レバライズ!SMTAM S&P500戦略ファンド(株価水準レバレッジ比率調整型)の2024。

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ファンドは1月に1周年を向かえたのかな?設定当初も記事にしていたのだけれど、そろそろどんな感じになっているか気になって再度記事にすることに。

以前の記事はリライトする体力がないので新たに書くよ。

そうそう、運用が始まった当時は今一つわからなかった仕組みも、マンスリーレポートやらを見て色々わかってきたんだ。

このファンドは本当に面白い作りだと思う。(あと、愛称のレバライズがカッコいい。)

NISA口座で購入できないからいらないコなんて勿体ない!

・・・。

今回は、米国市場株価急騰で真価が問われるカウントダウン。SMTAM S&P500戦略ファンド(株価水準レバレッジ比率調整型)の明日はどっちだー的な。実は気になって気になって仕方がないシリーズ第二弾のお話。たぶん。

Memo

グローバル5.5倍バランスファンド(1年決算型)20240304
基準価額:7,732円 / 前日比(円)+105円 / 前日比(%)+1.38% / 純資産総額131.28億円

項目通貨ペア価格52週範囲
ドル円USD/JPY149.9330(JPY)129.6740 – 151.9030
ビットコインBTC/USD63,879.03(USD)19,628.25 – 63,913.13
イーサリアムETH/USD3,520.25(USD)1,378.53 – 3,527.34
リップルXRP/USD0.631400(USD)0.352473 – 0.887511
ステラルーメンXLM/USD0.136561(USD)0.074778 – 0.183018
為替と通貨の一覧

※為替はそこまでご利用が無いので、暗号通貨も混ぜています。価格の下のマーカーは1年前の価格に対しての状態を色分けしています。赤いマーカーは上昇、青いマーカーは下降になります。

項目指数数値52週範囲
米国株式CRSP US Total Market Index3,692.312,754.29 – 3,694.09
S&P500S&P500 Index5,137.083,808.86 – 5,140.33
NASDAQNASDAQ Composite Index16,274.9410,982.80 – 16,302.24
英国株式FTSE 100 Index7,682.507,206.82 – 7,974.40
独国株式DAX Index17,735.0714,458.39 – 17,816.52
日本株式TOPIX Index2,709.711,910.60 – 2,722.42
主要株価指数一覧

※ETFにするとマーケットプライスになるので、指数で扱えるものは指数でメモしています。52週範囲は約1年間の値幅の範囲を表します。1年間の範囲に対して現在の価格がどの位置にいるのかなどの確認に使えます。

項目ETF価格
(USD)
52週範囲
(USD)
先進国株式
(除く米国)
Vanguard
Developed Markets Index Fund ETF
Ticker:VEA
49.2041.48 – 49.22
新興国株式Vanguard
Emerging Markets Stock Index Fund ETF
Ticker:VWO
41.5737.46 – 43.10
米国短期国債SPDR Portfolio
Short Term Treasury ETF
Ticker:SPTS
28.8928.58 – 29.44
米国中期国債SPDR Portfolio
Intermediate Term Treasury ETF
Ticker:SPTI
28.1427.01 – 29.40
米国長期国債SPDR Portfolio
Long Term Treasury ETF
Ticker:SPTL
27.8224.47 – 31.60
SPDR Gold Shares
Ticker:GLD
192.89168.30 – 193.40
コモディティiShares
S&P GSCI Commodity-Indexed Trust ETF
Ticker:GSG
21.3518.65 – 22.95
アセット別ETFの価格一覧

※こちらは情報の扱いが難しいため、数字の取り易いETFでメモしています。数字は手打ちになりますので、間違っていたらごめんなさい。参考程度に見て下さい

Be careful

この記事で書かれている内容はトワナナさんの感想です。間違いがないよう注意を払っておりますが、それでも事実と異なる内容が含まれているかも知れません。また、特定の商品をお勧めする意図などはありません。(詳しくは、免責事項とPrivacyPolicyを参照下さい。)

「そうなんだー」くらいの肩の力を抜いた状態で、たのしんでいただければ幸いです。

What is SMTAM S&P500 Strategic Fund?

