あれはコロナのパンデミック前だったのかな。
グローバル3倍3分法ファンドが大ブレイクしていて。猫も杓子もレバレッジ型マルチアセット・ポートフォリオの投資信託で盛り上がっていた時期があって。
記憶が確かなら、ウルトラバランス世界株式もそんな中で生まれたファンド。
レバレッジ型マルチアセット・ポートフォリオの投資信託って、株価指数連動のレバレッジ型の投資信託とは大きく異なる点があって。
えーっと。
全てのものがそうではないのだけれど。
グローバル3倍3分法ファンドがそうだったように。資産に対してレバレッジをかけて運用を行いながらも、ポートフォリオ内の商品の値動きにはレバレッジをかけていない。
株価指数連動のレバレッジ型投資信託は商品の値動きにレバレッジをかけているから、その値動きによって価値を失ってしまう可能性があって。
このへん、捉え方次第だとは思う。
でも。
デリバティブの使い方、その提案。レバレッジ型マルチアセット・ポートフォリオの投資信託の登場は、投資信託という商品の定義に新しい色味を増やしてくれたのではないかなって。
リスクではなく、運用効率性の提案として。
・・・。
今回は、ロゴからして狙ってるとしか思えない、設定から6年目?あたりのアレ。来たぞ我らのウルトラバランス世界株式を久しぶりに調べてみようかなって。ええー?今回はヤングおいてけぼりの記事なのー?って、そんな週末っぽいお話。たぶん。
Memo
グローバル5.5倍バランスファンド(1年決算型)20240526
基準価額:7,780円 / 前日比(円)-236円 / 前日比(%)-2.94% / 純資産総額129.67億円
項目 | 通貨ペア | 現在価格/ 前回との差異 | 52週範囲 |
---|---|---|---|
ドル円 | USD/JPY | 現在156.9430(JPY) [↑] 1.236(0.793%) 前回155.7070(JPY) [↑] 0.004(0.002%) | 現137.3150 – 159.9610 前137.3150 – 159.9610 |
ビットコイン | BTC/USD | 現在69,176.25(USD) [↑] 2,270.94(3.394%) 前回66,905.31(USD) [↑] 5,788.93(9.471%) | 現24,797.17 – 73,750.07 前24,797.17 – 73,750.07 |
イーサリアム | ETH/USD | 現在3,811.28(USD) [↑] 707.86(22.809%) 前回3,103.42(USD) [↑] 175.28(5.986%) | 現1,523.24 – 4,092.28 前1,523.24 – 4,092.28 |
リップル | XRP/USD | 現在0.536400(USD) [↑] 0.025333(4.956%) 前回0.511067(USD) [↑] 0.005537(1.095%) | 現0.433634 – 0.887511 前0.433634 – 0.887511 |
ステラルーメン | XLM/USD | 現在0.109816(USD) [↑] 0.003346(3.142%) 前回0.106470(USD) [↑] 0.000731(0.691%) | 現0.075348 – 0.183018 前0.075348 – 0.183018 |
※為替はそこまでご利用が無いので、暗号通貨も混ぜています。価格の下のマーカーは1年前の価格に対しての状態を色分けしています。赤いマーカーは上昇、青いマーカーは下降になります。
項目 | 指数 | 現在値/ 前回との差異 | 52週範囲 |
---|---|---|---|
米国株式 | CRSP US Total Market Index | 現在3,794.50 [↓] 6.18(0.162%) 前回3,800.68 [↑] 57.96(1.548%) | 現2,937.26 – 3,823.00 前2,937.26 – 3,815.75 |
S&P500 | S&P500 Index | 現在5,304.72 [↑] 1.45(0.027%) 前回5,303.27 [↑] 80.59(1.543%) | 現4,103.78 – 5,341.88 前4,103.78 – 5,325.49 |
NASDAQ | NASDAQ Composite Index | 現在16,920.80 [↑] 234.83(1.407%) 前回16,685.97 [↑] 345.10(2.111%) | 現12,543.86 – 16,996.38 前12,415.85 – 16,797.83 |
