ESGという言葉が流行っていた時期があった気がして。ええと、なんだっけ、それ?あー、たまごかけごはん、おいしいよねー。みたいなすっとぼけを続けて早いく年。
実は色々なところでレポートをみかけていて。ESG基準の指数は、ESG不採用の指数よりも高い成績が報告されていた。
えー、うそだー。みんなオールカントリーがいちばんって言ってるよー。信託報酬が安いからパフォーマンスがよくて、全世界に分散しているから投資先として最適だって。ESGとか今どきどの企業だって失敗だっていってるじゃないさー。
・・・。
今回は、TKGにどこか似ているようで1文字しか合ってない。噂のESGを加味すると、全世界株式のリターンがよさげって本当かなとか。たぶん、そんなお話。
Memo
グローバル5.5倍バランスファンド(1年決算型)20230520
基準価額:7,319円 / 前日比(円)-132円 / 前日比(%)-1.77% / 純資産総額100.29億円
項目 | 通貨ペア | 価格 | 52週範囲 |
---|---|---|---|
ドル円 | USD/JPY | 137.8780(JPY) | 126.3920 – 151.9370 |
ビットコイン | BTC/USD | 26,861.53(USD) | 15,599.05 – 32,249.86 |
イーサリアム | ETH/USD | 1,812.37(USD) | 896.11 – 2,137.45 |
リップル | XRP/USD | 0.464316(USD) | 0.290579 – 0.580400 |
ステラルーメン | XLM/USD | 0.088904(USD) | 0.070841 – 0.152902 |
※為替はそこまでご利用が無いので、暗号通貨も混ぜています。
項目 | 指数 | 数値 | 52週範囲 |
---|---|---|---|
米国株式 | CRSP US Total Market Index | 3,009.75 | 2,590.36 – 3,145.23 |
S&P500 | S&P500 Index | 4,191.98 | 3,491.58 – 4,325.28 |
NASDAQ | NASDAQ Composite Index | 12,657.90 | 10,088.83 – 13,181.09 |
英国株式 | FTSE 100 Index | 7,756.87 | 6,707.62 – 8,047.06 |
独国株式 | DAX Index | 16,275.38 | 11,862.84 – 16,331.94 |
日本株式 | TOPIX Index | 2,161.69 | 1,808.77 – 2,171.37 |
※ETFにするとマーケットプライスになるので、指数で扱えるものは指数でメモしています。
項目 | ETF | 価格 (USD) | 52週範囲 (USD) |
---|---|---|---|
先進国株式 (除く米国) | Vanguard Developed Markets Index Fund ETF Ticker:VEA | 46.40 | 35.42 – 46.73 |
新興国株式 | Vanguard Emerging Markets Stock Index Fund ETF Ticker:VWO | 39.89 | 34.88 – 44.29 |
米国短期国債 | SPDR Portfolio Short Term Treasury ETF Ticker:SPTS | 29.06 | 28.63 – 29.72 |
米国中期国債 | SPDR Portfolio Intermediate Term Treasury ETF Ticker:SPTI | 28.67 | 27.55 – 30.10 |
米国長期国債 | SPDR Portfolio Long Term Treasury ETF Ticker:SPTL | 29.51 | 26.87 – 34.71 |
金 | SPDR Gold Shares Ticker:GLD | 183.64 | 150.57 – 191.36 |
コモディティ | iShares S&P GSCI Commodity-Indexed Trust ETF Ticker:GSG | 19.25 | 18.65 – 26.49 |
※こちらは情報の扱いが難しいため、数字の取り易いETFでメモしています。
Be careful
この記事で書かれている内容はトワナナさんの感想です。間違いがないよう注意を払っておりますが、それでも事実と異なる内容が含まれているかも知れません。また、特定の商品をお勧めする意図などはありません。(詳しくは、免責事項とPrivacyPolicyを参照下さい。)
「そうなんだー」くらいの肩の力を抜いた状態で、たのしんでいただければ幸いです。
What is ESG?
ここで重大なお知らせを挟むと、SDGsと間違えてました。
ん?
