文化の日を文明的に過ごすことなく、SBI証券さんで運用するファンドの数字をメモしようとしたところ。はて、見慣れないファンドの記事が出てるのが目に付いて。
見逃してたかなーって、三井住友トラスト・アセットマネジメントさんの新しい投資信託の特集記事らしきページを読んだ。
んー。
これ、成功報酬型のアクティブファンド?
あー。
どこかで聞いたようなーって。マネックス・アクティビスト・ファンドあたりもこんな報酬設定だったような・・。アッチの方がチョモランマ価格か。
とりあえずお付き合い無しの方向で・・と、ページを閉じようとしたところ。あれ?ベンチマークに見慣れない指数が書いてある。MSCI USAインデックスってなんだろ。気になる。
・・・。
今回は、いただきプラス・・じゃなかった、SMT iPlus 米国株式が競うベンチマークのこととか調べてみようかなって。えー、いただきプラスの方はー?えーっと、気が向いたら。そんな週末っぽい生産性のないお話。たぶん。
Memo
グローバル5.5倍バランスファンド(1年決算型)20231126
基準価額:6,653円 / 前日比(円)-24円 / 前日比(%)-0.36% / 純資産総額107.07億円
項目 | 通貨ペア | 価格 | 52週範囲 |
---|---|---|---|
ドル円 | USD/JPY | 149.4100(JPY) | 127.2540 – 151.9030 |
ビットコイン | BTC/USD | 37,822.99(USD) | 16,054.53 – 38,415.34 |
イーサリアム | ETH/USD | 2,080.95(USD) | 1,156.06 – 2,137.45 |
リップル | XRP/USD | 0.621722(USD) | 0.321628 – 0.887511 |
ステラルーメン | XLM/USD | 0.120320(USD) | 0.070841 – 0.183018 |
※為替はそこまでご利用が無いので、暗号通貨も混ぜています。価格の下のマーカーは1年前の価格に対しての状態を色分けしています。赤いマーカーは上昇、青いマーカーは下降になります。
項目 | 指数 | 数値 | 52週範囲 |
---|---|---|---|
米国株式 | CRSP US Total Market Index | 3,264.99 | 2,723.21 – 3,321.77 |
S&P500 | S&P500 Index | 4,559.34 | 3,764.49 – 4,607.07 |
NASDAQ | NASDAQ Composite Index | 14,250.85 | 10,207.47 – 14,446.55 |
英国株式 | FTSE 100 Index | 7,488.20 | 7,206.82 – 8,047.06 |
独国株式 | DAX Index | 16,029.49 | 13,791.52 – 16,528.97 |
日本株式 | TOPIX Index | 2,390.94 | 1,862.27 – 2,438.02 |
※ETFにするとマーケットプライスになるので、指数で扱えるものは指数でメモしています。52週範囲は約1年間の値幅の範囲を表します。1年間の範囲に対して現在の価格がどの位置にいるのかなどの確認に使えます。
項目 | ETF | 価格 (USD) | 52週範囲 (USD) |
---|---|---|---|
先進国株式 (除く米国) | Vanguard Developed Markets Index Fund ETF Ticker:VEA | 45.91 | 41.48 – 47.81 |
新興国株式 | Vanguard Emerging Markets Stock Index Fund ETF Ticker:VWO | 40.60 | 37.46 – 43.22 |
米国短期国債 | SPDR Portfolio Short Term Treasury ETF Ticker:SPTS | 28.80 | 28.58 – 29.44 |
米国中期国債 | SPDR Portfolio Intermediate Term Treasury ETF Ticker:SPTI | 27.71 | 27.01 – 29.40 |
米国長期国債 | SPDR Portfolio Long Term Treasury ETF Ticker:SPTL | 26.47 | 24.47 – 31.67 |
金 | SPDR Gold Shares Ticker:GLD | 185.52 | 161.91 – 191.36 |
コモディティ | iShares S&P GSCI Commodity-Indexed Trust ETF Ticker:GSG | 20.76 | 18.65 – 22.95 |
※こちらは情報の扱いが難しいため、数字の取り易いETFでメモしています。数字は手打ちになりますので、間違っていたらごめんなさい。参考程度に見て下さい。
Be careful
この記事で書かれている内容はトワナナさんの感想です。間違いがないよう注意を払っておりますが、それでも事実と異なる内容が含まれているかも知れません。また、特定の商品をお勧めする意図などはありません。(詳しくは、免責事項とPrivacyPolicyを参照下さい。)
「そうなんだー」くらいの肩の力を抜いた状態で、たのしんでいただければ幸いです。
What is iPlus?