VIX | CBOE Volatility Index | 現在11.93 [↓] 0.24(1.972%) 前回12.17 [↓] 0.38(3.027%) | 現11.52 – 23.08 前11.81 – 23.08 |
英国株式 | FTSE 100 Index | 現在8,317.59 [↓] 125.99(1.492%) 前回8,443.58 [↑] 9.82(0.116%) | 現8,111.38 – 8,474.41 前7,215.76 – 8,474.41 |
独国株式 | DAX Index | 現在18,693.37 [↓] 77.01(0.410%) 前回18,770.38 [↓] 2.47(0.013%) | 現14,630.21 – 18,892.92 前14,630.21 – 18,892.92 |
印度株式 | NIFTY 50 Index | 現在22,957.10 [↑] 455.10(2.022%) 前回22,502.00 [↑] 446.80(2.025%) | 現18,478.40 – 23,026.40 前18,333.15 – 22,794.70 |
日本株式 | TOPIX Index | 現在2,742.54 [↓] 25.50(0.921%) 前回2,768.04 [↑] 39.83(1.459%) | 現2,126.85 – 2,820.45 前2,126.85 – 2,820.45 |
※ETFにするとマーケットプライスになるので、指数で扱えるものは指数でメモしています。52週範囲は約1年間の値幅の範囲を表します。1年間の範囲に対して現在の価格がどの位置にいるのかなどの確認に使えます。
項目 | ETF | 現在価格/ 前回との差異 | 52週範囲 (USD) |
---|---|---|---|
先進国株式 (除く米国) | Vanguard Developed Markets Index Fund ETF Ticker:VEA | 現在50.69(USD) [↓] 0.41(0.802%) 現在51.10(USD) [↑] 0.74(1.469%) | 現41.48 – 51.28 前41.48 – 51.21 |
新興国株式 | Vanguard Emerging Markets Stock Index Fund ETF Ticker:VWO | 現在44.20(USD) [↓] 0.69(1.537%) 現在44.89(USD) [↑] 1.43(3.290%) | 現37.46 – 44.97 前37.46 – 44.97 |
米国短期国債 | SPDR Portfolio Short Term Treasury ETF Ticker:SPTS | 現在28.78(USD) [↓] 0.02(0.069%) 現在28.80(USD) [↑] 0.04(0.139%) | 現28.58 – 29.18 前28.58 – 29.18 |
米国中期国債 | SPDR Portfolio Intermediate Term Treasury ETF Ticker:SPTI | 現在27.79(USD) [↓] 0.07(0.251%) 現在27.86(USD) [↑] 0.13(0.468%) | 現27.01 – 28.77 前27.01 – 28.77 |
米国長期国債 | SPDR Portfolio Long Term Treasury ETF Ticker:SPTL | 現在27.08(USD) [-] 0.34(0.000%) 現在27.08(USD) [↑] 0.34(1.271%) | 現24.47 – 30.21 前24.47 – 30.21 |
米国半導体 | iShares Semiconductor ETF Ticker:SOXX | 現在238.56(USD) [↑] 10.32(4.521%) 現在228.24(USD) [↑] 8.00(3.632%) | 現144.40 – 240.92 前142.13 – 240.01 |
金 | SPDR Gold Shares Ticker:GLD | 現在215.92(USD) [↑] 7.74(3.460%) 現在223.66(USD) [↑] 4.95(2.263%) | 現168.30 – 225.66 前168.30 – 225.09 |
コモディティ | iShares S&P GSCI Commodity-Indexed Trust ETF Ticker:GSG | 現在22.22(USD) [↓] 0.21(0.936%) 現在22.43(USD) [↓] 0.56(2.435%) | 現18.65 – 23.08 前18.65 – 23.08 |