いや、ESGを投資に持ち込んだものがあって、それのパフォーマンスがうんたらすんたらというのは間違っていなくて。
ESGってなんだったっけって。
そのあたりの記憶を辿ってみたら、「いや、それSDGsだし」みたいな事実確認が行われてたってお話。主にトワナナさんの頭の中で。
ESGとSDGsってなあに?
ESGとは、Environment(かんきょう)・Social(しゃかい)・corporate Governance(かんり)の略称。企業の持続可能性を評価する基準。
SDGsとは、Sustaniable(いじできる)・Development(かいはつ)・Goals(もくひょう)の略称。社会的な持続可能な開発目標。
ふむり。
つまり、「こんな感じの経営してる会社は長持ちしそう」みたいな物差し。たぶん。
というわけで、ESGのことがわかったところで。投資とESGってどうつながるのさって部分。
わかり易いところでESG基準を持ち込んだ指数があって。MSCI ACWIのESG版、MSCI ACWI ESG Leaders INDEXとかがあるみたい。
What is MSCI ACWI ESG Leaders Index?
あー。
公式の資料読み始めると2週間コースになるので、今回はファクトシートあたりの情報で簡単に。原文は英語になるので、翻訳を間違えていたらごめんなさい。
MSCI ACWI ESG Leaders INDEXとは
・ESG基準に基づきMSCI AWCI指数から選定された企業のパフォーマンスを表すために設計
・浮動株調整後の時価総額加重指数
・インデックスはMSCI ACWIインデックスから派生
・MSCI ACWIのセクターウェイトを反映するセクターウェイトを達成することを目的とする
・先進国23カ国、新興市場国24カ国の大型株と中型株で構成
ざっくりとこんな感じみたい。
つまり基本はMSCI ACWIで、ESG基準というフィルタをもう一枚重ねているよ的なことかも。
MSCI ACWIに関しては、以前記事を書いていたのだけれどメンテ中なので。気になる方はMSCIさんちで調べてみて下さいな。
ええと、パフォーマンスとか、ちょっと数字的な情報もあったので。
指数 | 1ヵ月 (%) | 3ヵ月 (%) | 1年 (%) | 年初來 (%) | 3年 (%) | 5年 (%) | 10年 (%) | 設定来 (%) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
MSCI ACWI ESG Leaders | 1.23 | 1.77 | 1.74 | 9.31 | 12.05 | 7.87 | 8.57 | 6.19 |
MSCI ACWI | 1.48 | 1.72 | 2.59 | 9.04 | 12.56 | 7.56 | 8.47 | 5.66 |
あらま。もう10年以上計算してたんだ。MSCI ACWI ESG Leaders INDEXと、MSCI ACWIのパフォーマンス比較はこんな感じ。
割と接戦?設定来ではMSCI ACWI ESG Leaders INDEXが上になってる。10年、5年と同じ結果なのに、3年だと結果が逆転するのが興味深い。
指数 | 組み入れ銘柄数 | Weight 大型(%) | Weight 小型(%) | Weight 平均(%) | Weight 中央値(%) |
---|---|---|---|---|---|
MSCI ACWI ESG Leaders | 1,138 | 7.09 | 0.00 | 0.09 | 0.03 |
MSCI ACWI | 2,884 | 4.44 | 0.00 | 0.03 | 0.01 |
組み入れ銘柄の属性は意外とわかり易い違いが出ている。
ESG基準のフィルタを通すと、MSCI ACWIから半分以上、上の数字だと約61%の企業が脱落。結果、大型の企業の比率があがる。たぶん、パフォーマンスの差異はこのあたりから出ていそうにも。
Country | Index Weight (%) | Parent Index Weight (%) | Sector | |
---|---|---|---|---|
MICROSOFT CORP | US | 7.09 | 3.58 | Info Tech |
NVIDIA | US | 2.23 | 1.12 | Info Tech |
ALPHABET A | US | 2.09 | 1.06 | Comm Srvcs |
ALPHABET C | US | 1.93 | 0.98 | Comm Srvcs |
TESLA | US | 1.44 | 0.73 | Cons Discr |
JOHNSON & JOHNSON | US | 1.40 | 0.70 | Helth Care |
TAIWAN SEMICONDUCTOR MFG | TW | 1.31 | 0.66 | Info Tech |
VISA A | US | 1.24 | 0.62 | Info Tech |
PROTECTER & GAMBLE CO | US | 1.21 | 0.61 | Cons Staples |
MASTER CARD A | US | 1.06 | 0.54 | Info Tech |
TOTAL | 21.00 | 10.60 |
組み入れ企業上位10社で気になるのはAppleの姿が消えていること。結構そういったところ気にしてそうな企業なのに何でだろう。流石にトップ10以下には入っているとは思うけれど。
電池を使っているという点ではTESLAはランクインしているし。むー。
ちょいと面倒だけれど、MSCI ACWIの組み入れ企業上位10社も拾ってこよう。
ええと、公式に・・。
・・・。
こうかな?
