気で感じ取って下さい。(考えずに味わうのが大切。

項目説明
エクイティユニバースの最小サイズ要件対象企業を時価総額の降順で並べ、浮動小数点調整時価総額の累積範囲を各企業で計算。
99%の累積浮動調整時価総額範囲が達成されると、その時点での会社の時価総額がエクイティユニバースの最小サイズ要件として定義される。
エクイティユニバースの最小浮動株調整時価総額要件証券はエクイティユニバースの最小サイズ要件の50%以上の浮動調整後の時価総額を持っている必要がある。
DMおよびEMの最小流動性要件先進国市場の市場投資可能なエクイティユニバースに証券を含めるには、過去4四半期連続で3か月ATVRの20%、3か月取引頻度の90%の最低流動性レベル、および12か月ATVRの20%が必要。このルールは、DM最小流動性要件と呼ばれる。
新興市場の市場投資可能なエクイティユニバースに証券を含めるには、過去4四半期連続で3か月ATVRの15%、3か月取引頻度の80%の最低流動性レベル、および12か月ATVRの15%が必要。このルールは、EMの最低流動性要件と呼ばれる。
※ATVRとは、年次売買高レシオ(Annual Traded Value Ratio)のこと。
グローバル最小外国人包含係数要件証券の外国包含係数(FIF)が特定のしきい値に達している必要があり、証券のFIFは国際投資家が公開株式市場で購入できる発行済み株式の割合として定義される。
この比率は特定の証券(または会社)に適用される利用可能な浮動および/または外国人所有権の制限をする。
一般に証券は、市場投資可能株式ユニバースに含める資格を得るために、0.15以上のFIFを持っている必要がある。
取引要件の最小期間インデックスレビューの実施の少なくとも3か月前に、新しい発行が取引を開始している必要がある。
最低限の外国人部屋の要件外国人所有制限(FOL)の対象となる証券が、許可された最大株式に対する外国人投資家がまだ利用可能な株式の割合が少なくとも15%である必要がある。
財務報告要件証券の国分類に従って米国で分類された企業は、米国投資可能株式ユニバースに含める資格を得るために定められた資料を提出する必要がある。
各市場の市場投資可能なエクイティユニバースの決定時に使用される投資可能性スクリーニング一覧

外国人部屋・・。ううーん・・。Foreign Roomってどう訳すのがよいのだろう、もっと勉強しなきゃ。たぶん外国のひと枠的な意味なのだとは思う。

次は地獄のセグメントサイズのこと。

3. 各市場の時価総額サイズセグメントを決定とは

・各サイズセグメントの市場カバレッジ目標範囲を定義
・各サイズセグメントのグローバル最小サイズ範囲を決定
・セグメントカットオフおよび関連するセグメント企業数の決定
・サイズセグメントに会社を割り当て
・最終的なサイズセグメントの投資可能性要件を適用

この作業を説明すると範囲が広くなりすぎそうなので要約のみでおしまいに。(地獄の意味が知りたい方は公式の原文をお楽しみください。)

次の「4. 標準インデックスにインデックス連続性ルールを適用」に関しては、MSCIグローバル・インベスタブル・マーケット・インデックスには影響無さそうなのでこれもカット。

・・しようかと思ったけれど。

いちおう、どんなことをするの?ということは気になるかも知れないので概要のみ。全部ひっくるめたインデックスであるMSCIグローバル・インベスタブル・マーケット・インデックスには必要がない作業なのがわかると思う。

4. 標準インデックスにインデックス連続性ルールを適用とは
異なる時期に、複合インデックスに対し市場インデックスが一時的に含めたり除外されたりすることを回避するための機能。
指数の継続性を達成し、市場指数内である程度の基本的な分散を提供するために、ここに含まれる他の指数構成ルールの効果にかかわらず、DMスタンダード指数では最低5銘柄、エマージング標準指数では最低3銘柄を維持する。

次はいつもお世話になっているグローバル産業分類基準(Global Industry Classification Standard)での分類。「5. グローバル産業分類基準(GICS)に基づく証券の分類」の話題。

その前にサイズ感の情報。

MSCIインベスタブル・マーケット・インデックスは、MSCIスタンダード・インデックスとMSCIスモールキャップインデックスで構成され、MSCIスタンダードインデックスは、さらにMSCIラージキャップインデックスとMSCIミッドキャップインデックスに細分される。

つまり、こんなイメージ。

インデックス概要
MSCIラージキャップ大型株
MSCIミッドキャップ中型株
MSCIスモールキャップ小型株
MSCIスタンダードMSCIラージキャップ+MSCIミッドキャップ
MSCIインベスタブル・マーケットMSCIスタンダード+MSCIスモールキャップ
MSCIインベスタブル・マーケット・インデックスの構成

MSCIインベスタブル・マーケット・インデックス内ではMSCIラージキャップが全体の70%、MSCIミッドキャップが15%、MSCIスモールキャップが14%位の比率。(そんな図になってた。どこかでマイクロキャップもあったような・・。)

なんとなくイメージがつかめた所で続き。

と思ったけれど、あれ?セクターを割り当てるのが目的で特にルールはないのかな?

えええ?!そうなの?