※こちらは情報の扱いが難しいため、数字の取り易いETFでメモしています。数字は手打ちになりますので、間違っていたらごめんなさい。参考程度に見て下さい
Be careful
この記事で書かれている内容はトワナナさんの感想です。間違いがないよう注意を払っておりますが、それでも事実と異なる内容が含まれているかも知れません。また、特定の商品をお勧めする意図などはありません。(詳しくは、免責事項とPrivacyPolicyを参照下さい。)
「そうなんだー」くらいの肩の力を抜いた状態で、たのしんでいただければ幸いです。
A short story about PayPay asset management
そいえばPayPayアセットマネジメントって昔なかったよねって、wikipediaとか調べてて。あんまり情報ないなーって公式をフラつく。
昔の運用報告書にアストマックス投信投資顧問株式会社の文字を見つけた。
あー確かに、昔はそんな社名だったかも・・ってぼんやり。
・・・。
他に何か面白いことないかなーってフラ付いてたところ、あるファンドが目に付いた。
PayPay投信インデックス先進国株式。(PayPay証券とPayPay銀行で買えるみたい。)
ファンドは連動する指数がFTSE Developed All Cap Indexであること、俗にいう日本を含む先進国株式のインデックスファンドというところで多くは言い現わせて。
んー。
そいでもってこれ、中身ETFみたいで。
あー、SBIさんとこのExE-iシリーズみたいな感じかーって。そんな寝ぼけた感想でしまいにしてしまいそうになりつつも、よくよく採用されているETFを見てみると。
米国株式のシュワブ・U.S.ブロードマーケット・ETFと、米国以外の先進国株式としてSPDRポートフォリオディベロップドワールド(米国を除く)・ETFの2つを束ねていた。
へー変わったETF使ってるなーって。
組成はオーソドックスに米国株式と先進国株式(除く米国)のペアかーって。
・・・。
ん?
しわぶ?
シュワブって、あのシュワブ?!
Schwab US Dividend Equity ETF(ティッカーSCHD)を運用してる?!
えっと、つまりPayPayアセットマネジメントさんは、シュワブさんと取引あるの?!!
うおおおおおっ!!
すごいー。
じゃあもしかしたら将来的にSCHDの取り扱い、あるいはSCHDに投資するファンドを出せるってこと?!いや、今スグ出して下さい、なんでもしま(ry。
てっきり、シュワブさんは国内への申請出してくれなくて取り扱いできないのかと思ってた。
これはちょっと期待しちゃうなー。
SCHDってなんじゃらほいというと、えーっと。Dow Jones U.S. Dividend 100 Indexに連動を目指す、配当の持続性とクオリティを重視しているETF。素行がよいので保守的な方でもVYMとSCHDを一緒に保有する方とか、結構いらっしゃるみたい。
国内の配当投資家が羨望のまなざしを送るETFの1つでもある。
・・・。
What is Ultra Balance World Stock?
激しく脱線したところで。
本題のウルトラバランス世界株式の目論見書とか読んでいく。
えーっと・・。
資金の8割を株式の現物ETFで保有し、残りの2割の資金を証拠金に債券と商品(ゴールド)の先物取引で資産ポートフォリオ組む。その合計資産は資金に対して2.9倍程。
てな説明で大体言い現わせる、デリバティブを用いたレバレッジ型マルチアセット・ポートフォリオの投資信託・・って書くとわかり難いか。
バランス系ファンド。
株式に対して債券比率が2.18倍くらい?なこと。多くの伝統的なバランス系ファンドと異なり、REITの代わりに商品(ゴールド)を保有していること。そして隠れた特徴として、株式に低ボラティリティなインデックスを採用している。
面白そうなんだよねー、コレ。
パフォーマンスがぱっとしないので化石っぽくなっているけれど。ちゃんと信託期間は無期限のズッ友仕様。デリバティブを使って資金効率を上げながらも過度なリスクを避けた設計。
いいと思うのだけれどなー。
グローバル3倍3分法ファンドと同様に、フリーランチを目指して設計したっぽい作りが。
・・・。
あれ?
勘違いしていたかも。
ウルトラバランス世界株式って。守ることに重点を置いているポートフォリオだと思っていたけれど、設計の意図はリターンを得るための分散と公式には書いてある。
・・・。
ええぇ・・(困惑。
だってこれ、iShares MSCI Global Min Vol Factor ETF(ティッカーACWV)使っているんでしょ?リターンをトップ・プライオリティで取りに行ってないよね?
