eMAXIS Slim全米株式はバリューとグロースの比率がイイ加減、誰にでもわかる例えならそれはシュウマイ弁当。

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む。eMAXIS Slim全米株式の採用する指数って、CRSP US Total Market Indexじゃないの?目論見書とかにはMSCI USAインベスタブル・マーケット指数(配当込み、円換算ベース)に連動を目指すって書かれている。

はてな?

たしか、MSCIのInvestable Market Indexシリーズって、バンガード社のセクターETFにも採用されてなかったっけ。(←セクターETFまにあ。

んー。

そいえば当たり前というか、それが普通になってしまっていて忘れていた。米国株式というとS&P500とNASDAQ100いう有名な指数があって。でもそれ以外というと、アクティブ系かETFを直接買い付けるタイプのファンドが多くて。

意外と全米という枠を指数で扱うファンドってなかったのかもって。

・・・。

今回は、MSCI Investable Market Indexを採用するeMAXIS Slim全米株式ってなんじゃらほい?って。あーうん。プリンってなめらかじゃない方が落ち着くよね。シャッター商店街みたいな手遅れ感に似たむなしさ的な。そんなお話。たぶん。

(記事は2023年9月6日に着手したもので、一部話題が古いです。ごめんなさい。)

Memo

グローバル5.5倍バランスファンド(1年決算型)20230917
基準価額:6,824円 / 前日比(円)+121円 / 前日比(%)+1.81% / 純資産総額104.07億円

項目通貨ペア価格52週範囲
ドル円USD/JPY147.8350(JPY)127.2540 – 151.9370
ビットコインBTC/USD26,589.33(USD)15,599.05 – 31,814.52
イーサリアムETH/USD1,637.50(USD)1,081.14 – 2,137.45
リップルXRP/USD0.501281(USD)0.321628 – 0.887511
ステラルーメンXLM/USD0.118963(USD)0.070841 – 0.183018
為替と通貨の一覧

※為替はそこまでご利用が無いので、暗号通貨も混ぜています。価格の下のマーカーは1年前の価格に対しての状態を色分けしています。赤いマーカーは上昇、青いマーカーは下降になります。

項目指数数値52週範囲
米国株式CRSP US Total Market Index3,198.152,590.36 – 3,321.77
S&P500S&P500 Index4,450.323,491.58 – 4,607.07
NASDAQNASDAQ Composite Index13,708.3410,088.83 – 14,446.55
英国株式FTSE 100 Index7,711.386,707.62 – 8,047.06
独国株式DAX Index15,893.5311,862.84 – 16,528.97
日本株式TOPIX Index2,428.381,815.30 – 2,438.02
主要株価指数一覧

※ETFにするとマーケットプライスになるので、指数で扱えるものは指数でメモしています。52週範囲は約1年間の値幅の範囲を表します。1年間の範囲に対して現在の価格がどの位置にいるのかなどの確認に使えます。

項目ETF価格
(USD)
52週範囲
(USD)
先進国株式
(除く米国)
Vanguard
Developed Markets Index Fund ETF
Ticker:VEA
45.7235.42 – 47.81
新興国株式Vanguard
Emerging Markets Stock Index Fund ETF
Ticker:VWO
40.5440.50 – 40.74
米国短期国債SPDR Portfolio
Short Term Treasury ETF
Ticker:SPTS
28.7028.69 – 28.72
米国中期国債SPDR Portfolio
Intermediate Term Treasury ETF
Ticker:SPTI
27.7327.55 – 29.40
米国長期国債SPDR Portfolio
Long Term Treasury ETF
Ticker:SPTL
27.3326.87 – 31.67
SPDR Gold Shares
Ticker:GLD
178.34150.57 – 191.36
コモディティiShares
S&P GSCI Commodity-Indexed Trust ETF
Ticker:GSG
22.8118.65 – 23.15
アセット別ETFの価格一覧

※こちらは情報の扱いが難しいため、数字の取り易いETFでメモしています。数字は手打ちになりますので、間違っていたらごめんなさい。参考程度に見て下さい。

Be careful

この記事で書かれている内容はトワナナさんの感想です。間違いがないよう注意を払っておりますが、それでも事実と異なる内容が含まれているかも知れません。また、特定の商品をお勧めする意図などはありません。(詳しくは、免責事項とPrivacyPolicyを参照下さい。)

「そうなんだー」くらいの肩の力を抜いた状態で、たのしんでいただければ幸いです。

What is eMAXIS Slim US stock?