んんー。あー。えーっと、ううーん。

セクター間のバランスは市場の流行に任せる形?それ、アカンやつなのでは。

・・・。

「6. ビルディングブロックアプローチを使用して、各サイズセグメントの個々の市場インデックスから地域インデックスと複合インデックスを作成」に関する説明は・・、MSCIインベスタブル・マーケット・インデックス向けでは無さそうだから、ここまでかも。

うへー。ちかりた。

これでもめちゃめちゃ端折っているのだけれど、もう少し勉強して深堀すれば見えてくることもあるのかも。今後の課題。

リバランスという言葉はドキュメントでは使われていないように見えて。代わりにインデックスレビューという形で大量のページを割いて説明がされている。

内容はここまで書いたものよりも更に難しくなるので省略するけれど、大体はルールから漏れたものをどのように検出するか、変更するかといった内容。

インデックスレビューは4半期ごとに行われ、2月、5月、8月、11月の最終営業日の終了時点で発効日の少なくとも2週間前に発表されると書かれているから。ええと。運用サイドで考えると、3月、6月、9月、12月あたりにリバランスになるのかも。

Is that really what it looks like?

ここまでを振り返ると。外国の方の枠が設定されていたり、わかってはいたけれど人口もGDPもまったく関係がなくて。セクター間の調整もなさそうなのかな。

マルチ・コンポジットだから加重平均には成り得ないとして、あれと同じかな。浮動株調整後時価総額ベースみたいな。

これを「世界株式」という表現をするのが適切なのかというのが、いつも感じる違和感。世界中の時価総額が高い企業を上から順に並べているという点では「世界」ではあっても、リスク回避や成長を期待して「世界」に分散はしていない。例えば戦争が起こらない、国や経済が安定している、そういった国にある程度資産を入れたいと思ってもルールには取り入れられない。(1つの考えとしてESGを採用するのはありかも。あれ、戦争とかしてたり評判が悪い国は除外されるから。)

ここ数年よく耳にする「これから新興国が伸びる」という話題にしても、それは人口やGDPが伸びるからという根拠で、そのどちらもインデックスに採用される条件には含まれていない。

もちろん、成長が見込まれる国から時価総額が大きな企業が生まれてくることはあると思う。でもそれは、既存の企業が市場での成長を許した場合で。それを期待して「世界株式」という肩書に期待するのは少し違う気もして。

そもそもこれから伸びる企業は多くの場合、資金が有り余っている企業が買収し、成長の芽を摘んでしまうってことをみんな見てきているはず。(ランキング上位の企業は企業買収しまくってぱんぱんに膨れ上がっているわけで。)

それなら。

それならどうすれば「世界」に分散投資できるの?といえば。それこそバンガードの偉い方が言われるように明示的に地域をわけて購入するのが良いのかも知れない。(そのバンガードが世界株式ETFも出しているけれど。お箸の国に大人気。)

米国と、それ以外の先進国と、新興国と。ETFをベースにして、気になる国は直接追加して。

えー、めんどー。そんなことしないで1つのETFでいいじゃないさーって。MSCI ACWIでいいじゃないかーといえば。

それはそれで「面倒だから」を理由にするのもまたひとつの選択だと思う。

すごい偶然で。Tracers MSCI オール・カントリー・インデックス(全世界株式)という格安の信託報酬のファンドが出るそうなので、それに投資するのが丁度よいかも知れない。もちろんステマだけれど。

Show off your ability in the world on the chart!

最後はチャートで締めくくり。んー。S&P Globalとか採用したETFがあったらいいなって思って探してみたものの、見つからない。残念。みんなモル助スキなのね・・。

ちょこっとだけバリエーション付けるとこうかな。

iShares MSCI ACWI ETF(ティッカーACWI)
Vanguard Total World Stock Index Fund ETF(ティッカーVT)
Vanguard Total Stock Market Index Fund ETF(ティッカーVTI)
Vanguard FTSE Developed Markets ETF(ティッカーVEA)
Vanguard Emerging Markets Stock Index Fund ETF(ティッカーVWO)

青いチャートがMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスに連動。赤いチャートがFTSEグローバル・オールキャップ・インデックスに連動。

黄色いチャートは自前ポートフォリオの地域分散。CRSP米国総合指数に連動50%+FTSE先進国オールキャップ(除く米国)インデックスに連動25%+FTSEエマージング・マーケッツ・インデックスに連動25%の3つのETFセット。(いわゆる米国50%、残りの先進国25%、新興国25%のカタチ。)

期間は2009年から2023年。

春はすぐそこ、いってみヨーカドー。

ここから下で掲載しているスクリーンショット画像はSilicon Cloud Technologies社Portfolio Visualizerの画面をキャプチャしたものです。

ACWIとVTとVTI+VEA+VWOのチャート比較

意外と・・。

ACWIとVTは誤差の範囲。3つのETFセットが数字上はよかったみたい。

数字を伸ばすだけなら米国を盛ればいけそうだけれど、分散や成長を期待するのであれば、固定である程度持っておくのもよさげなのかもだね。確か経費率は最も安くなるので、そこでのアドバンテージも。

未来のことはわからないけれど。

未来を見越して妥協しなくても、未来のことは未来に考えてもよいのかなとか。最近はぼんやりと思う。ひとには勧めないけれど。

おつかれさまでした。

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