Country | Index Weight (%) | Parent Index Weight (%) | Sector | |
---|---|---|---|---|
APPLE | US | 4.44 | ー | Info Tech |
MICROSOFT CORP | US | 3.58 | ー | Info Tech |
AMAZON.COM | US | 1.59 | ー | Cons Discr |
NVIDIA | US | 1.12 | ー | Info Tech |
ALPHABET A | US | 1.06 | ー | Comm Srvcs |
ALPHABET C | US | 0.98 | ー | Comm Srvcs |
META PLATFORMS A | US | 0.89 | ー | Comm Srvcs |
EXXON MOBIL CORP | US | 0.80 | ー | Energy |
UNITEDHEALTH GROUP | US | 0.76 | ー | Health Care |
TESLA | US | 0.73 | ー | Cons Discr |
TOTAL | 15.95 |
あー、うん。やっぱりこっちにはApple入ってるよね。
ということは・・。
んー。並べてみるとこう。
MSCI ACWI ESG Leaders (%) | MSCI ACWI (%) | |
---|---|---|
MICROSOFT CORP | 7.09 | 3.58 |
APPLE | ー | 4.44 |
NVIDIA | 2.23 | 1.12 |
ALPHABET A | 2.09 | 1.06 |
ALPHABET C | 1.93 | 0.98 |
AMAZON.COM | ー | 1.59 |
TESLA | 1.44 | 0.73 |
JOHNSON & JOHNSON | 1.40 | ー |
TAIWAN SEMICONDUCTOR MFG | 1.31 | ー |
VISA A | 1.24 | ー |
PROTECTER & GAMBLE CO | 1.21 | ー |
MASTER CARD A | 1.06 | ー |
META PLATFORMS A | ー | 0.89 |
EXXON MOBIL CORP | ー | 0.80 |
UNITEDHEALTH GROUP | ー | 0.76 |
TOTAL | 21.00 | 15.95 |
比較だと約24%くらい、MSCI ACWI ESG Leaders INDEXの方が上位銘柄の比率が高い。特にMICROSOFTの比率が倍近い。これがセクターウェイトの維持による影響なのかな。
ESGスコアを見てみないと詳しいことはわからないけれど。
Appleと同じようにAMAZONもMSCI ACWI ESG Leaders INDEXトップ10から落ちているところからみると、小売業にはキビシイ基準があるの?流通やリサイクルの基準とかで。ネットで検索するとAppleはESGへちゃんと取り組んでいるって記事がちらほら見つかっていたのに・・。(ただ、あるスコアによると48位?あたりにランクインしてて。米国企業は結構ボロボロだった。)
でもって。VISAとMASTER CARDが入っているのにUNITEDHEALTHは落ちるという結果・・。
金融云々は関係なくて、企業の経営次第ということ。とか。VISAとMASTER CARDは区分上、FinTechになりそうだから保険屋のUNITEDHEALTHとは事情が違うのかもだけれど。
もう少し、このあたりは勉強しないとだ。
All right, then war!