えーっと、プレスリリースだとちょっと物足りないので、EDINETあたりで情報を拾ってみる。

・・・。

あれ?ああ、あった。

届け出はプレスリリースと同じ日、2023年8月30日になってる。

有価証券届け出書から読み取れるのはこんな感じ?

eMAXIS Slim全米株式とは

・MSCI US Investable Market Index(配当込み・円換算ベース)に連動を目指す
・商品分類(追加型、海外、株式、インデックス型)
・属性区分(投資信託証券(株式一般)、決算年1回、北米、ファミリーF、為替ヘッジなし)
・信託期間は無期限、信託報酬は純資産総額に対して年率0.09372%

株価指数連動型の投資信託なので例によって例の如く、目論見書あたりの情報には特にこれといって目立つ項目は無さげ。

今のところ販売会社は3つ予定しているって書いてある。

SBI証券、楽天証券、マネックス証券。この中でマネックス証券のみ、2023年9月22日より取り扱いを開始しますって書いてあるから、SBI証券と楽天証券が先行して9月15日あたりから取り扱い開始って感じなのかな。

三菱UFJ国際投信株式会社さんは影響力大きそうだから、松井さんやauカブコムさんにも年内には取り扱いが始まりそうな気もするけれど。

あとは・・、定款の変更に関しても記述がある。これはホームページでも書いてあった気がするけれど。商号が「三菱UFJ国際投信株式会社」から「三菱UFJアセットマネジメント株式会社」に変更するよーって書いてある。2023年10月1日付けだそうな。

What is MSCI US Investable Market Index?

で。インデックスの中身を知りたければインデックス・プロバイダーに行けってお話。

気が乗らないけれど、MSCIでドキュメントを探してみる。

はぁ。

ええーっと。これかな?

・・・。

・・・。

なんかこの上の2行の間に、10日くらいかかったけれど。

つらい・・涙。

うん、でも何となくわかったぞ。

原文は英語なので翻訳を間違えていたらごめんなさい。(そんな風なのねー、くらいに捉えてもらえると良さげです。

MSCI US Investable Market Indexとは

・MSCI US Investable Market IndexはMSCI US Equity Indexのいちぶ
・米国株式市場の大型株、中型株、小型株セグメントのパフォーマンスを測定するのが目的
・大型株(300)と中型株(450)と小型株(1750)の合計2500銘柄くらい
・米国株式ユニバースの98%くらいを占める
・Indexの見直しは5月末と11月末に行う
・バッファゾーンを設けることで、時価総額の見直し時にインデックス間の移動を緩和する
・スタイルセグメンテーションを持ち、証券をValue IndexとGrowth Indexに分類する
・スタイルは4つに分類される(Value and Non-Growth / Growth and Non-Value / Value and Growth / Non-Value and Non-Growth)
・証券のウェイトには浮動株調整構成銘柄ウェイトを用いる
・インデックス内にValue IndexとGrowth Indexを内包する
・Value IndexとGrowth Indexのどちらか50%に到達したら、残りはいい感じに詰め込む

という感じかな?

ACWIとは書いているひとが違うのか、こっちの方が全然読みやすかったかも。

ええと。まず全体感から。

MSCI US Equity Indexの全体感

MSCI US Equity IndexというのがMSCIの米国株式インデックスのひとつで、異なる複数のインデックスを共通のルールベースで定義している。US Equity Universeを作って派生させている感じかな。このあたりの設計はCRSPとか、S&P Dow Jones Indexあたりも同じ気がする。(図は適当な手書きなのでサラっと流してくんさい。