まずはおさらい。

三井住友トラスト・アセットマネジメントさんが運用する、SMTAM S&P500戦略ファンド(株価水準レバレッジ比率調整型)って何だっけ?というところから。

目論見書から読み取れる情報はこんな感じ。

SMTAM S&P500戦略ファンド(株価水準レバレッジ比率調整型)とは
  • 投資信託財産の中長期的な成長を目指す
  • S&P500の過去最高値からの下落率等に応じレバレッジを構築することで、S&P500の反転上昇による高いリターンの獲得を目指す
    • 下落率等に応じ先物取引の買建玉の時価総額が、投資信託財産の純資産総額の1倍から2倍程度になるように調整
    • S&P500が過去最高値以上の場合
      • 目標レバレッジ比率は1倍
    • S&P500が過去最高値未満の場合
      • S&P500の過去最高値からの下落率(ドローダウン)、及び景気動向に係る定量評価(景気局面判断)に応じ目標レバレッジ比率を決める
      • 目標レバレッジ比率はドローダウンや景気局面判断によって拡大することはあるが、S&P500が過去最高値に到達するまで縮小はしない
    • S&P500の先物取引以外に日本の公社債にも投資を行うことがある
  • 商品分類(型:追加型、地域:海外、資産:株式)
  • 属性区分(資産:その他、決算:年1回、地域:北米、為替ヘッジ:フルヘッジ)
  • 信託期間は2033年5月17日まで、信託報酬は純資産総額に対して年率0.759%

これだけ見ると、頭にハテナが並んでしまうかなって。

トワナナさんも運用開始当時は理解が追いつかなかったのだけれど、とどのつまり。このファンドは先物取引でS&P500を保有するファンド。

現物のS&P500は保有していないので、為替のフルヘッジが実現されている。

で。レバレッジ比率の調整はS&P500(米ドルベース)が最高値からどのくらい下落しているかによって最大2倍まで段階的に上昇を続ける。

下落が一定以上になるたびにレバレッジ比率が上るのだけれど、そこから値を戻して最高値からの下落が小さくなっても、一度大きくなったレバレッジ比率は元に戻らないよってルール。

ゲームっぽい表現をすると、受けたダメージの最大値で火力があがったまま。みたいな感じ。

そしてS&P500(米ドルベース)が最高値に戻るとレバレッジは解除される。

ファンドは、S&P500(米ドルベース)が最高値に戻るまでの間はレバレッジがかかったままなので「S&P500は下落しても必ず値を戻す」という前提で作られたファンド。

具体的にどのくらいの基準でレバレッジ比率を変動させるのかも数字化されていて。

ドローダウン景気局面判断
好景気
景気局面判断
景気後退
5%未満1倍1倍
5%以上で10%未満1.25倍1倍
10%以上で20%未満1.5倍1倍
20%以上で30%未満1.75倍1.75倍
30%以上2倍2倍
ファンドの目標レバレッジ比率

んー。これ、目論見書更新された?

記憶とのすり合わせだから間違っているかもだけれど、説明が手厚くされている気がする。

ちょっと重複する内容が多くて、こなれてない感もあるのだけれど。伝えないといけないことを一生懸命に伝えようとしていることは伝わってくる。

ファンドの作りはシンプルだと思う。ただ、他にないタイプのロジックなので説明が長くなりがちというか。難しい。

・・・。

と。目標レバレッジ比率だった。

えーっと。

ふむり。

つまり「好景気」の局面では、S&P500は反転が早いと考えていて。「景気後退」の局面では反転が鈍いと考えている。

のかな?