ううーん。
ACWVの方はこの後調べてみるとして、ひとまず月次レポートを先に見てみよう。
Does that performance reflect the true picture?
2024年4月30日のマンスリーレポートをみてみると・・。
んー。
1ヵ月 | 3ヵ月 | 6ヵ月 | 1年 | 3年 | 設定来 | |
---|---|---|---|---|---|---|
ファンド | 0.0 | 6.1 | 21.8 | 14.4 | 5.1 | 18.1 |
株式 | ▲2.12 | 0.96 | 11.54 | 6.42 | 8.27 | 22.31 |
米国債10年先物 | ▲2.57 | ▲3.76 | 0.80 | ▲7.74 | ▲18.75 | ▲16.94 |
フランス国債10年先物 | ▲1.56 | ▲2.12 | 3.02 | ▲0.25 | ▲17.84 | ▲19.19 |
日本長期国債先物 | ▲0.81 | ▲0.79 | 1.49 | ▲0.78 | ▲0.09 | ▲2.27 |
COMEX金先物 | 5.33 | 13.85 | 14.12 | 11.20 | 19.72 | 34.73 |
これはファンドとポートフォリオに含まれるアセット毎の騰落率かな?
情報は別でまとめられていたのだけれど、期間が同じようだったので並べてみた。
ふむー。
ふむー?
ファンドは一応、低空飛行ではあるもののプラスで遷移。あと、半年の期間で見ると全アセットがプラスになっていることもわかる。今年に入って調子が良い感じか。
・・・。
ただ、ぱっと見の感想。
ゴールド働き過ぎでは・・汗。
3年のリターンの順に並べると、(金>株式>越えられない壁>日国債>仏国債>米国債)の順だから。今の相場の異常性が目視できる数字かも。
債券が血の雨ってところは、某グローバル5.5倍バランスファンドと同様。よくこのお荷物を支え切れてるなー。(債券と株式の比率が倍違うけど。)
評価的に仏国債が米国債よりもリスクが低い結果になっているのがちょっと意外。
あそこはマクロンの大将が中国べったり、ウクライナに派兵発言で色々お騒がせしてる記憶。今後を見据えて色々駆け引きをしているのだろうなって。このままだと戦後のイニシアチブ英国に持ってかれちゃうとか焦ってそうだし。
そもそも経済悪くなかったっけ?フランスって。
NATOのアジア圏連絡所を日本に作るのを反対したのもマクロンの大将だっけ。
うーむ。
わからんことは調べてみよう。
・・・。
国名 | 格付け |
---|---|
米国 | AAA |
ドイツ | AAA |
カナダ | AAA |
オーストラリア | AAA |
英国 | AA |
フランス | AA |
日本 | A+ |
中国 | A+ |
イスラエル | A+ |
直近はこんな感じ。特に順位的なものはなくて、評価が高そうなものを上から順に並べた。表に含めたのはG7で拾えるところと目に付いたいくつかの国。
やはりというか、フランスはドイツとかと比べると一段下の格付けになるみたい。(格付け会社の発表の資料によれば韓国よりも下だそうな・・。)
あと意外といったら失礼かもだけれど、イスラエルって日本と同じ位のレートになるのかーって。ハマスぬっころがす戦争してなかったら格付け上はもっと上だったりしたのかな。
・・・。
そして直近の課題に戻ると、仏国債大丈夫なのって話題。
腐っても国債だし、ドイツも腐ってた時期あったし、米国もアカン状態だから格付け下がっているわけで。このまま一生格付けが低いままなら問題かもだけれど。
短期で見ても仕方がないとは思いつつ、でも気にはなる訳で。
うーん。今のパフォーマンスを見ると、実は格付けが低い国債の方がダメージは少ない。そう考えた場合、ここでの評価は一国に集中せずに分散した効果が表れていると考えるべきで。
今だけを見て右往左往しない方がよいということなのかも。
そもそも格付けが重要ならジャップランドどーにかしれって話にもなる。組み入れ国の中ではジャップランドが格付け最下位なのだから。
欧州は今大きな変革の時期に来ていて、これからに注視しないといけないのだろうなって。それっぽい便利ワードでまとめ。
資産 | 資産上の 組入比率 (%) | 組入比率 の目標値 (%) | 資産を100で 計算した 組入比率 (%) |
---|---|---|---|
世界株式 | 79.0 | 80 | 27.260 |
現金など | (21.0) | ー | ー |
日本国債先物 | 32.8 | 35 | 11.318 |
米国国債先物 | 70.6 | 70 | 24.361 |
フランス国債先物 | 72.4 | 70 | 24.982 |
米国金先物 | 35.1 | 35 | 12.111 |
合計 | 289.8 | 290 | 100.032 |
これはウルトラバランス世界株式の資産構成比率。
マンスリーを読む限り、現金などは合計に含めない(ほぼ先物の証拠金だから?)ようなので、項目には入っているけれど、合計には含んでいない形になってる。
日本の国債がちょっとヘコんでるくらいで、大体の比率は維持できている感じに見えるかな。
で。
Who is that ETF?