ESG基準フィルタをかければ、パフォーマンスが良さげなことは何となくわかった。
でも、投資できなかったら意味がないよねって。
うはは。あるに決まってるじゃないかー!!(←眠くてあたまおかしい。
最後はお約束のチャート比較で勝敗を決めようじゃないか。
・・・。
何となくスクリーミングしてみたら、結構ESG関係のファンドが運用されていて。その中では大和さんちのコが良さげだったので、今回のESG担当は大和さんにお任せ。
他の枠はそれぞれ特徴のある全世界株式ファンドをピックアップ。
勝負だー。
ファンド名 | 基準価格 | 純資産総額 (百万円) | 特徴 |
---|---|---|---|
iTrust世界株式 | 22,476 | 6,429 | 世界的なブランド力、高い優位性を持つ企業に投資。 |
iFree全世界ESGリーダーズ・インデックス | 11,218 | 185 | MSCI ACWI ESG Leaders指数(円ベース)に連動を目指す。 |
eMAXIS Slim全世界株式(3地域均等) | 15,139 | 7,509 | TOPIX、MICIコクサイ・インデックス、MSCIエマージング・マーケット・インデックスを均等保有。 |
eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー) | 17,998 | 1,078,392 | MSCI ACWI(配当込み・円換算ベース)に連動を目指す。 |
<購入・換金手数料なし>ニッセイ世界株式ファンド (GDP型バスケット) | 15,509 | 1,470 | 名目GDP総額の比率に基づき、国内・先進国・新興国株式への投資比率を決定、運用を行う。 |
純資産総額の差が、投資結果の決定的な違いでないことを見せちゃるー。
いってみヨーカドー。
※この記事で掲載しているスクリーンショット画像はマネックス証券ホームページの画面をキャプチャしたものです。
でん。
これは全期間。
運用期間が長い方が有利な数字になるので、ここだとトップのiTrust世界株式が有利な数字。国内だとマイナー扱いだけれど、運用を行うピクテさんは古き由緒ある運用会社さん。
全体の傾向としてはコロナのショックを境目に大きく上昇しているのかな。2位にeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)、続いてニッセイ世界株式ファンド(GDP型バスケット)、eMAXIS Slim全世界株式(3地域均等)。
どべは運用期間が最も短いiFree全世界ESGリーダーズ・インデックス。
これは3年。
eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)がトップを奪取して強さを見せる。たぶん、このあたりの数字でオルカン教徒さんが量産されたようにも。
2位にiTrust世界株式、3位は1ランクアップしてきたeMAXIS Slim全世界株式(3地域均等)。4位と5位は前回と変わらず。ニッセイ世界株式ファンド(GDP型バスケット)はGDP比率の強みを生かせず。
これは1年。
不況に強いiTrust世界株式が1位を奪還。今回も1ランクアップしてきたeMAXIS Slim全世界株式(3地域均等)が2位につける。
3位は前回のトップから転げ落ちたeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)、続く4位は定位置を脱したiFree全世界ESGリーダーズ・インデックス。
ニッセイ世界株式ファンド(GDP型バスケット)は遂に最下位。確かGDP世界2位のお国が景気回復で投資チャンスとか、金融屋さんが揃ってオススメされてませんでしたっけ?あれー?へんだなー。
これは半年。
コツコツとランクアップしてきたeMAXIS Slim全世界株式(3地域均等)がついにトップを奪取。お米の国とフロンティアが意地を見せる勝負相場。
2位はiFree全世界ESGリーダーズ・インデックス、3位は前回と変わらずeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)。前回1位のiTrust世界株式は4位まで下落。不況に強いって言ったくせにー、ウソつき―涙。
最下位は・・。はい。
最後は直近1ヵ月。
iFree全世界ESGリーダーズ・インデックスがトップを奪取。ちょっとマンガっぽい展開でにっこり。2位はおしくも首位を守れずeMAXIS Slim全世界株式(3地域均等)。
3位にeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)、4位iTrust世界株式、5位ニッセイ世界株式ファンド(GDP型バスケット)でおしまい。
Because it’s not the best of all
先のチャートを眺めていて。期間を区切ってみてみると、面白い傾向があるなって。
どうしてニッセイ世界株式ファンド(GDP型バスケット)の成績が振るわないのだろうとか、eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)の順位が3位まで落ちてしまうのだろうかとか。eMAXIS Slim全世界株式(3地域均等)が好成績を出し始めているのだろうとか。
ここ最近、何故iFree全世界ESGリーダーズ・インデックスのパフォーマンスがよいのか、とか。
どうしてグローバル5.5倍バランスファンドは救われないのかとかも。とかも。
色々考えてみると、面白いよね。
おつかれさまでした。