iPlusはシリーズみたいで。
ラインナップはこんな感じ。ちなみにiPlusのiは、indexのiだそうな。
ファンド名 | ベンチマーク | 投資地域 |
---|---|---|
SMT iPlus全世界株式 | MSCI ACWI (配当込み、円換算ベース) | 全世界 |
SMT iPlus米国株式 | MSCI USA INDEX (配当込み、円換算ベース) | 米国 |
全世界と全米の2ファンド体制。このへんは昨今の鉄板コンビなので分かり易い路線。
まずはファンドの基本情報から。SMT iPlus米国株式はこんな感じ。
ふむふむり。
このファンドは株式を主たる投資対象とする、信託財産の成長を目指すファンド。パッシブな株価指数に連動を目指すファンドではなく、ベンチマークとする株価指数を上回る成績を目指す、アクティブファンドかな。
気になる運用方針はというと・・。
なるほろ・・。
あ、伝統的指標に注釈が付いているから一応。
名前 | 説明 |
---|---|
PBR・PER | 株価の割安さを測る指標のこと |
株価モメンタム | 過去一定期間の株価の上昇率を測る指標のこと |
ROE | 企業の収益性を測る指標 |
ざーっと目を通す感じ、トワナナさんたちが普段していることを「システム化」している感じなのかな?
伝統的指標は財務情報から企業を分析して、株価の割安とか財務の健全性とか、そのあたりの目安にして。非財務情報(オルタナティブデータ)と呼んでいるのは、とどのつまり「ネットで検索した」的なファンダメンタルな情報。
それらの情報ソースを元に4つの戦略に銘柄の「魅力度」を算出させる。
えーっと、各戦略の説明がこの後にあった。
戦略名 | 説明 |
---|---|
バリュー戦略 | 本来あるべき水準まで株価が上昇する可能性の高い割安銘柄に投資する |
モメンタム戦略 | 株価の上昇トレンドの継続が見込める銘柄に投資する |
クオリティ戦略 | 持続的な業績成長に伴う株価の安定的な成長が見込める優良銘柄に投資 |
ディフェンシブ戦略 | 株価の値割れの可能性が低い銘柄に投資する |
あれ?景気観な要素は含んでないんだね。
4つの戦略はそれぞれ企業を分析した結果の評価方式というか、んー。あー、えーっと。基準の異なるランキング・フィルタみたいな感じ?
そっか。それでリスク・コントロールを行い、魅力度に応じて銘柄のポートフォリオ内の比率をコントロールすると。
たぶんだけれど、リスク・コントロールの部分で4つの戦略内の魅力度に重みづけする感じ?景気観はリスク・コントロールの部分がジャッジを担っているのか。
なるほど、利には適っている気はする。
・・・。
流行り風に言うとAI投資的な。ちょっと、ロボアドっぽい?
The difference in class is the difference in performance.
あとは・・。
信託報酬の計算が目に付く。
信託報酬をざっくりと言い表すと。「基本報酬」と「実績報酬」の2つの合計が請求される仕組み。
基本報酬は固定の純資産総額に対して年率0.055%。
実績報酬は4半期ごとに集計して、その期間ファンドのパフォーマンスがベンチマークよりも高ければ「差額の33%」を実績報酬とする。ただし、上限は純資産総額に対して年率1.1%とする。
ファンドのパフォーマンスがベンチマークを下回るなら実績報酬は0。この場合は基本報酬の年率0.055%のみ請求される。ココの点を低コストと呼んでいるみたい。
料金が多段階になってるんだね。
ちょっと面白いのが、この実績報酬は委託会社と販売会社で7:3の割合で配分されるそう。運用がうまくいくと販売会社(例えばSBI証券側)にもドーン報酬が支払われる仕組み。
割合はともかく、利益をちゃんと山分けするのはヨイかも。
わけまえが貰えるなら販売会社もガンバるかーって気になるし。投資者にしても、ベンチマークを超えるリターンで基準価格が上がってベンチマークに対しての「差額の67%」利益を得る。
それに関わった人たちにちゃんと利益を分配していかないと、その輪が育つこともないから。よいことって思う。
・・・。
でも。
何故、信託報酬を実績報酬の上限である年率1.1%にしないの?って疑問。
基本報酬の0.055%+実績報酬1.1%=1.155%が実際の上限なのに。目論見書では基本報酬と実績報酬をわけて表記して明示していない。
「コスト」と「パフォーマンス」にこだわるあなたへって広告出すのだから、ちゃんと書いた方が良いと思う。
思うのは、このファンドを買うひとは「コストが安いからで買う」ひとは稀で。大半は「コストが高くてもパフォーマンスを出してくれるならお金を出すよ」というひと達。
目論見書によれば、デリバティブ取引はヘッジ目的に限定と書いてあるので、コレ、新NISAに入れるつもりはあるのだろうし。
うーん、ううーん。
何かこう、携帯会社の契約書みたいなモヤモヤ感。
もっと堂々と「我々の技術には価値がある、だからパフォーマンスも高い、信託報酬もそれに合わせて高額」って。胸を張る方がイメージがいいのに。
自信があるなら猶更。
「信託報酬が安ければ儲かると思っている〇カマ野郎どもめ、格の違いがパフォーマンスの違いだ。」くらい広告に書いてもいいと思うよっ!よく燃えるかもだけれど冬だし!