MSCI US Investable Market Indexは、上の画像だとInvestable Market 2500に該当するみたい。

ほいでもって。

ちょっとおもろいのがスタイルセグメンテーション。

これ、計算時にZスコアなるものを計算していて。んー。分布チャートみたいな感じと表現するとわかりやすいかな・・。

その証券(企業ネ)がバリュー寄りなのか、グロース寄りなのかを数字化する。2軸なので当然「めっちゃグロース」や「めっちゃバリュー」もあれば、「どっちでもないなー」だったり、「めっちゃグロースでもあり、ややバリュー」という分類にもなるみたい。

で。MSCI US Equity Indexのインデックス構築にはスタイルセグメンテーションを反映させるためのインデックス内インデックス的な概念があって。

グロース用インデックスと、バリュー用インデックスをくっつけて、1つのインデックスとして扱うのかな。たぶん。(ちょびっと自信ない。

実際のインデックスの構築時には「めっちゃ」なのか「そこそこ」なのかのスタイルの評価と、証券の時価総額が加味されて、総合的にスコアが高いものほど先に該当インデックスに放り込んでいく。

そうすることで、バリュー用インデックスにはバリュー寄りな証券が多く配置され、グロース用インデックスにはグロース寄りな証券が多く配置される。

だから残りを適当にやっても何となくいい感じになるでしょ?みたいなことが書いてあった。

トワナナさんが読み間違えているかもだけれど。

この2つのバリューとグロースのインデックスを「できるだけ」同比率で時価総額ごとに3つのインデックス(大型・中型・小型)で組み立てて、合体させたのがMSCI US Investable Market Index?みたいな感想。

つまり、大型株のインデックス(バリュー用インデックスとグロース用インデックスで構成)と、中型株のインデックス(バリュー用インデックスとグロース用インデックスで構成)と、小型株のインデックス(バリュー用インデックスとグロース用インデックスで構成)をつなげるとMSCI US Investable Market Indexが完成だー風。

あと。銘柄数は固定って書いてあるように読めた。

ふむー。CRSPとの差はこのあたりなのかも。

検索してたらファクトシートも見つかったから、記載されていたインデックスの成長リターンを表にしてみるとこう。

Index1ヵ月
(%)
3ヵ月
(%)
1年
(%)
年初来
(%)
3年
年率
(%)
5年
年率
(%)
10年
年率
(%)
設定来
年率
(%)
MSCI US Investable
Market 2500
▲1.938.6015.0118.2710.0310.3912.3410.24
MSCI US Broad Market▲1.948.5914.9618.2310.0310.3712.3310.25
MSCI World IMI▲2.507.1315.3215.678.808.319.109.10
MSCI US Investable Market Indexのパフォーマンス・成長リターン(2023年8月31日付け)

いちばん上はわかるとして、2番目のMSCI US Broad Marketはというと。上の図にもあったMSCI US Investable MarketにMicro Capを足したもの。つまり米国の大型から超小型株を全部ひっくるめたインデックス。(投資可能な株式を全部入れているようなイメージに近いのかも。)

最下段のMSCI World IMIは、MSCI World Investable Market Indexのこと・・かな?あっていれば先進国の大型から小型までの株式で作ったインデックス。

うーん。そう考えると・・。

先進国株式で充分、米国オンリーと張り合えそうにも。あいや、それだけ米国の比率が高いのかな。

ええと・・・。

調べた感じだと、MSCI World IMIの米国比率は2023年8月末現在で68.83%。7割米国かー。でもMSCI World IMIには日本も入ってるから、ACWIよりは好みかも。

・・・。

設定来年率10%越え。米国の株式市場に過剰な期待が出てくるのもわかる数字。

Okay, then it’s war.

と。

ここでいつものようにETFでチャート比較をしようとしたら、ない!探しているのだけれど指数を採用したETFが見当たらないよ!!