2つの局面の差異は最高値からのドローダウン20%未満までのレバレッジ倍率で。

「景気後退」の局面だと、ドローダウン20%未満ではレバレッジを1倍に留めている。

これってたぶん、「景気後退」の局面において、ドローダウンが浅いタミングでは株価が反転しないで落ち続ける可能性が高いから、レバレッジ比率を上げないようにしておくロジックに見える。

機関や大口の調整売りの度合いとか、過去の数字から組み立ててるのかな。

このへん、面白いなーって。

What is the operation like?

前回の記事を書いた時には出てなかったマンスリーレポートも見てみる。

期間別騰落率はこんな感じ。

項目1ヵ月
(%)
3ヵ月
(%)
6ヵ月
(%)
1年
(%)
3年
(%)
設定来
(%)
ファンド3.3029.836.4829.2530.32
参考指数2.9618.197.4822.5823.40
ファンドの期間別騰落率(2024年1月31日付け)

おー!

参考指数はS&P500(ドルベース)とのこと。半年のみ負けているけれど、1年で盛り返しているし、設定来でもベンチマークより上の優秀な成績。

いいネ。

次は資産内訳。

項目比率(%)
S&P500先物99.70
短期金融資産など0.30
合計100.00
ファンドの資産内訳(2024年1月31日付け)

ここを見ると、このファンドがナニモノなのかがよくわかる。

S&P500の先物使い、下落時にレバレッジ比率を動的に切り替えていくファンドで、それ以上でもそれ以下でもないファンド。

マンスリーレポートにはレポート作成時点での目標レバレッジ比率等の情報も付け加えられていて。

こんな感じ。

項目内容
S&Pの過去最高値からの下落率▲1.67%
景気局面判断景気後退
2月初の目標レバレッジ比率1.00倍
目標レバレッジ比率等の情報(2024年1月31日付け)

レバレッジ比率とかはルール通り。

でも、あれ?って思ったのが景気局面判断が「景気後退」となっている点で。

株高で忘れがちだけれど、今って景気後退局面なんだね。やっぱり。

ソフト・ランディングだーとか、ノー・ランディングだーとか、AIバブルだーとは言っても。株価の上昇の方が数字的に異常で。

あと、目標レバレッジ比率の遷移という図がマンスリーレポートには書かれているのだけれど。

これが結構というか、ほえーって感じで。

ちょっと図をここに再現はできないので、気になった方は公式さんのレポートを読んでもらうとして。想像よりもレバレッジかけっぱなしなんだよ。

え?こんなにレバレッジ比率上げっぱなしなの?みたいな。2倍まで行ったことはないのかな?でも1.75倍あたりは普通にかけてる。それと、期間という軸で見るとこれまた結構1倍に戻っている。

ゼブラゾーンを渡りましょうばりに「しまうま」している。

こう、上げ下げを頻繁にしてキレイな横断歩道みたいになっているというか。

あれだよね、景気後退の局面なのだから、下落率20%まではレバレッジ比率1倍なわけで。

ん?

んー。

ああ、そうか。

S&P500(ドルベース)の最高値から計算するからか。

Google先生によればS&P500(ドルベース)の過去1年の騰落率は26.89%だから、この1年は最高値から結構下落していた。ということでいいのかな?

なるほど・・。

Let’s take a look at the performance!

実は為替フルヘッジのS&P500の投資信託とか大分レアな代物なので、比較する対象があまりなかったりして。ETFだとちょっとあるのかな?

おまけにネットの証券会社さんだと、SBI証券さんとauカブコム証券さんしか取り扱いがないという、お寒い状況。

ちゃぶいちゃぶい。

仕方ないのでチャートは無し。騰落率とトータルリターンでS&P500を採用するファンドを並べてみる。

(SBI証券さんとauカブコム証券さんは、ホームページのスクリーンショット利用禁止だからネ。)