ネー。
What is MSCI USA INDEX?
ベンチマーク側を調べてみる。
トワナナさん的にはこっちが本命。
どこかで見たような記憶もあって。CRSP US Total Market Indexみたいな、MSCIだからMSCI US Investable Market Indexかな?全米をカバーする指数みたいな。
えーっと。MSCI公式で・・。
・・・。
んー、これ。MSCI US Investable Market Indexに似てる何かかと思いきや、MSCI Global Investable Market Indexの手法に基づくとか書いてある。
むむ。何が違うんだろう。
FactSheetによれば、こんな感じ。
MSCI US Investable Marketは確か、Large capが300、Mid capが450、Small Capが1,750の計2,500銘柄だから大分違う?
目に付くところだと大型+中型の部分。S&P500は大型のみで構成しているから、S&P500とも異なる値動きになるということか。
むー。
MSCI Global Investable Market Indexを調べるか・・。
ああ、珍しく検索にヒットするじゃないさ。公式優秀。エンジニアしごとしれ。ええと。
・・・。
うぎゃー、面倒くさい方のMSCIドキュメントだー涙。
ぐぎぎぎぎg・・。
・・・。
はぁ、読むか・・。
色々端折って要点を書くとこんな感じ?(原文は英語なので翻訳を間違えていたらごめんなさい。)
これ・・、以前も書いたような気がする。
たぶん↓あたりで。
冒頭に MSCI USA Investable Market Indexとか書いてるし。(場所によってUSとUSAが変わるんダヨネ・・。ワカラナイヨ。)
MSCI似たようなインデックス作りすぎ問題。
うーん、たぶんだけれど。MSCI Global Investable Marketって、つまりは適格性で残った企業を浮動調整後の時価総額で割合を求めるのだけれど、その際にサイズ・セグメントという概念を設けていて。
このサイズが市場規模に応じて数値を定義するから、作りたいサイズに合わせてカスタマイズできるしサイズ・セグメント間の移動も定義できるよね、いい感じだよね、みたいな設計という雑なまとめでいいのかな。(前回も雑ですよ、ええ・・。
いや、本当はこの80倍くらい面倒なことしているのだけれど、それを説明するのなら「原文読んで」の方が正確だし早いし。
・・・。
あきらめだ!
人生にはあきらめが肝心だ!(←さいてい。
うおー。
あ、そいでもって結局のところ。MSCI USA INDEXって何なのさっていうところ。
途中でUSA Standard Segmentのexampleがあって。たぶんこれのことかなーって。FactSheetにあった「米国市場の大型株および中型株セグメントのパフォーマンスを測定する」の部分。
これって、ポートフォリオには大型と中型の株式で構成していますよと書いてあるわけで。MSCI Global Investable Marketの定義によれば、大型と中型の組み合わせはStandard Indexに該当して、投資可能な市場の85%を含むことになる。
この85%の数字の部分もFactSheetの「インデックスは米国の浮動株調整後時価総額の約85%をカバーする」に該当するから、たぶんあっているのかなって。
で。2023年11月現在は625の企業がポートフォリオに含まれるよと。何か+1になってるけれど、気にしたら負けだから。
負けだから!!