主にトワナナさんがお待ちかね、ウルトラバランス世界株式の株式部分を構成するETFを調べるお時間。マッテター。
こっちだよこっち、こっちが気になって仕方がないのさ。
ACWVはiSharesだから、ブラックロックさんちかな?公式によれば、ええと・・。
どこも株価指数連動型のETFは説明がライトな印象。
名前の通り、値動きが小さく下落しにくい世界株式への投資を行えるよ、というETFみたいということは読み取れる。実績が2022年のデータに基づくあたり、ややチキン野郎であることも。
ふむり。
そいでもってパフォーマンスはというとこんな感じ。
あ、サブベンチマークはMSCI ACWIみたいだね。市場全体VS市場厳選低ボラの図式。
1年 (%) | 3年 (%) | 5年 (%) | 10年 (%) | 設定来 (%) | |
---|---|---|---|---|---|
Total Return | 5.31 | 2.54 | 4.85 | 6.98 | 8.23 |
Market Price | 5.15 | 2.51 | 4.80 | 6.96 | 8.21 |
Benchmark | 5.24 | 2.42 | 4.70 | 6.78 | 8.00 |
MSCI ACWI | 17.46 | 4.27 | 9.44 | 8.19 | 9.78 |
なんでベンチマークよりもリターンが高いんだよ!という突っ込みは入れたらいけないのだろうか。
上振れはまぁ、投資家が損しないからいいのかなぁ・・。うーん。大体こういう数字だとベンチマークの方が高いよね、経費とか加味しないから。
あとはサブベンチマークにMSCI ACWIを公式が持ってきているところを見ると、ボラティリティを抑えてこのパフォーマンスはどうよ(どやっ)ということだと思う。iSharesはどっちもETFで運用してるしね。
んー。
ぱっと見の数字は低いけど、10年で1.21%、設定来での差は1.55%か。ふむー。
年ごとのリターンの差に対しては随分パフォーマンス高いような。
気になるのはどこらへんの強みが出ているかで。
・・・。
さて調べようと、Portfolio Visualizerさんに登場願おうかと思ったものの。
気付くとUIが変わってしまって使い方を模索中。ぐぬう、なんとか2銘柄の比較はできそう・・。多機能化がスゴイので使いこなさないと。
むー。
ticker | funds name | overview |
---|---|---|
ACWV | iShares MSCI Global Min Vol Factor ETF | MSCI All-Country World Minimum Volatility Indexに 連動を目指す。潜在的にリスクの低い銘柄で全世界株式の ポートフォリオを構築。 |
ACWI | iShares MSCI ACWI ETF | MSCI All-Country World Equity Indexに連動を目指す。 全世界を対象とした株式で構成される。 |
とりあえずこの2つの比較でサマリーの数字を並べてみよう。期間は2014年から2024年、配当・・、あれ?配当再投資の設定がない。
・・・。
ええいもう、気にせずいってみヨーカドー。
ACWV | ACWI | |
---|---|---|
Start Balance | $10,000 | $10,000 |
End Balance | $19,577 | $22,176 |
Annualized Return | 6.95% | 8.29% |
Standard Deviation | 10.62% | 14.71% |
Best Year | 21.03% | 26.58% |
Worst Year | ▲10.34% | ▲18.37% |
Maximum Drawdown | ▲17.46% | ▲25.72% |
Sharpe Ratio | 0.55 | 0.52 |
Sortino Ratio | 0.81 | 0.78 |
Benchmark Correlation | 0.89 | 1.00 |
Best YearとWorst Year、Maximum Drawdownの数字を並べると、ACWVのボラティリティーを抑える仕組みが正しく機能していることがわかる。上よりも下方向に耐性が強め?