ファンド1週間
(%)
1ヵ月
(%)
3ヵ月
(%)
6ヵ月
(%)
1年
(%)
3年
(%)
5年
(%)
設定来
(%)
eMAXIS Slim
米国株式(S&P500)
2.177.8013.7417.3543.3396.10163.96173.69
Tracers S&P500
配当貴族インデックス
1.445.069.257.5020.6714.23
eMAXIS Slim
S&P500クオリティ
高配当インデックス
0.605.338.678.3617.8420.44
SBI S&P500パリ協定
インデックス・ファンド
2.686.9714.8617.8044.8043.05
iFreeレバレッジ
S&P500
4.239.5520.6320.2047.7242.92139.56115.30
S&P500・
4倍ブル型ファンド
8.4619.3542.9039.40102.64▲9.46
S&P500
(マルチアイ搭載)
2.104.689.937.7014.2118.26
Tracers S&P500
ゴールドプラス
3.116.9212.1119.4049.7152.99
SMTAM
S&P500戦略ファンド
2.184.9114.7714.2937.5134.50
各ファンドの期間別騰落率(2024年3月4日SBI証券さん調べ)

為替ヘッジありと、為替ヘッジなしのファンドを今の円安で同列に並べるのはフェアではないのだけれど。この先に円高の機会もあると思うから、今はいまとして。

・・・。

んー。でも、意外と健闘してる?

今のアホみたいな為替ボーナスありeMAXIS Slim米国株式(S&P500)の1年と比べて、5.82%しか負けてないってトンデモ成績。

戻るかはわからないけれど、ドル円が110円まで戻ったとしたら円建てファンドはそれだけでマイナス27%。その時に為替フルヘッジのSMTAM S&P500戦略ファンドはノーダメージで、株安になっていればレバレッジ比率を上げて臨戦態勢。

ちょっと期待しちゃうかも。

・・・。

ついでにトータルリターンもぺたり。

ファンド1ヵ月
(%)
6ヵ月
(%)
1年
(%)
3年
(%)
5年
(%)
設定来
(%)
eMAXIS Slim
米国株式(S&P500)
7.1913.2440.5024.0321.65160.26
Tracers S&P500
配当貴族インデックス
4.514.8321.1910.42
eMAXIS Slim
S&P500クオリティ
高配当インデックス
4.365.5815.8016.27
SBI S&P500パリ協定
インデックス・ファンド
7.9014.2941.7335.99
iFreeレバレッジ
S&P500
4.688.7034.7610.9519.43103.13
S&P500・
4倍ブル型ファンド
8.6514.0768.68▲18.95
S&P500
(マルチアイ搭載)
2.352.439.1714.80
Tracers S&P500
ゴールドプラス
4.2113.0338.7844.87
SMTAM
S&P500戦略ファンド
3.306.4829.2530.32
各ファンドのトータルリターン(2024年3月4日SBI証券さん調べ)

こうやって並べて見ると・・。

むー?

3年未満のファンドばかりという点と。

あ、SBI S&P500パリ協定インデックス・ファンドが予想通り良い数字になっているね。S&P500に更にフィルタをかけた結果、大型の比率が上がっているファンドなので、大型が伸びる相場では強い。

それと、Tracers S&P500ゴールドプラスが1年だとiFreeレバレッジ S&P500よりもパフォーマンスがよいのが面白いかも。

Tracers S&P500ゴールドプラスはもっと評価されても良いと思う。

配当重視のTracers S&P500配当貴族インデックスとeMAXIS Slim S&P500クオリティ高配当インデックスは、今のグロースあげあげ相場だと他に追いつくのは難しそう。バリュー株の復権はもうちょっと先っぽいのかな。

The need to prepare for the coming day.

うーん。為替ヘッジって、その名の通り為替をヘッジするためのもの。

個人投資家が運用する資産額でそれが必要なのかと考えると、割と難しい課題にも思える。

でも、手段が用意されているのは歓迎すべきこと。

例えばそれが下落局面からの戻り相場でリターンを伸ばしてくれるツールも兼ねるのだとしたら、その有効性は検討してもよいのかなって。

これから訪れるであろう円高相場で。

学ぶこと、考えることは、止めちゃいけないって。

そう思ったんだ。

・・・。

おつかれさまでした。

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