うおおおおお。

ううーん。探し方が悪いのかなぁ・・。

そーいえば、eMAXIS S&P500クオリティ高配当インデックスが連動を目指す指数も、グローバルXさんのGlobal X S&P 500クオリティ・ディビデンドETF(ティッカーQDIV)しか採用ETF無いし。

もしかして、三菱UFJアセットマネジメント社内に相当なインデックス・マニアがいるんじゃないのか説。ソーニチガイナーイ。

他社と被ったら負け的なポリシーで。とかはまぁ、割とまともな方針な気もするけれど。他社では買えない商品を自社でだけ扱っていれば、それは長所だよね。

大和さんちのiFreeNEXT FANG+インデックスとかも、組成は難しくなさそうなのに(10社の株を買えばいいだけだし。。)他社は全然追従しないから国内独占になってるし。

eMAXIS Slim全米株式も、国内でのMSCI US Investable Market Index初採用インデックスだったりするのかな。ETFが存在しないってことは、運用に困ってもETFを購入して凌げないってことで。2500銘柄を揃えるか、それに連動するデリバティブを用意しないといけない都合、労力的には結構大変なようにも。

いちおう、MSCI US Large Cap Valueとか、MSCI US Large Cap Growthとかで検索すると、お名前がチラホラと出てくるので何かしらの手段はあるのかも。ETFは見当たらないけれど。

ぬぬう。

・・・。

わかった!じゃあ、こんなので比較してみよう。

tickerfund nameoverview
VUGVanguard Growth ETFCRSP US Large Cap Growth Indexに連動を目指す。
米国グロース大型株でポートフォリオを構築。
VTVVanguard Value ETFCRSP US Large Cap Value Indexに連動を目指す。
米国バリュー大型株でポートフォリオを構築。
VVVanguard Large-Cap ETFCRSP US Large Cap Indexに連動を目指す。
米国大型株でポートフォリオを構築。
チャートで比較するETFの一覧

そんでもって組み合わせはこんな感じ。

グロースとバリューの比率を比べ隊

 Vanguard Growth ETF(VUG100%)
 Vanguard Growth ETF and Vanguard Value ETF(VUG50%+VTV50%)
 Vanguard Large-Cap ETF(VV100%)

青いグラフが米国のグロース大型株のみ、赤いグラフが米国のグロースとバリュー大型株の均等、黄色いグラフが米国のグロースとバリュー大型株の複合(比率不定)を2005年から2023年で比較。

たぶん、MSCI US Investable Market Indexはスタイルセグメンテーションが特色の1つだから、グロースとバリューの比率で比較すれば何か見えるかも。仮想で、赤がMSCI US Investable Market Indexで、黄色が一般的な米国株(VTIみたいな)、青はおまけ。VTVが単体でないのは、そりゃーバリューのみだと結果が見えてるからってことで。

ここから下に掲載しているスクリーンショット画像はSilicon Cloud Technologies社Portfolio Visualizerの画面をキャプチャしたものです。

いってみヨーカドー。

VUGのみと、VUGとVTVと、VVのチャート比較

ざっくり18年間の運用で、米国株式のパフォーマンスを見ているような感じだとして。一括100万円投資していたらグロース大型株のみなら6.9倍、グロースとバリュー大型株の均等なら5.7倍、グロースとバリュー大型株の複合(比率不定)なら5.4倍くらい。

20年未満で資産が5倍なら全然よい成績。このへんは流石米国株という感じ。

ん?

グロース大型株のみのVUGがパフォーマンスがいちばんなのは想像通りだったけれど、グロースとバリュー大型株の均等はグロースとバリュー大型株の複合(比率不定)よりもちょこっと成績がよい。

これって案外、MSCI US Investable Market Indexを採用したETFとか出てきたらVTIとかを上回ったりするの?

VUGのみと、VUGとVTVと、VVのインカム比較

こっちはインカムの数字。青グラフがグロース大型株のみなので、2020年あたりから下向きに傾斜し始めるの興味深いかも。評価額は反対に2020年からぐいぐい上がってるのに。配当率が株価に追いつかない感じなのかな。

赤と黄色のグラフが2020年後もがんばって上げてるのは、配当率が上がっているって意味になるんだよね。むむ?

・・・。

運用が始まったばかりなので、アレよりも上だとか下だとかはわからんちだけれど。eMAXIS Slim全米株式は他の米国株式よりも、ちょこっとだけパフォーマンスに期待出来たりするかも知れない。

なんて。ぼんやりした調査結果でおしまい。

決算とか、月次レポートとか、きになるきになる。

おつかれさまでした。

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