Sharpe RatioとSortino Ratioも数字的にはACWVの方が値がよいけど・・。これ、値動きよりは差が縮んでいるような?ボラティリティーは抑えるけれど、リスクとリターン観点での効率面ではそこまで差がないと読み解くべきかも。
つまり、リスクを抑えた分はリターンも減っちゃってるよねってこと。ただ、数字的にはACWVの方がよいので単純に落としたリスク分丸々損はしてないってこと。たぶん。
ちなみにSortino Ratioは下落方向のみの効率を数値化したものだそうな。
そいでもってやっぱりというか、Benchmark Correlationの値はACWVの方が悪い。ああ、やっぱり・・。インデックスファンドとしては赤点。(逆にACWIの方が満点とみるべきかな?)
・・・。
そうだ、これを忘れてた。結構スゴイんだよ。
Rank | Name | Sector | Weight (%) |
---|---|---|---|
01 | MERCK & CO INC | Health Care | 1.63 |
02 | WASTE MANAGEMENT INC | Industrials | 1.52 |
03 | WALMART INC | Consumer Staples | 1.52 |
04 | MOTOROLA SOLUTIONS INC | Information Technology | 1.51 |
05 | ROPER TECHNOLOGIES INC | Information Technology | 1.40 |
06 | CISCO SYSTEMS INC | Information Technology | 1.35 |
07 | MCKESSON CORP | Health Care | 1.28 |
08 | T MOBILE US INC | Communication | 1.27 |
09 | PEPSICO INC | Consumer Staples | 1.25 |
10 | REPUBLIC SERVICES INC | Industrials | 1.21 |
これはACWVの組み入れ上位10銘柄。
銘柄検索してみた感じ、マグニフィセント・セブンの面子ではMicrosoftのみ0.62%ほど保有していた。
うーん。
このポートフォリオを見て、「だからACWIよりも12%もリターンが低い」と考えるか、「これでACWIの88%のリターンを得られる」と考えるか。
たぶん、そういう事なのだろうなって。
What is the MSCI All Country World Minimum Volatility Index?
とりあえずACWVはACWIよりもボラティリティが低くて、その代わりリターンがちょっと落ちるETFだということはわかった。
次に気になるのはインデックスの組成で。
あー、MSCIさんちかー(遠い目。
・・・。
・・・。
・・・てい。
ざっくりまとめるとこんな感じ?(原文が英語なので間違っていたらごめんなさい。)
キモはBarra multi-factor equity modelだと思うのだけれど、今回はぎぶあっぷ。
むりー涙。
調べた範囲で感じたのは、このインデックスってRiskとかVolatilityというワードから値動きを小さく抑える戦略なのかなーって想像していた。
けれど、ドキュメントを読む限り、「最小分散」というワードが出てくる。
さいしょうぶんさん?