・・・。
まとめると、上の方に書いたことが全部。
米国に上場する一定の基準を満たす投資可能な株式の中から、大型と中型の株式を使い、浮動株調整後時価総額加重でポートフォリオを作ったインデックス。
成長期待とかリバランス時の効率とか、あとバリュー寄りだったりで大型以外もカバーしておきたい。でも小型はそこまで影響無さそうだし、いらないかなーって。そんな希望に寄り添う感じのインデックスなのかも。
あ。
忘れるところだった。
FactSheetにパフォーマンスの数字があったのでペタリ。
Index | 1Mo (%) | 3Mo (%) | 1Yr (%) | YTD (%) | 3Yr (%) | 5Yr (%) | 10Yr (%) | Since May31,1994 (%) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
MSCI USA | ▲2.33 | ▲8.55 | 9.55 | 10.50 | 9.14 | 10.39 | 10.45 | 9.32 |
MSCI World | ▲2.90 | ▲9.31 | 10.48 | 7.88 | 8.14 | 8.27 | 7.53 | 7.08 |
MSCI ACWI IMI | ▲3.33 | ▲10.06 | 9.43 | 5.75 | 6.45 | 7.11 | 6.61 | 6.77 |
ザ・ユーエスエーみたいなパフォーマンス。
この辺りの数字はいつもの並びで米国、先進国、全世界の順番。んー。ちょっとACWIが年初来だと大きく崩れている感じ。USAと倍近い差が付くのはやはり上位企業の比率、かな。
ふむー。
Life without charts is like coffee without creep.
米国さんちはS&P500とか、CRSP US Total Market Indexあたりの巨人がいるから、MSCIのUSAなインデックスを採用したETFはメジャーになれない感じ?
探してみても見当たらない。
Xtrackersとのお名前の会社がETFを出していたような痕跡はあるのだけれど、500番台のエラーが出るから・・、たぶん。お亡くなりに。
なんてこったい。
お約束のチャート比較できないじゃないのさ。
・・・。
でも、うーん。幾つかチャート比較してきた感想では、実のところ比率を固定で持つポートフォリオであったり、一部のセクター比率を増やしたり。全米株式(例えばVanguard Total Stock Market Index Fund ETFとか)にトータルリターンで上行くポートフォリオはそんなに難しくない感想。(ナイショネ。
なので、MSCI USA INDEXをパフォーマンスで上回ることが出来る、というのも現実的かなって。
競う対象がNASDAQ100とか、NYSE FANG+と言われると、「やべー」ってなっちゃうかもだけれど。
いや待ってっ!
みんな忘れてない?SMT iPlusを運用しているのは、天下の三井住友トラスト・アセットマネジメントさんだよ?!
ははーん、これはあれだね。みんなを油断させておいて次のラインナップで来るね。来ちゃうね。
NASDAQ100をベンチマークにしたファンドと、NYSE FANG+をベンチマークにしたファンドが!
くう。
侮っていたよ三井住友トラスト・アセットマネジメント。
あの動画のおにーさんのガッツポーズは、ここに繋がっているんだよ!
スゴイ、スゴイヨ!三井住友トラスト・アセットマネジメント。
MSCI ACWIなんざ目じゃないぜーって。全米?オイオイ・・、オレたちを誰だと(ry。
・・・。
・・・。
えーっと。
マジメな感想を書くと。
新NISAで株価指数に連動するファンドの価格競争の末、こういった商品が今後増えてくるのだと思う。
少し前にSBI岡三アセット・マネジメントさんだっけ?最近だとブラックロックさんちのファンドもそうだった記憶で。時限式の一定期間だけ信託報酬を安くするよというファンドの販売形式も見かけた。
それは差別化の手段の1つではあって。
うーん。
ここで大和アセットマネジメントさんの名前を出すのが適切かはわからなくて。
正直、大和さんは投資初心者を食い物にしてる〇〇イ会社だと思うんだよ。(←直球。
ただ、他社さんが出さない商品を出してくる。
スゴイと思う。
大和さんはたぶん、他社さんが太刀打ちできない開発力を持つ会社なのだと思う。けれど、本当にスゴイと思うのはそこでは無くて。
実は世間をにぎわせたレバレッジNASDAQ100とか、NYSE FANG+のファンドも、設定当初は全然資金入って来てなくて。パフォーマンスも死亡した患者の心電図みたいで。
それでも、運用していた。
違うから話題にあがらない。話題にあがらないから資金も集まらない。
でも。違うものを作って、運用していた。
それが本当にスゴイなって。
・・・。
他社との差別化は「他社が出していない商品の開発」って。商売の基本中の基本。
これはとっても個人的なことで。
ただの希望と感想で。
トワナナさんは、そういったファンドが増えたらたのしいなって。
そんな風に思ったんだよ。
債券に4倍のレバレッジをかけて利上げ局面で瀕死になる何とかってバランスファンドとか。オリジナリティって大切だなー(白目。
・・・。
おつかれさまでした。