普段聞きなれない言葉だけれど。調べた感じでは効率的フロンティア上で最も少ない分散でのポートフォリオを指すらしい。
元々の設計が計算式でしかないので、どのインデックスを親にするかで意味合いは変わってくるのだと思う。それでも変わらない意味合いで考えると。
うーん。
Sharp Ratioみたいな、えーっと、リスクとリターン観点での効率性みたいな。リスク取り過ぎたらリターン安定しないよねって。リターン安定しないということは効率が悪いよねって。
効率を阻害する要素の中に最適ではない分散という考えもあるのかなって。
例えば銘柄数の上限を決め打ちしたり、平均という名のもとに全て詰め込もうとしたり。
平均であれば効率がよいといった意見もあるようだけれど、市場が常に効率的なわけではないから、その考えもある側面での見解に過ぎないと思う。(どちらかというと裁量取引の勝率と比較して上とか下とかの意味で使われていることが多い気もしなくはない。)
えー?でもMSCI ACWIの方がパフォーマンスいいじゃんかさーといえば。そりゃあ、みなさん大好きな巨大テック企業をアホみたいな比率で抱え込んでれば株価の数字はよくなるわけで。
それがもたらす結果として、株価が大きく下落してもよいひとはMSCI ACWIに連動するファンドを買えばよくて。
でも、世間には年金生活者や大きな価格変動を好まないひと達もいて。
そういった方々に別アセットの選択や、ポートフォリオ内での株式の比率を下げる以外の選択肢として。効率的なリターンを得るための計算を行う株価指数があるのは、よいのではないかなって。
この設計が一部で人気になるのもわかる気がする。
Impact of bond ratio on fund performance
最後にチャートとか眺めてゆるゆると締めよう。
実のところ、ウルトラバランス世界株式に似ているファンドは存在しない。(トワナナさん調べでは。)
そもそものポートフォリオの組成がオンリーワンに近いので、おおざっぱにファンド内の株式と債券の割合でバリエーションを揃えて金利が高いと債券ファンドは苦しいよねって図にすることに。
何となく結果はわかるけど、そこはお約束。
ファンド名 | 構成 | 概要 |
---|---|---|
ウルトラバランス 世界株式 | 株式27.6 債券60.4 金12.0 | 世界の株式および債券、金へ分散投資を行う。 債券と金への投資は先物取引を使用。 資金に対し290%相当の運用を行う。 株式に対する債券の比率は2.18倍。 |
セゾン・ グローバルバランス ファンド | 株式50 債券50 | 世界株式、債券への分散投資を行う。 バンガード社のインデックスFを運用に使用。 資産規模・実績・コストを考慮しFを厳選。 株式に対する債券の比率は等倍。 |
楽天・インデックス・ バランス・ファンド (均等型) | 株式50 債券50 | 世界株式および投資適格債券へ分散投資を行う。 バンガード社のインデックスFを運用に使用。 投資適格債券への投資には為替ヘッジを行う。 株式に対する債券の比率は等倍。 |
グローバル3倍3分法 ファンド | 株式20 債券66.7 REIT13.3 | 世界の株式およびREIT、債券へ分散投資を行う。 国内株式と国債への投資には先物取引を使用。 資金に対し300%相当の運用を行う。 株式に対する債券の比率は3.3倍。 |
グローバル5.5倍 バランスファンド | 株式18.2 債券72.7 REIT4.5 金4.5 | 世界の株式・REIT・債券・金への分散投資を行う。 株式および債券、金への投資には先物取引を使用。 資金に対し550%相当の運用を行う。 株式に対する債券の比率は3.99倍。 |
株式と債券の比率が等倍、2倍、3倍、4倍くらいの面子をラインナップ。
この倍率で揃えていても株価指数にレバレッジをかけたりするファンドは1本もないんだよね。ちょっと風評被害で気の毒になる。
※この記事のスクリーンショット画像はマネックス証券ホームページの画面をキャプチャしたものです。
これは3年の比較。2021年5月24日から2024年5月24日が対象。
こうなるよねー汗。
本当にセゾン・グローバルバランスファンドつよいなー。先日、マネックス証券さんで取り扱いが始まったので、これからバランスファンドのベンチマークになるのかなって。(世界経済インデックスファンドとの最終決戦がはじまるはじまる。)
楽天・インデックス・バランス・ファンドも比率は似ているのだけれど、債券の組成と、確かヘッジ付債券だったのが影響しているような気がする。このへんは時期にもよって得て不得手が出るのでどちらが良いとは思わないけれど。
3年というスパンで見ると、ポートフォリオ内の債券比率が低いほどパフォーマンスが高く、あと債券はヘッジが無い方が成績がよさそう。
これは1年の比較。2023年5月24日から2024年5月24日が対象。
驚くなかれ、この期間での集計では全ファンドがプラスで遷移している。
なんてこったい。
1位は変わらずにセゾン・グローバルバランスファンド、2位に楽天・楽天・インデックス・バランス・ファンド。
3年比較と異なり、グローバル3倍3分法ファンドが3位に付けてる。なんだろ?国内株式比率の高さが功を奏してたりするのかな?
グローバル3倍3分法ファンドの株式ポートフォリオは、先進国(日本を除く)・国内・新興国で均等保有する珍しい組成。たぶん、ドルコスト平均による積み立てなどで効力を強く発揮する。雑な表現だと逆張り味の強いポートフォリオ。
(流行の時価総額加重は高い株を高い時に大量に購入。安いものは極僅かか、そもそも買わないというルール。結果、時期によっては似たような傾向の株が集中し分散の効果が発揮されにくい。)
4位は我らのウルトラバランス世界株式。ドベがホーム・ポジションのグローバル5.5倍バランスファンドは5位。ファンド名に5の数字が入ってるからね、仕方ないね。
これは半年の比較。2023年11月24日から2024年5月24日が対象。
ここで奇跡が起こる。
1位はグローバル5.5倍バランスファンド、2位にウルトラバランス世界株式、3位セゾン・グローバルバランスファンド、4位グローバル3倍3分法ファンドと続く。最下位は楽天・インデックス・バランス・ファンド。
楽天・インデックス・バランス・ファンドは親会社の業績を真似しなくてもいいのに!!
何が起きてるのかわからないが、ありのまま起こったこと(ry。
1位と2位のファンドに共通しているのは債券比率が高いことだけれど、それなら4位のグローバル3倍3分法ファンドが落ち込んでいる理由がちょっとわかりにくい。(国内・新興国株か、REITに足を引っ張られた説もある?)
で。債券以外の上位ファンドに共通する要素で、思い当たるのがゴールドを保有している点。
そこまでの保有比率ではないのだけれど、もしかしたらくらいの話題。あと昨年末に債券大復活していた時期があったはずなので、そのリターンを受けての数字かも。
これは年初来の比較。2024年1月1日から2024年5月24日が対象。
なんで1ヵ月ちょい期間がズレるとこうなるの・・涙。
1位にセゾン・グローバルバランスファンドが返り咲き、2位にウルトラバランス世界株式、3位に楽天・インデックス・バランス・ファンド、4位にグローバル3倍3分法ファンド。
え?もちろんドベはあのファンドです。ええ、定位置ですから。ホーム・ポジションは譲らないという確固たる決意を感じる。(そんな決意いらんけど。)
最後は1ヵ月の比較。2024年4月24日から2024年5月24日が対象。
これまた怪しげな順位になりつつある感じ。
1位を守ったセゾン・グローバルバランスファンド、2位にはまさかのグローバル5.5倍バランスファンドが滑り込み。それを追う3位のグローバル3倍3分法ファンド。
うおおおおおっ!青い人しごとしれえええええっ!!
4位に微妙な立ち位置でフィニッシュの楽天・インデックス・バランス・ファンド。目論見書を読むとイイネ!ってなるのに。時代にマッチしない可哀そうなコ。
ドベは、俺たちの戦いはこれからだエンドのオチが付いたウルトラバランス世界株式。
・・・。
あかんかったかー。
うーん。
これを見たらあれだよね。
セゾン・グローバルバランスファンドを買っておけば(ry。
・・・。
という酷い結論はざぶーんしておき。
インフレ抑制に向けた各国中央銀行による高金利政策に暴落する債券と。地政学的な事情によるゴールドの価格上昇。そんな中で、様々なマルチアセット・ポートフォリオで組まれた投資信託の行く末をみることができるのは、たぶんとてもラッキーで。
フランス国債に懸念はありつつも、株式は非常にたのしげなETFを採用し、REITではなくゴールドをバランサーとして保有するウルトラバランス世界株式。ここからの波乱相場でどんな値動きをするのか、楽しみだなって。
そんな、ぼんやりした感想。
・・・。
おつかれさまでした。